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火星に住むつもりかい?

ある事件をきっかけに中世の魔女狩りよろしく、ジョージオーウェルが描くよな監視社会のディストピア。密告によって平和警察に裁かれては公開処刑されてしまう人びと。そんなところに現れた正義のヒーロー孤軍奮闘物語。
本作の巻末にぼくのりりっくぼうよみさんがあとがきを寄稿してるんだけど、あとがきとしては最近読んだ中でも抜群に良かった。教育を受けて育つ過程には道徳があって、そこではいいこと、わるいこと、っていう社会規範や秩序を教わるし、法治国家である以上、一応ルールも決まっている。こうやって一見、善悪は共有認識として全ての人に根付いていそうなものだけど、場所や宗教、世代といったアイデンティティを飛び越えると、容易にその定義が変わってしまうように、それぞれに大義や正義があって、そのアンマッチな部分が火種となっていろんな問題が起こっているのは、歴史を振り返ってみると火を見るよりも明らかだ。ってことで、分かり合えないってことを分かり合って、諦念から始まる健全なお付き合いに伴った良好な他者との関係、と言うのが持論であり理想です。

#伊坂幸太郎 #火星に住むつもりかい #読了

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