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『寒造』

『寒造』
R6.1.19
千年を神の清流寒造
          ほろよい
神御座す深井戸七基寒造
          一港
寒造天神様のみづきよら
          一走人
蒸米のひかり均せり寒造
          巴里乃嬬
寒造鈴振るやうに麹振る
          グッドライト
寒造風痛き夜を山卸し
          にゃん
櫂入れのかひなより湯気寒造
          深山むらさき
櫂棒の芯は揺るがず寒造
          笑笑うさぎ
地響きのごと唄ふ蔵人寒造
          はただゆう
能登衆の手の丘厚し寒造
          真井とうか
寒造くぐもる室に星の息
          かいみきまる
星々が水にくだけて寒造
          中岡秀次
寒造神の吐息のあまきこと
          葦屋蛙城
ちからある泡の音して寒造
          古瀬まさあき
あぶくとは神のつぶやき寒造
          押見げばげば
祝詞めく醪の泡よ寒造
          電線男
R6.1.26
産土の風の名与へ寒造
          多々良海月
町の名に鬼の一文字寒造
          誉茂子
六甲おろし含みて清し寒造
          素々なゆな
白妙の雨飾山寒造
          高尾里甫
寒造り若狭のみづの噴くところ
          清水縞午
寒造米に瑞々しき窪み
             岸来夢
酒米の真芯のひかり寒造り
          三月兎
寒造久谷の猪口の鍾馗様
          HNKAGA
寒造久谷の干支に注ぎたり
          風花まゆみ
胃の壁の斜度を雪崩るゝ寒造
          元野おぺら
板粕の拉げ寒造りの息吹
          西鯖男
寒造一升供へる山の堂
          大月犬ラルフ
寒造風土記に力強き文字
          浦野紗知
列島の背すじは淋し寒造
          沼野大統領
『天』
能登の鬼とく鎮まれよ寒造
          モデラート


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