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story とり と さかな

すいー
すいー

さかながいっぴき
みずのなかを
きもちよさそうに
およいでいました

すると

すいー
すいー

そらのほうに
うごくものがみえました

・・・・・

なんだろう?

さかなは
うごくものがきになって
すいめんのちかくに
かおをだしました

こんにちは

さかなはこえをかけました

こんにちは

きもちよさそうに
うごいていたのは
そらをとぶ
とりでした

・・・・・

とりさん
とりさん

ぼくたちとっても
にているね

さかながいいました

え?
わたしたち
そんなににているかしら

とりがりいいました

・・・・・

とってもにているよ

ほら

さかなはみずのなかを

すいー
すいー

と、およいでみせました

ほら
こんなふうに

さかなはヒレを
パタパタして
みせました

ほんとうだ

すいー
すいー

そういって
とりははねをパタパタして
みせました

・・・・・

すいー
すいー

とりは
だんだん
たのしくなりました

そらをとぶって
きもちがいいね!

さかなも
だんだん
たのしくなりました

みずをおよぐって
きもちがいいね!

・・・・・

さかなととりは
みずべによって
あくしゅをしました

あいたくなったら
いつでもここへきて
ぼくをよんでね

さかなはいいました

さかなさんも
あいたくなったら
いつでもここへきて
私をよんでね

とりがいいました

・・・・・

そして
さかなととりは
それぞれの
おうちへ
かえっていきました

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。