向日あさ

23歳。夢と現実のはざまみたいなみじかい詩を書きます。

向日あさ

23歳。夢と現実のはざまみたいなみじかい詩を書きます。

最近の記事

詩「梅の花の色」¦シロクマ文芸部

梅の花の色 向日あさ 朝おきると、暦がめくられていた。 暦におどるあざやかな色。 お母さん、これはなんの色? それは、梅の花の色よ。 梅…?梅はちがう。 梅はもっとしわがれたすっぱい色。 そのくらい、わたし知ってる。 朝ごはんはちゃんと起きて食べているもの。 春になると梅は花を咲かせるのよ。 春がきたの? 冷えた窓ガラスにおでこをつけて外を見る。 世界は白に閉ざされたまま。 色はまだ眠っている。 わたし、ちゃんと知ってる。 色たちが眠りから目覚めるのは皐月よ。

    • 詩「わたしたち」

      わたしたち 向日あさ おひさまをみにいかない? わたしたち、いつもは夜ばかりだから。 たしかに。 おひさまの下でも一緒にいられたらすてきね。 わたし、みずうみに光るおひさまが見たいわ。 ああ、そうね、わすれてた。 わたし、みずうみはきれいと思うものね。 もし、わたしの気がゆるすなら、手をつないでいこう。 車なんかいらないからさ。 うん、わたしたち手をつないで空をとんでいこう。 帰りにはベーグルサンドとか食べようか。 いいとおもう。 きっとわたし元気がでるわ。

      • 詩 「雪のこみち」

        雪のこみち 向日あさ 雪の中にひとり。 体育座りのなかに顔をうずめてうごかない。 線路のわきの小さなみち。 人びとが踏み固めてできたみち。 !!! さわらないで。 彼女は待っている。 たのしませようなんてしてはいけない。 わたしたちはただ祈るだけ。 春がきたらいいよねって。

      詩「梅の花の色」¦シロクマ文芸部