はなとねこ


花をみつけた

一輪 克己たる心を身に流し

真っ直ぐに咲いている


惹かれ近づき気まぐれに香りを嗅いだ

花はくすぐったそうにして
可愛らしく喜び 嬉しそうに咲く

愛おしく 不意にも触れてしまった私の鼻が
あの香りを忘れられない

ただ真っ直ぐに咲いている



よこしまな心が私に絡みつく

イタズラに尻尾で絡む

何をしても許されると思っていた

摘み取ってしまった花は
どんどん枯れてゆく

その姿も愛おしいと見つめてしまった


側にいられるならと。



風があなたを運んでゆく


私はまた、気まぐれに歩く
あなたを通った私の心が
克己たる流れを羨ましがりながら


いつまでも思い出しながら





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