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夏休みの宿題〜人権作文の書き方

先日、生徒さんと話している中で、夏休みの宿題の話になりました。夏休みの宿題を早く終わらせなければいけないというのはわかっているけども、自分で生み出す系統の宿題、いわゆる作文や自由研究が終わらないとおっしゃっていました。
そこで、今回は夏休みの宿題の定番である、人権作文の書き方を説明したいと思います。


人権作文とは

https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken111.html(法務省・人権作文サイト)
上のリンクから人権作文を主催している法務省のサイトへ飛ぶことができます。

https://www.moj.go.jp/content/001393870.pdf

こちらのリンクは、人権作文コンテストの実施要領になります。その中で、まず注目していただきたいのが、応募規定のなかの作文の内容の部分です。

日常の家庭生活、学校生活、グループ活動あるいは地域社会との関わりなどで得た体験を通じて、基本的人権の重要性、必要性について考えたことなどを題材としたものとする。

第42回人権作文コンテスト実施要領より

そして丁寧に、人権作文の書き方まで解説してくれています。

法務省【人権作文】サイトより抜粋

ただし、これを読んだからといって書けるようにはなりません。特に中学生にとっては、0から文章を生み出すことはかなりの負担になると思います。
ですから、今回は私がこのブログを執筆する上で、どういう手順で書いているかを説明し、それを作文にも応用して行きたいと思います。

ルールの確認と材料集め

ルールをまずは把握しよう

まずはルールを確認しましょう。例えばこのブログはECCベストワン武庫之荘駅前校という学習塾のブログですので、勉強関連のことや塾のことについて書くというルールを私は決めています。
同様に、人権作文にもルールがあります。先ほどの引用部分を思い出してください。

日常の家庭生活、学校生活、グループ活動あるいは地域社会との関わりなどで得た体験を通じて、基本的人権の重要性、必要性について考えたことなどを題材としたものとする。

第42回人権作文コンテスト実施要領より

まず大前提として、自分の体験や経験で人権に関わるエピソードを考える必要があります。
ここで何も思いつかないという生徒さんは、人権というキーワードの理解が曖昧すぎる可能性が高いので、まずはその点を調査しましょう。

基本的人権とは

人権についての解像度を上げる

〘名〙 人間が人間として当然持っている基本的な権利。自由権、参政権、社会権に分かれる。人間は生まれながらにして自由、平等である、という近代自然法思想に由来し、イギリスの権利章典、アメリカの独立宣言、フランスの人権宣言などで確立された。わが国の明治憲法も、法律の範囲内で臣民の権利としてある程度認めていたが、現行憲法では、これを侵すことのできない永久の権利として保障している。人権。基本権。

※日本国憲法(1946)一一条「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない」

精選版 日本国語大辞典

辞書で調べると、ほとんどの辞書では上のような意味で載っています。さらに社会が好きな中学生であれば、日本国憲法の部分で、基本的人権については学習しているかもしれません。ちなみに日本国憲法では、第11条に書かれています。

〔基本的人権〕

第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

日本国憲法

もう少し、わかりやすく書くならば「人間誰もが身体の自由を大切にされ、人間らしく生きる権利」のことです。そして公共の福祉に反しない限り尊重されることも書かれています。具体的には、
・思想の自由
・男女の平等
・参政権(政治に参加する権利)
・健康で文化的な最低限の生活を営む権利
・裁判を受ける権利
などがあります。

自分のエピソードに当てはまるものがないか探そう

ここまで、基本的人権はなんぞやという部分を見てきました。そして、だいたいのことは把握できました。
次に、調べたものの中から、自分のエピソードと繋げて書きます。
例えば、
・ニュースを見ていたら選挙のニュースがやっていた。なぜ中学生は投票できないのか?
・SNSで友達同士が揉め事を起こしていた。自由にSNSで発信することは、相手に嫌な思いをさせる程度まで自由に発信してもいいのか?
・自分のお母さんが、おじいちゃんに免許を返納するよう強く言って、喧嘩になっている場面をみた。おじいちゃんの車がないと生活できないと言う気持ちもわかるけど、もし事故を起こしたら、相手の命を奪ってしまうかも

など自分が体験したエピソードを思い出してみてください。
ここまで、このブログを読んでくれたあなたは、人権というフィルターが細かくなった状態ですので、最初よりも思いつきやすくなっていると思います。

材料集めが終われば、作文の型に沿って書いていく

まずは書いてみることが大切

自分のエピソードを思いついた方は、次に作文を書いて行きます。その時に作文の型を知っていると書きやすいので、ここでは代表的なものを2つ紹介します。

3段落構成

文章を3つの段落「序論」「本論」「結論」に分けて書きます。この時に、まずは結論を考えておくと、書きやすくなります。
自分が言いたい結論、つまりゴールに向けて序論と本論を書いていくという流れになります。

【序論】では自分のエピソードを導入に書くことができるでしょう。⚪︎⚪︎のような経験をしたことで、◻︎について考えるきっかけとなった。のような感じで書けばOKです。

【本論】は最も文章量が多くなると思います。ここでは、あなたの結論に向けて、サポートしていく文章を書いて行きます。その時に、なぜその結論になるのかという理由を書くことが必須になってきます。
自分の結論をサポートするために、専門家の意見や新聞・ネット記事を引用してもいいでしょうし、ちょっと上級者向けの書き方として、自分の結論とはちがう意見や主張を反論する形式で書いていくこともできます。
いずれにせよ、自分の主張・意見をサポートする文章になりますので、この本論は丁寧に書いていく必要があります。

【結論】では、あなたの主張を書きます。そして、今後の展望などを書けば作文としてある程度の形にはなるでしょう。

PREP法

ブログなどを書く方であればご存知かと思いますが、PREP法という書き方もあります。
PREPはPoint(結論)Reason(理由)Example(例)Point(結論)の略で、文章の最初にまず結論を書きます。そして、その理由を述べた後、具体的なエピソードを紹介します。
最後に結論をもう一度述べて作文として完成させる書き方です。

結論を2回書くことで、言いたいことが伝わりやすいので、初めに結論を書くので、この文章が何を書きたいのかわからない。という状況は防ぎやすいパターンです。
しかしながら、長文は書きにくいというデメリットや慣れるまでは使いにくいということも挙げられます。

とにかく手を動かしてみて、誰かに読んでもらうことが大切

作文を書くうえで、「何を書いていいのかわからない」という悩みはつきものです。
まずは、手を動かして三行でもいいので書いてみてください。書いていくうちに頭が整理されてどんどん書いていける場合もあります。
そして、可能であれば文章を書ける人に作文を見てもらってください。中学生の作文でよくあるのが、主張が2つ3つある文章を書いてしまうことです。言いたいことがたくさんあって書いてしまう場合や、書くことがなくていろんな話を盛り込んでしまうことが原因として考えられます。
自己完結してしまうと、それらに気づくことは非常に難しいので、ぜひ文章を書ける人に一度、書いた文章を読んでもらってください。
きっといいアドバイスをもらうことができると思いますよ。

盗用は厳禁。必ず自分の考えを自分の文章で

最後に、ネットなどで見かけた文章をそのまま書くのは絶対NGです。最近ではchatGPTなどの生成AIでも文章を作ることができますが、バレると思います。
何より、文章を正しい構成で書く力というのは、国語力の向上も期待できる面がありますので、上で紹介した書き方で、ぜひ書いてみてください。


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