poem 無花果は踊る
タンタン タタター
タタータ タタータ
赤い太陽沈む街
タンタン タタター
タタータ タタータ
白い三日月背に置いて
足に繋がる鎖を鳴らす
ジャンジャン ジャララタ
ジャンジャン ジャララタ
薄紫の煙に巻かれ
我を忘れて私は踊る
ジャンジャン ジャララタ
ジャンジャン ジャララタッ
囃子は徐々に速くなり
篝火透かす衣は揺れる
ジャンジャン ジャラータッ
ジャンジャン ジャラータッ
夜が明ければ城壁と
頸木が私を待っている
僅かに触れる外の風
光の中に見えるのは
青く広げた葉の下で
黙って実る無花果だ
誰も知らない私の心
誰にも見えない私の心
外には見えない私の花を
内に咲かせた無花果だ
ことばはこころ。枝先の葉や花は移り変わってゆくけれど、その幹は空へ向かい、その根は大地に深く伸びてゆく。水が巡り風が吹く。陰と光の中で様々ないのちが共に生き始める。移ろいと安らぎのことばの世界。その記録。