
野口竜平 |noguchi tappei 《自己紹介》
1992年東京生まれ。藝術探検家。武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻卒業。在学中は早稲田大学探検部でも活動。距離・時間・思想などの“隔たり”を、遭遇と詩的想像の場として捉え、そこへ働きかける行為を〈藝術探検〉とし、自らの活動の基盤とする。
「運ぶこと」をめぐる思索のもと、身体性の延長や主体のゆらぎを促す道具をつくり、それを用いた〈藝術探検〉を展開している。主な活動として、タイヤを引きながら “南の島々” を一周する〈タイヤひっぱり〉、“私たち” を蛸の心身になぞらえて集まる〈蛸みこし〉、目の前の路上から “ここではないどこか” へ漂流する〈ニューヨーク方面へヒッチハイク〉などがある。
また、これらの方法や気づきを共有する場として、ワークショップやラーニングプログラムの制作も行う。近年の主なものとして、「うごかしてみる!」(BUG、東京、2023)、「自律協働社会のためのエクササイズ」(コクヨ・ヨコク研究所とのコミッションワーク、東京、大分、2022)、「豊岡演劇祭2022」(兵庫県)、「Meet the Artists」(森美術館、東京、2021)「TURN」(気まぐれ八百屋だんだん、東京都美術館、東京、2020-2021)などがある。
ながしみ活動集
〈 タイヤひっぱり 〉2019~

・”南の島々”をタイヤひっぱりで一周してまわる
・天秤棒で日々摩耗するタイヤの質量をはかる
〈 蛸みこし 〉2019~

・〈蛸みこし〉を担ぐ
・脚としての私になる
・蛸としての私たちになる
〈 ニューヨーク方面へヒッチハイク 〉2015~

・ダンボールにニューヨーク方面と書く
・道端に立ちそれを掲げる
・車が止まれば乗り込む
・降ろされた場所で再び掲げる
・それを繰り返す
〈ちえのわ世界の、とのさま輪っか〉2020
コロナ禍でなお強まった分節化された世界をかき混ぜる試み
〈 ひとりでは運べないリヤカー 〉2016

・1人では動かせない大きくて重いリヤカーをつくる
・それを東京から香川まで歩いて運ぶ
・お金を持ち込んだ状態でこのリヤカーに触れてはいけない
漂泊芸能的な価値判断 ─ 交換経済のゆらぎ
〈 謎のタイヤひっぱり男 〉2015

・18時-19時のあいだ、毎日同じ道でタイヤをひっぱりあるく人となる
・なるべく身分を明かさない
・1ヶ月間毎日つづける
〈 感謝タイヤまつり 〉2015~

・ロープ付きタイヤを10個ほどつくる
・ロープ付きタイヤを貸し出すブースをつくる
・通行人に「15分間ご自由にタイヤをおひっぱりいただけます」と声をかける
・通行人はタイヤをひっぱり周囲をあるく
《 よそものアート 》2016

横浜のドヤ街、寿町(その日暮らしの日雇い労働者や生活保護受給者が多く集まる)につくった10組の作家による10日間の合宿。去り際、渾然とした祭りをやった。取り残された経済成長システムの末端、もしくは社会福祉システムの前線におこる散漫なハレの場。野性味あふれる子供達や酔っ払いのおっさんと踊る。一体なにが誰にとっての「よそもの」だったのか。
熊谷薫(コーディネート)
《 どこでもテーブル研究所 》2018

・吉永ジェンダーの作品〈どこでもテーブル〉を持って街に出る
・公園、電車内、歩行者天国など好きな場所で立食パーティーを行う
・研究所に戻り、そこで起こったことを話し合う
〈どこでもテーブル〉は吉永ジェンダーより借用
〈 間のテンパーチャー 〉2018

行為する個の配置によってつくるランドスケープデザイン。流れ移ろう-場の様相を観察しながら。
〈 ピアノを落とす 〉2014

〈 壁をこわす 〉2015

テラトテラまつり2015
〈 トキメキパンク 〉2014

武蔵野美術大学
〈 はこ運び 〉2018

Art Center Ongoing
〈 パンケキ侍 〉2012~

個展〈芸術探検ポイント1 箱!ホワイト〉
2018 / Art Center Ongoing

この時期体調悪く旅ができず。
広い世界に憧れる気持ちでつくったアイテムを道具箱の中に詰めて会場に持っていき、その内容物だけで展示を構成した。
個展〈芸術探検ポイント2 拉輪胎〉
2019 / 台北尖蚪

上演〈トキメキ運送〉2019~

〈社訓〉
一. 物を運んでいるのではない、事に運ばれているのだ
一. 漠々たる距離と時間を魅せるファッションリーダーであれ
一. ものはこびに宿るものがたりを照らすべし
一. 隔たりをそのまま愛す、バラバラなまま梱包する
一. 安いも早いも志さず
一. 未知と余白は動悸メキの糧である
一. 行き詰まったら屈伸運動
クライアントに、特別な贈り物にするための運び方を提案し、運送(上演)する。基本的には徒歩で運ぶ。
上演〈 movingscape 〉2019~

テラトテラまつり2019(三鷹、東京)にて
・視点もちより地図をつくる
・地図を並べて宙返りする
・動きをみる-動きながらみる
・動きをみられる-動きながらみられる
・共異体/共移体をつくる
・解散
上演〈都市あそび〉2019~

ふるまいのアナーキズム
・都市の広場をリサーチする
・その場に規定された”振る舞いのコード”と”それによって排除されているもの”を観察する
・そこにあそびをつくるための図系譜(戯曲)を制作する
・図系譜をもとに複数人でパフォーマンスを行う
・通行人や警察官をも巻き込んだ生の現象(ハプニング)を含め「上演」とする