ハンティング Part1

無期迷途の大陸版weiboに掲載されている竜と天空島(現在未実装)のディス秘話の翻訳です。
拙い翻訳と意訳なので話がなんとなく分かればいい人向けです。
主要キャラはリー・ウェイというA級コンビクトです。
SNSだとLevyと呼ばれていますが、多言語版実装時に名前が変更になる可能性があり現時点で名前は不明確です。
翻訳した時になんとなくこの名前がいいなと思ったので検索除けがてらリー・ウェイに名前を統一しています。

ハンティング part2
https://note.com/muki_kiroku/n/naa4fbd700bfc

了承していただける方だけこの先へお進み下さい。

Flying 高いほど楽しい落下時のバタンという音。

Part1

ありふれたニューシティ晩餐会であり、すべてがいつもと同じだった。
乾杯の合間に、悪意を持っている人もいるが、誰かが名声と富のために戦っている。
月を抱く様に星々の注目を欲しがるだけの人もいて、笑顔を浮かべる人もいるが、誰もがその事を気にしていない。
闘技場の観客と権力者たちは高い場所にあるVIPルームに座って次の四半期の劇場街の興行予測と新しい映画プロジェクトの企画について話しながら獣のように「商品」を見下ろしている。
「商品」達は、会場で全力を出し切り、歓声と陰謀の波の中で、チャンスが来るのを心待ちにしていた。
ラマー・ショーはディナーの隅に一人で座っていた。
面白いことに、ロビーの笑い声は彼の役割ではないように見える。
ワインのトレイを運んでいたウェイターでさえ、象徴的な質問をせずに彼のそばを通り過ぎた。
この晩餐会に出席するためにマネージャーから機会を得ようと努力し、1年間築いてきた人脈をほとんど使い果たした。
本来、彼はここで自分が誇る社交力をうまく発揮し、映画業界の大物やプロデューサーたちと会って道を探そうとした。
しかし、彼は自分が間違っていることに気づく。
彼は、6才の時にメイヴェルエンターテインメントのプロデューサーに見出され「Home alone」に出演して1発から3発まで大ヒットし、彼は大金を稼いだ。
しかし、彼が12歳の時、元プロデューサーがセクハラで自殺したことが明らかになり、それ以降彼のスター人生は真っ暗だった。
財政管理がうまくいかず、ショーはこれまで貯めてきたお金を使い果たし、多額の外債まで借りた。

現在、彼は30歳。
ここにいる人たちは彼より年下で、彼よりも多くの人を知っていて、それは彼よりも下限はない。
誰も彼に話しかけようとはしない。
彼が一人でここに来るのは間違いだった。
そんなことを考えながら、ショーはズボンを激しく掴んだ。
何かを思い出すと慌てて力を緩め、その生地の小さな折り目を元に戻そうとシワを伸ばした。

「ああ、あそこは騒がしいな。君一人でここに座って酒を飲むなんて、詩的なことだな」
オーバーサイズの毛皮コートに派手なシャツを着た男が、いつの間にかショーのそばに座り、それがリラックスしているのか軽薄であるのかを説明するのが難しい口調で挨拶した。

「あなたはどこの会社ですか？」

ショーは驚いて、非常に速い速度で相手の目をじっと見た。
20代の彼は、誇張された服装の好みと、その面白いサングラスと軽薄な笑顔と相まって…彼は「ダンディ」に欠けていた。
しかし、そのようなプレイボーイでさえ、ショーが挑発できるものではなかった。
彼はにっこり笑って、用心深く尋ねた。

「あなたは……？」
彼の前にいる人物が名刺を手渡した。
Li Wei、Darkline Media Co.、Ltd.の副社長。
善悪の判断が難しい証券会社ダークラインメディア。
スキャンダルが頻発し、騒ぎが絶えない。
しかし、業界での人気が高いことは否定できなかった。
ショーは圧倒され、立ち上がって
何度も目がついていながら泰山を知らず
(目の前にいるの相手に対して礼を失した場合に用いる）と言って謝罪した。
リー・ウェイはそれを真剣に受け止めず、手を振って言った。
「必要ねぇよ、俺達にとってそんな戯言どうだっていい。
要はだ、俺達の会社は新しい映画スタジオに投資した。それで新鮮な血が必要って訳。興味があるか？」
本当に空からパイが落ちるだろうか？
恐らくないだろう。
空にはえさが落ちるだけだ。
しかし、ショーはもはや選択の余地がなく、彼は藁にも縋る思いでその誘いを受け入れた。
「はい、もちろんです。私も映画を何本か撮ったことがありますが…」

