偶然と想像

 映画を観たのであれば、記録に残しておかないと。最近は特に忘れやすくなっている気がするからだ。

 最近はラジオを聴くのにハマっている。もしかしたら、別のNOTEに書いていたかもしれない。
そのラジオ番組の中にアフター6ジャンクションがある。有名なのであまり書くこともないだろうが、簡単に言うと、映画を含めて色んなものを特集している東京の午後6時の番組だ。

 その中で取り上げられていたのが『偶然と想像』である。

 この作品は3つの40分の短編集となっている。とは言ってもそれぞれの作品は独立しているので、この作品を観れば三粒おいしい。となっている。
もちろんそれぞれの作品は「偶然」と「想像」でストーリーが進んでいくことは共通しているのである。

 1つ目はモデル仲間から気になる男の子ができたと聞かされる女の子の話である。
 短編なので時間と余裕がある人には観てほしいので深くは話さない。(とは言っても愛知県ではシネマスコーレのみで上映されているのだが)
 この作品は最初であるからこその、キャッチーであり、それでいてドロドロとしてくる恋愛要素が含まれているのが魅力的だろう。こういうのが現実にどこかで似たようなことが起きていそう。そう思わせる。

 2つ目は考えてみると1つ目と関係しているとも言えるかもしれない。まあ、恋愛? これをそんな言葉でまとめてもいいのか分からないが、セフレにそそのかされた女性が芥川賞を受賞した男性(渇れてそう)にハニートラップを仕掛ける話である。
 この男性は絶妙にリアリティーのある演技だったな。そう思わせる。第一に棒読みなのだ。しかもカメラにも女性とも目が合わない。男性のキャラクター設定としては女性関係がほぼ無い男性。となっているから会っているのだ。
 女性の小説の音読シーンなどエロに寄せた描写が多く、1つ目の作品以上に俗っぽいリアルさが出ているように感じられたのも観ていて面白い。

 3つ目は同窓会に出るために東京から仙台へと遊びに来た女性の話である。
 1つ目、2つ目の作品で、描いたのが若い人たちのリアリティだったとすれば、こちらは若い頃を思い出している感じのリアリティと言えるのだろうか。
 昔の関係であるが、そこにも最近のジェンダー観を織り混ぜる。そこが今だからこそのリアルさが出ている。

 なぜ、この作品はシネマスコーレでしか上映していないのだろうか。
 レンタルやサブスク、どんな媒体だったとしてもいいだろう。一度、想像のリアリティーを干渉してほしい。


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