モービウス

 気付いた頃には前に映画館で観てから2週間くらい経っているのですね。いや、3週間以上じゃ?

 色々あって観たい映画が溜まっていっています。

 マーベル作品なんて気づいたら新しいの公開してますよね。有名どころではない原作が増えているのでコアな映画へとシフトチェンジしている感じが否めない。そんな感じで自分も思っていたんですよね。

 しかし今回の『モービウス』は単体映画として非常に観やすく感じました。この点に関しては自分自身がこのモービウスというキャラクターに詳しくないからこその変な先入観がなかった点はあるかもしれないですね。この映画自体もそもそもモービウスとはどのような人物像なのか? そこを掘り下げて描くように努めていたのも評価しやすいです。

そして一番に評価したいのは、戦闘シーンのカッコ良さですね。どこかマトリックス感のある、一瞬のスローモーションからの体をねじっての回避。こういうスタイリッシュとも呼ぶべきアクションシーンってすっごく好きです。

 だからこそ、作中でそこが観ている方として絵がごちゃごちゃしすぎて、一瞬、どうなっているのかが分かりづらいところも多く見受けられた気もします。後で後述しますが、場の流れが「超音波」として見える演出があるんですよね。それは世界がボヤけているようにも見えるのが原因ではないでしょうか。

 コウモリの能力があるキャラクターって一瞬、バットマンを思い出したりするかと思うんですけど、全然違いますね。バットマンはほぼ見た目しかコウモリ感出してないですしね。

 主人公はマイケル・モービウス。幼少期から頭脳明晰な彼の欠点とも呼ぶべき特徴はその血液系の病であった。ホーキング博士とかに近いキャラクターとも言えそうですね。天才の薄命の人物像。

 その人物像を打ち壊し、欠点の病の関知のために、そして親友のマイロのために彼は作中で唯一ともいえるある実験を始めてしまいます。

 アメコミとかを履修していくと敵味方に差異無く、頭脳明晰なキャラはマッドサイエンティストの様相を表してしまう。彼はコウモリの血液凝固を抑える方法を遺伝子レベルで自分の体に書き込むことができれば、病を治せるのではないか。と考えます。

 その結果は失敗。モービウス自身は飢えのような吸血衝動に苛まれることになります。

 彼は信頼していた女性への衝動や殺人を犯してしまったことへの後悔からこの研究を封印することを決意します。それは親友のマイロにとってはモービウスの裏切りに映ってしまう。親友との決別シーンはいつ観ても作中の胸を苦しめるシーンですね。

 そんな彼はコウモリの吸血衝動だけではなくエコロケーション、超音波の検知能力や飛翔能力を手に入れます。しかし人工血液だけでは自身の吸血衝動を抑えることは出来なくなる。そのことを彼自身が常に考えるようになります。

 そこに親友マイロの変わり果てた姿が現れるのです。その姿は吸血衝動を抑えられない、自分自身を映し出したような存在。そう、彼が同じ血清を接種したことを知るのです。

 すでに説明はしましたが、戦闘シーンが一番にオススメしたいところではありますが、モービウスという人物自身にも人間らしい魅力と、キャラクターとしての魅力が余すことなく表れているのがとても素晴らしい映画でした。

 アクションは好きだけど、マーベル作品って多すぎてもう入れない気がする人にも観てほしいです。

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