「知ってるよ、『Home alone』だろう？何度か観たことあるよ」
「ここ数年、僕は他の映画にも出演しています。『サンド シー シャーク 5』、『フォートレス オブ ディス』、そして昨年リリースされた『パワー＆パッション 12』を含みます。信じてください、僕は…出来ます！」
「リー・ウェイ？ リー・ウェイじゃないか？ 久しぶり」
白いスーツを着た男が足早に、にリー・ウェイの方へ真っ直ぐに歩いてきて、ショーの自己紹介を遮った。
「ウェイン！どうしてここにいるんだ？」
「ここは私の場所だよ。私がここにいて当然さ。それより君、あの組み立て工場をあまり虐めないでくれないか」
「今はオフシーズンだから、副業を探さなきゃやってられねえんだよ」
「ハハハ、君は相変わらずだね」
挨拶を交わした後、ウェインはショーの存在に気づくと品定めするかのような態度で身体を上下をさせた。

「この方は…？」

ショーは芸能界で何年もぶらぶらしているのに、前にいる人が誰なのか分からないはずがない。
―――このハリー・ウェインは映画界の絶対的な大物で、一言で彼の生死を決めることができる。
ショーのアドレナリンが跳ね上がり、脳が急速に回転し、この大物にどう近づけばいいか悩んだ。
リーウェイが「ラマー・ショー、「Home alone」の主演だ」と答えた。
「あ、そうですか？私はあなたのファンです」
ウェインは機械的な笑みを浮かべてそう言った。
「昨年彼が演じたのはディス…えーと…」
「ディス要塞」 ショーは急いで答えた。
「そうだ、まさにその『ディス要塞』だ。演技が変わって、今は適切な実力派俳優だ。次のディスカーの男優賞は彼だとは言い切れなかったな」
リー・ウェイはショーの肩を叩きながら先輩らしい口調で話した。
しかし、滑稽なことにショーは30歳を過ぎて目の前の二世祖より明らかに年上だ。
「それは素晴らしいことです。ニューシティには若くて才能のある俳優が不足しています。私はリー・ウェイのビジョンを信じており、機会があれば協力することができますよ」
そう言いながらウェインは一向に足を止めず、手を振って立ち去った。

「どうだ、ウェインはプロジェクトを開始したばかりで、「パワーと情熱」よりも悪くないぞ。 もし行けば、絶対に十八番の脇役しか与えられない……やってみるか？」
リー・ウェイはフィールドの真ん中に向かって顎を上げた。
「ふざけるな…」
ショーはぎこちない目つきで会場の真ん中をちらりと見た。
ウェインは「ニューシティで選択できる俳優がそんなに多いのに…どうして私の番になるんだろう？」とメイヴェルエンターテインメントの人気少年と愉快に話していた。
「お前は本当にそう思うか？ 」
リー・ウェイは微笑みをこらえ、真剣な眼差しでシャオの目を見つめた。
「えーと……」
「目を見てみろ、ラマー」
ウェインの隣にいる男の目を見てみると、次のように言っているようだ。
「あいつは何をしているの、なぜあいつは俺のものであるはずの場所に立つことができるんだ？ 」
「いやいや、私がどうして敢えて…」
「"本当にそうは思わないの？有名になりたくない？大金を儲けたくない？ここの人たちがみんな恥ずかしがり屋に近寄ってほしくないの？」

