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「何から勉強すればいいんですか?」

「何から勉強すればいいんですか?」は生徒から聞かれる質問の第1位です。このよくある問いに答えるために、まずは、この質問を深掘りしていく必要があります。

勉強は最初の目標設定が一番肝心

何から勉強すればいいか?→スタートはどこから?ではない。

「何から?」を直訳すると、始まりは?スタートはどこ?でしょうか。英語ではFrom what?かな。

ところが、私の意見は違います。
ここで、数学の知識をみなさんに問います。直線を決定するためには、何点あればいいでしょう?
答えは、2点です。

平面上で2点を通る直線は1本

では、Aをスタートだと仮定しましょう。Aは任意の点、すなわちどこでもいいです。AからBを通る直線を引いてください。ただし、Bは分かりません。という条件で直線を引けますか?引けませんよね。だって1点(Aはどこにおいてもいい)しか決まってないですから。

ゴールを決めよう

最初のよくある質問を思い出してください。
「何から勉強すればいいですか?」
これは、すなわち点Aをどこに置けばいいですか?ということに他なりません。
でも、大事なのは点Bも決めないといけないということ。
そう、「ゴールも考えてね」ということです。

具体的であればあるほどいい

このゴールは具体的であればあるほど良いです。これは科学的にも証明されています。
漠然とした、「いい大学に入って、いい就職を」とか「とりあえず関関同立に」、「いまの模試の成績でこれぐらいのとこならいけそう」などではなく、⚪︎月までに、英検⚪︎級が、⚪︎⚪︎の理由で取りたい、取らなければならない。このように、より具体的に目標を設定することで、点Bがより鮮明に浮かび上がってきます。

点Aも点Bも決めた、あとは線を引っ張るだけ、しかし

では、目標も決めました。そのための、スタートも決まりました。さあ勉強を始めようと意気込んだのも束の間、あなたに最大の壁が立ち塞がります。
それは、「モチベーション」です。

勉強するのはあなたで、私ではない

学校や塾では、登山道は案内してくれるけれども

みなさんは、こんな例えを聞いたことがないですか?
「受験勉強は登山と同じで、頂点は1つ、でもルートはいくらでもある」
私もありますし、これはその通りだと思います。
しかし、重要な点を忘れてしまいがちです。

山を選ぶのも、登るのもあなた

最短距離を示すことはいくらでもできる

我々、塾講師というのは受験・資格取得のプロです。数多くの生徒を見てきた中で、この生徒の性格や勉強スタイル、現在の成績を判断して、どれぐらいなら成績が上がりそうかは大方わかります。
そして、その上で、山頂(受験・資格試験合格)までの最短ルートを示すことも可能ですが、登頂するのは、結局、生徒自身なのです。

つまり、山の登り方はいくらでも指導できますし、サポートすることもできますが、生徒さんが努力するかしないか、山に登るか登らないかは生徒さん自身の要素がとても大きいということです。

モチベーション管理

ここで、生徒さんの努力を大きく左右する要素が「モチベーション」です。「動機づけ」などということもあります。
大きく分けて、2種類あり、外発的動機づけと内発的動機づけがあります。

簡単にいうと、外発的動機づけとは、「テストでいい点を取れば、新しいゲームがもらえる」など、外部からの報酬がモチベーションになっています。短期的にはモチベーションが高まる一方。冷めやすいことも特徴です。要は、長続きしない。ということです。

一方、内発的動機づけとは、好奇心・興味など自分の内側から出てくるもので、長期間モチベーションの維持が可能になります。ただし、受験勉強に興味があるという生徒さんは少数でしょう。

少しでもモチベーション維持を長くするためには

では、完全に外発的動機づけ(大学に受かりたい、資格試験に合格したい)のみでモチベーションを維持していくしかないのでしょうか。
ポイントは最初にお話しした、点Bにあります。

点Bを具体化すれば、するほど良いと書きましたが、これは内発的動機づけを高める効果があるからです。
自分は何のために、大学に行くのか?なぜ、この資格を取るのか?これを自分の好奇心・興味と可能な限り絡めることで、外発的動機づけよりも内発的動機づけが有位になります。
実は、モチベーションの維持は、スタートの時点で大きく左右されるのです。

勉強スタートの前に、点B(ゴール)をより鮮明にしておく、そして最短距離で最速で山頂に登る方法(勉強法)を学校や塾で学ぶ。
これこそが、「何から勉強すればいいんですか?」という質問に対する、私なりの答えになります。




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