演劇を「生配信」した6つの理由。
「演劇は、動画じゃ見てくれない。」
コロナ渦第二波真っ只中の8月に収録した演劇を、11月にライブ配信しました。収録コンテンツの「生配信」です。「動画投稿」ではなく「生配信」。僕がこれにこだわった理由がいくつかあります。
(これ↓の話。実はまだ観れます。私も出演しています)
1. 「いつでも見れる」=「いつでも中断できる」
上演時間は80分。長い。PC/スマホでみてもらうためには「動画投稿」では難しいだろうと。画面から目をそらさせない仕組みとして「生配信」をと考えました。と同時に、ただ「生配信」するだけでは効果は薄いと考えました。
▲ みんなで観劇!ってとこが重要だったりします。
2. 「生」で見てもらう理由作り
「ライブ感」とやらを大事にしました。「今みんなで観劇してるんだ」という感情を味わって欲しかったのです。具体的には、、、
・出演者が視聴者のチャットに反応できること
・チャットで心の声を文字化できること
・出演者でさえチャットで書き込めること(収録コンテンツの利点)
・Twitter で常に情報を発信し続け「今やってるんだよ」「今すぐみれるよ」と届けられること
これら混ざることで「ライブ感」が生み出せると考えました。
▲ そう。上演中のおしゃべりは、オッケー!なのです。
3. オープニングトーク、スペシャルトークの意図
本来の演劇だと公演が終わった後、出演者とお客様の間でコミュニケーションの時間がありますよね。観に行く側も、観てもらう側も、この時間はとっても貴重。
生配信でもこの終わった後の時間を作りたくて、スペシャルトークという形をとりました。出演者たちの素の喋り方や、裏話などが知っていただけたはずです。
オープニングトークは、開演までのソワソワ感を味わって欲しかったという意図があったりします。
▲ じつは〇〇だったんだぜ!みたいな会話。わきあいあい。
4. 緊張感ある配信現場
現場ではまるで放送局のような緊張感がありました。お客様はその場にいないとはいえ、インターネット越しに大勢。ミスできないという緊張感。「本番10秒前!5、4、3、、、、」
もうひとつの本番を作ることができました。緊張感は解けた時が一番気持ちいい。ですよね?舞台がなくても、舞台役者にその緊張感を味わって欲しかったのです。
▲ 照明は大切。
5. ステイホームに役立った?
この大変な状況でエンタメなんか必要ない?そんなことはないです。楽しいコンテンツが家で楽しむことができれば、ステイホームも捗ります。
すでに溢れてるから自分たちがやる必要はない?そんなこともないです。身近な人がこの状況下でも動いている、という事実は感動に繋がると思ってます。行動そのものがエンタメだと思ってます。
僕自身、緊急事態宣言下の4〜5月はいろんな「生配信」コンテンツを拝見しました。無料のものから有料のものまで。その全てが「私にもこの状況下で何かできないか?」と考えた上でのものだと感じました。考えて動く。そのことが大事だと感じました。
6. 離脱したメンバーのため
変化が多い時期。続けたくても続けられない立場になるのも当然。それを受け入れる柔軟な思考も必要だと勉強しました。走り出した時からふたり、離脱しました。悔しかった。
でも、作品は届けたかった。途中まで作ってきた仲間に、この作品を届けたかった。観てくれてるかはわからないけれど、観たいと思ってくれた時にすぐに見せられるようにしたくて、どうしてもこの作品を残したかったのです。
▲ ほっこりしたくて、猫いれました。
さいごに
生配信が終わった後は、社会貢献できたかなという達成感に浸ることができました。それまでの準備や、調整は大変だけど、それ以上の感情が得られました。
ただの「動画投稿」と「生配信」を真剣に考えるいい機会になりました。これからも「考えて動く」ことを続けていこうと思います。
今後とも劇団ソクセキと、佐藤麦彦をよろしくお願いいたします。
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