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視力矯正「オルソケラトロジー」のメリットとデメリット

目が悪い皆さん、目の矯正はどうしていますか?
メガネ?ハードコンタクト?ソフトコンタクト?それともレーシック?

私はオルソケラトロジーで視力矯正をしています。

オルソケラトロジーは、夜寝る間に、特殊なコンタクトをしておくことで、翌日の視力回復する装置です。日中は裸眼で生活できるというメリットがあります。

私はこの矯正で、視力0.01から1.0程度にまで回復させています。

オルソケラトロジーは日本では症例数が少なく、レビューも少ないです。そこで約1年間、オルソケラトロジーをしてきた私が、オルソケラトロジーの仕組みと、メリット・デメリットを紹介したいと思います。

オルソケラトロジーの仕組み

まず私たちはどうやって「もの」を見ているのでしょうか?

外から目に入ってきた光は、角膜と水晶体で屈折し、目の奥にある網膜で焦点を結びます。その情報が脳に伝わり、私達はものを見ることができます。

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近視とは、目の奥行き(眼軸)が長くなったり、水晶体や角膜の屈折率が変わることで、網膜の手前で焦点を結んでしまった状態です。

オルソケラトロジーは夜にハードコンタクトをつけ、角膜のカーブ矯正し、網膜に焦点を当るようにさせる矯正方法です。寝て目を閉じることで、コンタクトと角膜の密着度合を高め、コンタクトの形に角膜を変形させます。

ここでコンタクトユーザの方は疑問が湧いてくるかと思います。
「コンタクトをつけたまま寝ると目にわるいんじゃないの?」と。

一般にコンタクトは、夜つけたまま寝ることは禁止されています。これは瞬きをしない夜間は、コンタクトをつけたままだと目に酸素が届かないからです。

しかし近年、酸素透過性が非常に高いコンタクト素材が開発されており、夜の間つけることができるようになりました。

オルソケラトロジーは専用のコンタクトを使用しているので、間違っても通常のハードコンタクトで夜間矯正しようと思わないでくださいね。

オルソケラトロジーのメリット

①日中裸眼で過ごせる

まず1番のメリットは日中裸眼で過ごせることでしょう。

私はもともとソフトコンタクトユーザーですが、ドライアイがひどく、夕方ごろになると目がゴロゴロしてしんどいという症状に悩まされていました。酸素透過性が高いものや、ワンデイのソフトコンタクトに変更しても改善されませんでした。

目薬をさしても5分程度しかゴロゴロ感は解消されません。そもそもソフトコンタクトつけたままだと使用できる目薬が限られており、ドライアイに効果が高い目薬を使用できませんでした。

ドライアイで困っているソフトコンタクトユーザーの第一選択肢は、ハードコンタクトに変えることでしょう。しかしハードコンタクトは、ソフトコンタクトに比べて装着時の違和感が大きく、使用できる人が制限されます。

私もこれまでの人生で2度、ハードコンタクトに挑戦しましたが何か月経っても違和感に慣れることができませんでした。

次の選択肢としては、眼鏡が挙げられるでしょう。眼鏡は目の健康にとっては良いですが、見た目上の問題や、(私の場合は)眼鏡の重みで顔がしんどくなることがあったため、常に眼鏡というのも辛いものがありました。

一方でオルソケラトロジーは、日中裸眼で過ごせるため、ドライアイ用の目薬も気兼ねなく使用することができます。またそもそもドライアイは、コンタクトの表面から水分が蒸発することにより症状が助長されるため、コンタクトつけていないこと自体がドライアイ解消につながりました。メガネもないので見た目もスッキリし、顔も軽く快適です。

②可逆性がある

ソフトコンタクトもハードコンタクトも眼鏡も合わない私は、レーシックの施術を考えました。

レーシックは、レーザーで角膜の表面を削り屈折率を変えることで、視力を矯正する手術のことです。

半永久的に視力が回復できるため、コンタクトや眼鏡の生活から解放することができます。しかしこれは言い方を変えれば、不可逆性であるということです。

レーシックは手術であるため、可能性は低いですが、失敗するという場合があります。また副反応として、グレア・ハロー現象※が起こることがあります。

※手術後に暗いところ(夜間など)で光をみたときに、非常にまぶしく感じてみえにくくなったり、光の周囲に光の輪がみえたりすること現象のこと。

グレア・ハロー現象は慣れることができれば問題ないですが、慣れれない場合、後悔しても元に戻すことができません。

一方でオルソケラトロジーは、夜にコンタクトをつけることをやめれば、角膜は元に戻ります。可逆性があるため、後悔したら止められるということが、レーシックに勝るメリットです。