「正直なところ、俺もプロのプロデューサーじゃない。
俺はただお金を使ってDarkline Media の株式を買っただけだ。
俺が気に食わないのは、金持ちと貧乏人のギャングがここ数年撮影したものが見れないことだ。
それに俺がここへ入ろうとすると、あいつらはまた、俺を無視した。表向きは丁寧だがバックでは俺が品位のない二世祖だと言うんだ。息が詰まる」とリー・ウェイは話す。
「俺は自分のビジョンを信じている。山から落ちた人だけが山の頂上に戻る動機を持っていることを知ってる。だから俺はお前を信じることにした。どうだ？二人でやってみないか？」
「僕は…」
ショーは扇動的な言葉に目が眩んだが、最後の理性を維持した。
「考えてさせて…」
「大丈夫だ。よく考えてから答えをくれ」
リー・ウェイは手に持っていた名刺を指差して立ち上がった。
「オリバー！お久しぶりです! 奥さんがあなたと離婚したって？おめでとうございます」
リー・ウェイは有名監督と肩を組んで2階の部屋に向かった。
ショーは名刺を自分の裏地ベストのポケットに詰め込んだ。
それは彼が今持っている唯一のレンタル服ではない衣装だった。

1週間後、リー・ウェイのダウンタウンスタジオに予定されていたゲストが来た。
「すぐに署名したのに、契約書をよく見なかったのか？」
リー・ウェイは腕を組むと顔に笑みを浮かべながら冗談を言った。
「嘘をつかれたとしても、僕にはもう選択肢がない」
ショーの目は充血していた。
銀行の借金督促は彼を最後の理性を失わせた。
彼はもう選択の余地がない。
彼はリー・ウェイに騙されるに値するもの何だろうか？
「そうか、新しい仲間は嘘をつかなかったようだな。本当にこの業界の子役は他より早く亡くなる」
ショーはリー・ウェイの揶揄を無視し、咆哮する姿で叫んだ。
「僕は僕のものを取り戻したいだけだ！
僕は…ラマー・ショーが***されるようなクソ野郎ではないことを、俗物どもに知ってもらいたいんだ！」
「お前に何があった？ 一週間前は臆病にも俺に連絡するのを怖がっていたのに、どうしてこんなに変わった？」
「…僕は…僕は…」
「わかったよ、言うまでもなく、俺も興味がない。だがな、俺は今のお前の態度に感謝している。数日後に主役を見つける。心配する必要はない。お前は人気があるよ」

ショーはリー・ウェイを知らなかった訳ではなく、彼の身分を知っていた。
大金持ちでぶらぶらしている怠惰な大家の坊ちゃんだ。
彼は最初からリー・ウェイの「主人公を探してやる」という約束を全く信じなかったが、窮地に追い込まれた時のやむを得ない選択に過ぎなかった。
しかし、有名な監督のオリバーからグループに参加するように通知され、実際に男性主人公の台本を手に入れたとき、彼はこの男が実際に演技していることに気が付いていた。
「CUT!」オリバー監督は7度目に怒って叫んだ。

「あなたの**の目つきは**で何を震わせるのか！？
カメラ奥さんか？そうするとチラッと見るのか？
**は演じられるのか？演技ができなければ出て行け！」
ショーは普段、おとなしい姿を見せたオリバー監督がこんなに怒るのを初めて見た。
長い間、舞台から退いていた事を知っていた彼は演技が後退し、心がバランスを崩した事を知っていた。
しかし、これらの理由のどれも彼が失敗した理由ではなかった。
「オリバー、ちょっと待ってくれ。こいつはうちの俳優だ。彼と話をさせてくれ」
リー・ウェイは副プロデューサーの肩書きを持っており、一般的に言えば、彼はその場にいる必要はまったくない。
しかし、ショーが撮影している間、彼はいつもそこにいて、ベビーシッターのように忙しかったようだ。
撮影現場の人たちはみんなこのヒッピーな副プロデューサーをとても気に入っていた。
彼はいつも現場にいたスタッフを食事に誘っている。
リー・ウェイが話した後、監督は再び怒ることが出来なかった。
「それなら急いでくれ。それでも行動できない場合は、それがあなたの男であっても、私は彼に出て行くように頼む。15分間休憩してくれ」

