「8本の脚には、それぞれに独立した知性がある」
という蛸の心身にまつわる研究から着想された、8人で担ぐグニャグニャしたお神輿。これを担ぐ8人の個は、息を合わせる、バラバラでいる、など状況に応じて動く/動かされることになり、そこに生じるその時々の関係性の様相は蛸の踊りとして顕れる。蛸の心身をモチーフに、人間の集まりを再考するプロジェクト。
「蛸みこしの物語」
訪れる蛸みこしは、「蛸」「竹」「人の集まり」にまつわるその土地固有の文化を浮かびあげ、環境に合わせて生きる人間の知恵や想像力、つまり「風土の物語」に光をあてる祝祭の装置となる。
軽くて柔らかい ━ 意味が固定されない「モニュメント」として担がれるそれは、集団の経験と、その感覚を持ち帰る各々の解釈によって、忘れられゆく物語を再び今を生きる人たちの元へと手繰り寄せ、血を通わせる役割も担えるかもしれない。
各地での活動
ghosts in the octopus (大分,佐賀関2022)
UFOを呼ぶ蛸みこし(福岡,天神2022)
私たちの蛸の上演(兵庫,豊岡 2022)
帝国主義の巻き込み蛸(韓国,鎮海2022)
自律協働のためのエクササイズ(別府、品川2022)
怪獣・蛸みこし(静岡,グランシップ2023)
リサーチ中
蛸みこしの制作と蛸の神経
この論文で示された蛸の神経系の研究は、〈蛸みこし〉の8本の脚をいかに有機的(中央集権的でない)構造にするか、という試行錯誤の制作の中で編み出した構造と、「両隣3つ目と繋がり合う」というアイデアのもと酷似している。この構造の蛸みこしを最初に発表したのが2021年10月であり、「8本の脚には、それぞれに独立した知性がある」という蛸の心身と、人間の個人と社会の関係とを照らし合わせながら、その問いの身体化に取り組んできた〈蛸みこし〉によって、驚きのニュースである。
モーションキャプチャー技術を用いた〈蛸みこし〉の実践におけるsubjectivityの探究
蛸と海女の遭遇史