③ハードコンタクトに比べて違和感が少ない

前述したように、私は通常のハードコンタクトは、違和感が強すぎて使うことができませんでした。

オルソケラトロジーも夜間にハードコンタクトを付けるのですが、体感として通常のハードコンタクトよりかなり違和感少ないです。

理由としては、コンタクトの直径にあると思います。

通常のハードコンタクトは黒目よりも小さく設計されていて、瞬きする度にコンタクトが黒目上を動きます。これはコンタクトを動かすことで、涙液の交換を促進し、目に酸素が届くようにするためです。

一方でオルソケラトロジーは、角膜全体のカーブを矯正する必要があるため、黒目とほぼ同じ大きさに設計されています。

そのため瞬きをしても、通常のハードコンタクトのようにずれることがなく、違和感が少ないです。私のようなハードコンタクト不適合者でも使用できる可能性が高いです。

④子供に対して近視進行抑制効果がある

成長中の小学生や中学生は、目の形も変わりやすいため、急激に視力が低下する場合があります。

オルソケラトロジーは子供に対して使用することで、成長期の近視進行を抑制できることが確認されています。

残念ながら大人に対しての効果は確認されていないようですが、コンタクトの管理ができるなら、お子さんに対しては使用メリットが高いと考えられます。

⑤価格が高すぎない

オルソケラトロジーのレンズは、3年間使用することができ、価格は16万円程度でした。

私は近視のほかに乱視も入っているため、ソフトコンタクトの価格は少し高めで、一箱(片目1ヶ月)5000円、つまり両眼3年間で36万円でした。

オルソケラトロジーは一見高価に見えますが、他の視力矯正アイテムと比較しても高すぎるわけでは無いことがわかります。


オルソケラトロジーのデメリット

①睡眠時間で矯正度合いが変化する

オルソケラトロジーは夜間に毎日矯正し続ける必要があるため、睡眠時間が短いと矯正力が低下します。

私の場合、4時間睡眠の次の日は、視力が少し悪く0.6程度にまでしか矯正できません。

元の視力0.01が0.6まで矯正できれば十分とも言えますが、日々視力が変化するのも気持ちがいいものではありません。

睡眠時間が短い人や、生活が不規則な人には、合わないかもしれません。

②目が悪すぎると適応できない

近視の程度は屈折度合によって三段階に分けられます。

① 弱度近視 …………… -0.5D以上-3.0D未満の近視
② 中等度近視 ………… -3.0D以上-6.0D未満の近視
③ 強度近視 …………… -6.0D以上の近視

オルソケラトロジーは弱度近視の人に適用できると言われています。中度近視以上の人は、オルソケラトロジーでは完全に強制することが難しく、適用できない可能性が高いです。私の場合、ギリギリ矯正できたという感じでした。

また、近視以外の症状、つまり遠視や乱視は現状矯正することはできません。私も乱視持ちですが、乱視の矯正は諦めている状態です。

③グレア・ハロー現象が起こる場合がある

レーシックの副反応として先ほど紹介したグレア・ハロー現象※ですが、オルソケラトロジーをした私にも症状がでました。

※暗いところ(夜間など)で光をみたときに、非常にまぶしく感じてみえにくくなったり、光の周囲に光の輪がみえたりすること現象のこと。

私の場合、グレア・ハローの不便さよりも、裸眼で生活できる快適さの方が上回っているためそこまで大きな問題にはなっていませんが、耐えられない場合はオルソケラトロジー不適用となります。

④日本での症例数が少ない

冒頭に記載したように、オルソケラトロジーの日本での症例数はまだ多くありません。可逆性があるので大きな副反応に苦しむことは少ないかと思いますが、症例数が気になる方もいるでしょう。

なお海外、特にアメリカや中国ではかなり一般的な視力矯正方法として広まっており、症例数も多いということです。

⑤めんどうくさい

やはりコンタクトである以上、管理はめんどうくさいです。

私も夜疲れていたり眠かったりしたときは、オルソケラトロジーをせずに寝てしまい、次の日の視力が不安定になるということがよくあります。

通常のコンタクトであれば、コンタクトをつけないと見えないので、つけ忘れると言う事はないと思います。しかしオルソケラトロジーは装着時(寝る前)は見えているので、意識していないとつけ忘れてしまいがちです。

毎日規則正しく生活している人であれば問題ないかと思いますが、ずぼらな方はオルソケラトロジーよりレーシックの方がいいかもしれません。

なおコンタクトを外した後の管理については、普通のハードコンタクトと同様、洗浄液で洗浄して保管するだけなので、それほど手間ではありません。


まとめ

まとめるとオルソケラトロジーは、目が悪すぎる人、ずぼらな人には適用できませんが、多くの人にとって裸眼で生活出来るようになる便利な視力矯正アイテムです。

グレア・ハロー現象が出る可能性はありますが、可逆性があり合わなければ止めることができるので、まずは一度試してみてはどうでしょうか。

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