poem 夕暮れの道
日が暮れて
風が凪ぐ
蝉時雨
野辺のこの道
歩く私は
誰そ彼
遠くの山波
深い影
今日一日を
引き連れて
静かに深く
沈んでく
真っ赤な夕日の
最後の雫
橙色の
最後の雫
一体誰が
こんなにも
美しいと
教えたろう
今日一日を
引き連れて
静かに深く
沈んでく
真っ赤な夕日の
最後の雫
橙色の
最後の雫
ただ荘厳な
一雫
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。