コロナ渦の演劇で気づいた6つのこと
劇団ソクセキ は、社会人と学生で構成された、演劇を趣味で楽しむ者たちの集団です。コロナ渦第2波真っ只中の 2020.8.11〜12 に公演を行いました。あたりまえのウィルス対策準備のほか、実際に公演したから気づけたことを記録しておきます。
私むぎひこは、役者かつ、アシスタントプロデューサー的な立ち位置で関わってました。
1.出演者のマウスシールド着用はアリ
本番、役者はマウスシールドを着用しました。異様な光景になるかと思いきや、意外と気になりませんでした。役者にとってもそうですし、お客様も「気になった」という意見はありませんでした。
きっと 2、3分もすれば、目が慣れるのでしょう。人の目は都合の良いものを消して見ることができるみたいです。
私のような心配性の役者には、これがあるととても安心して大きなセリフを言えます。(みどりのやつがわし)
また、役者は自分のマウスシールドに名前を書いておくようにしましょう。わからなくなる場面がありました。
なお、前面覆うタイプのフェイスシールドも検討しましたが、髪を巻き込んでしまったり、動く際に支障があり、却下となりました。
せっかく買ったのに…しょぼーん。
2.メンバーの価値観の変化への理解と、公演の目的を共有
これ。一番痛感しました。不安に思う人と、そうでもない人がいる。
「こんな時期にやるべきじゃない」
「やると決めたからにはやるしかない」
走り出した時とは状況が違う。価値観も変わって当然ですね。どんな声もしっかり聞いて、「こうすればできる」というポイントを探りました。
そして、この時期に公演をうつ目的や理由を伝えました。
「この状況下でも楽しみにしてくれるお客様がいるということ」
「しっかり対策すれば生の演劇もできるということ」
このご時世、大事なのはコミュニケーション。これ痛感しました。
「は、話せば分かり合える…!」と、全てがそう言えるわけじゃないけれど、行動には理由があるよねっていう。
3.終演後のご挨拶は2メートルの距離を
演劇を観に行く楽しみの一つとして、出演者と話す機会がありますよね。役者側としても、それは楽しみであります。今回は出入り口でのお見送り、というスタイルではなく、客席/舞台でのご挨拶をしました。その際の間隔 2メートル。
新宿の劇場での一件を参考に、ここは十分とりました。
「この会場ではこういう生活様式でお願いします」
ただやはり話は盛り上がると近づくもの。距離が近いお客様には「もう少し距離を…」と声をかけさせていただきました。国立感染症研究所では「1メートル以内で15分以上の会話」と濃厚接触者の定義がされてます。距離を長めに伝えていたから、それを回避することができました。
ちなみに、客席はこれくらい。1.5メートル間隔に1席。会場のルールでは心配だったので、それよりも大幅に間隔をあけました。
4.観たくても観に行けない人がいること
「生まれたばかりの子供が…」
「同居してる親が高齢が…」
ということを伝えてくれる友人がいた。
「演劇は生で観なければ」
僕はこの言葉にとらわれず、やってみたいことがあります。だって、作品届けたいですから。やってみたら気づけることがあるかもしれない、生じゃなくても。枠にとらわれる必要なないですから。
(追記)後日、本作を生配信いたしました。くわしくはこちら⬇️
https://note.com/mugihiko/n/naa5dfa425f30
5.関係者全員の体温測定、健康状態のチェック
当日の朝、検温と健康状態の問診しました。ここで1人でも 37.5 度以上だったら、直前でも公演を中止するつもりでした。ギリギリまで公演できるかわからないスリルが最後までありました。
「ここまで来たのに引き返せない」
という考えになるのもよくわかります。が、たとえ直前だったとしても客観的に判断して諦められる人でありたいと思ってます。
だから「あれが最後の本番になった」みたいなことが、あり得ました。
6.試練を乗り越えし者が得られること
圧倒的、達成感。
「こんな時期にお客様入れて演劇ができる」という、奇跡のような体験。本番中、舞台裏で浮ついちゃった。
ひとつずつ乗り越えた課題が自信となって積み重なって、胸を張ってお客様を呼ぶことができました。
終演後、めちゃくちゃメロンソーダのんだ。36さいのわし。
その他にやってたこと
・入場前の検温、アルコール消毒、マスク着用のお願い
・お客様のお名前と連絡先の記録
・公演毎に客席や触れやすい箇所の消毒
・舞台と客席の距離 2.5m
・客席は 1.5 m に1席配置
・パンフ等の配布物は座席に設置(通称:置き配方式)
・換気のため公演中の窓の常時開放
最後に
趣味でやるにはやることが多すぎた今回の公演。時間と予算が費やされていく。入場数も伸びない。当然。
でも、それがウィズコロナの演劇、ということなのでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?