「社長、僕にはできません」
「何度も言っただろう、社長と呼ぶなって。パートナーだ、わかったか？」
「僕は…こんなに重要な役割を久しぶりに演じました」
「諦めるのか？」
「いや…でも本当に…」
「本当にやりたくないなら出ていけ、損害賠償金……あぁ、損害賠償金払えないじゃん」
「誰もお前がいたずらをしていることを知らなかった時代に戻り、最後の食事を食べた後、次の食事を食べなかった時代に戻って、まるで視力を失ったかのようにそれらを見る奴らの傲慢な表情を楽しんでくれ」
「社長…いや、リー・ウェイ！」
「もう一度チャンスをください、失望させません！」
その言葉を聞いたリーウェイは「おぉ？」と目を細めた。

「Cut！ 今回はいいな、仕上げだ」
オリバーはスタッフたちに向かって手を振ってリー・ウェイの前に近づいた。
「以前は知らなかったんだが、今でも俳優を訓練しているのか？」
「ええ、私から監督になる方法を学ぶことに興味がありますか？
…忘れてください、私はチケットを弾く二世祖過ぎません。 あいつは私に捕まっただけです。
それに、撮影は映画を観るほど面白くないですよね？」
オリバーは瞬きをしながらリー・ウェイを見た。
彼は話をやめなかった。
「**** ただの戯言です。気にしないでください」
「はははははははは……」

一方、一日中忙しかったショーは、仕事を終えてようやくほっと一息ついた。
この時の楽屋はかなり混んでいて、なんと晩餐会でスターたちに慕われていた人気の二番手男子が初めて公の楽屋にやってきたのだ。
「マシュー、こんなに人が多いのに、どうして自分の化粧車に行かず、僕たちの所に何しに来たんだ？」
「見に来てください」
「見に行く？セット場が足りないのか？映画が公開されれば、吐くまでずっと見ることができる」とショーは話した。
「私はあなたに数週間会っていません、ずっと考えていたのですが、どうやって撮影前に一時的にグループに入り、私を男性主役に押し上げたんですか？ 7回も撮影された演技力で？運が良かったせいか、バックにいる人があなたよりも強いみたいですね」
「あなたは…」 マシューはこの言葉に窒息し、長い間話すことができなかった。
最後の一息で、彼は強力なアシスタントチームと一緒に去って行った。
ショーは長い間失っていた満足感を感じていた。

夕方、リー・ウェイはショーから感謝の電話を受け、苦労して役を勝ち取ったことを知った。
ショーはリー・ウェイに必ず一生懸命演技して報いるという意思を伝えた。
リー・ウェイはソファに腰を下ろし、おざなりな言葉をいくつか言ったが、電話を切る前に相手を元気づけることを忘れなかった。
すぐに電話がまた鳴り始めた。
「ねえ、リー・ウェイ兄弟、あなたが僕に頼んだことを終えたよ。あの子は僕を踏んで顔をしかめた」
「僕はあなたを不当に扱いました、マシュー、そして僕はこの男性の一番の役割をさせなければならない。 役割を終えたよね？ 休憩するのに良い時間だ」
「今までたくさん助けてもらったが、男1番の役は譲ってくれ」
「だけど……」
"電話の相手は何かを試しているようで、
「本当に彼を煽てるつもりなのか？彼の何がそんなに特別なんだ？失礼ながら、あの子は物事を成し遂げる気がないように見える。」
「おしゃべりだな。そんなにたくさん聞いてどうするんだ？はいはいはい……」
再び電話を切ると、リー・ウェイはテーブルの上の魚の餌を手に取り、水槽にまき散らした。
サンゴ礁の下に隠れていた小魚が引き寄せられ、ゆっくりと水面に泳ぎ出す。
しかし、魚が口を開けようとした時、リー・ウェイはそれを掴み、それで遊び始めた。
魚が脱水症状に苦しんでいるのをしばらく見た後、彼は魚を水に戻した。

自然界のハンターが獲物を捕まえれば、獲物は力強く逃げる。
しかし、ニューシティで獲物を捕まえれば、獲物が自ら網に飛び込む。
目の前のこの獲物は自分で持っていくんじゃないだろうか？
今夜はぐっすり眠れそうだ、とリー・ウェイは嬉しそうに思った。

※二世祖
その名の通り。
裕福で力強い前世代の裕福な息子たちを指す。
食べること、飲むこと、楽しむことだけに関心がある次世代のお金持ちの子供たち。