初めて育つ天体が月なら、こどもはいつもおとなの月になってしまう。それは悲しみであり喜びであり。だからこどもはいつもおとなに忘れていたことを思い出させてくれるのかもしれない。そしてひとは生涯その月を抱き生きていく。

ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。