精神科治療と芳香剤

今回はダディの発言から着想を得て考えたことをかけたらいいなと思います。

私は幼少期から静かな虐待(のようなもの)を受けて育ちました。
しかし笑顔でいることが多いのでそのような背景を知られずに人間関係を続けることが多いです。
そうすると人は案外ころっと表の顔を信じるので私のことを何の悩みもないノーテンキ野郎だと思ってくれます。
実はその方が楽です。
しかし私は虐待を克服してノーテンキ野郎として生まれ変わっているでしょうか。
誰がどう考えてもそうではないですよね。

病院に行く時は、きっと病気が治ることを期待していきますよね。
確かに治せる病気もある、例えば免疫細胞が頑張ってくれれば風邪のウイルスを体から排出して元の状態に戻ることが出来ます。
もちろん世界から風邪ウイルスを撲滅することにはなりませんが、少なくとも自分を苦しめている病原体は排出できるので万事オッケーです。
しかし、精神科の治るっていうのは一体何なのでしょうか。

精神科で用いられる認知行動療法というものは自分の思考の癖を理解し、より苦痛を感じにくい考え方を身につけようというものですが、これは先述の「風邪が治る」とは違いますよね。
元々の思考の癖というのはそのまま存在しているんです。
ただ矯正しているだけで、自分の考え方そのものが変わったわけではないんです。
元の癖を自覚しているからそこから遠ざけるっていう、ある意味基準として存在しているんですね。
ということは精神科通院中の方の病気が治ることはないのでしょうか。

私の考えでは、精神科の病気は治らないと思います。
よくなっている状態の人にとっては不快な一文となっているのかもしれませんが、よくなることも考えての意見です。
例えば、トイレの芳香剤を考えてください。
よく、「臭いものに香りを付け足して誤魔化しても無駄だ」と言いますが、芳香剤を置かずにはいられませんよね。
だって臭いですから。いい香りで誤魔化せるんだったら芳香剤の一つや二つは置きます。
それが精神科の治療なのではないかと思うのです。
根本治療というのも、過去の出来事を思い出すときの感覚の矯正に過ぎず、過去を変えることには至りません。

治ると思いたいですけどね。
でも私は治ることのない病気にも、芳香剤の如く薬を処方してくれる業界には感謝しています。