そういえば、ちょっと前まで夏だった
燃え殻さんの「これはただの夏」を読了しました。
前著の「ボクたちはみんな大人になれなかった」も大好きで、燃え殻さんの本は見かけるたびに買っています。
「これはただの夏」
全体の5分1くらいを読んで、ベットの横にある椅子の上に積み上げて眠らせていました。1カ月ほど
積読をする人の中には、一切読んでない本を積み上げるタイプと、私のように中途半端に読んでから積み上げるタイプがいるはず。
誰かに分布がどうなっているのか調査してほしい。
前回は、まだ夏の終わりにするには早い気がして、中途半端に読んで閉じていたのでした。
そんなことをしていたら、すっかり秋ですね。
「大人にならなきゃ」
前回の「ボクたちは大人になれなかった」と同様、私の好きな感じの小説でした。
本を読むこと、小説を楽しむことに好き以上はなくていい気がするので、感想はあまり詳しく書きません。
・・・本当は言語化できないだけです。
しみじみ余韻を楽しみつつ、優子の「大人にならなきゃ」発言を思い出します。
この作品は読んだ後にだるくなくて、でも爽やかでもなくて好きです。
私はロマンチックな出来事とか、視界に入った美しい映像を記憶に残しておきたいと思っているタイプです。
そんな私でも、燃え殻さんの作品を読むと少し湿っぽい出来事も記憶しておきたくなります。
自分の意思でどうにか出来ることなのか、わかりませんが。
まったく別作品の映画「マチネの終わりに」で、過去の出来事も未来によって捉え方が変わるって話をするシーンがあります。
「マチネの終わりに」では、いい思い出だったのに違う出来事が重なって寂しく思う場面でした。でも、きっと逆もあって、後から思い出したら湿っぽい思い出もあたかい思い出に変わったりするはず。
「これはただの夏」はそんな話じゃないかなと思いました。
この本はバグみたいな出来事が起きた「ただの夏」の物語でした。
私は今年の夏を今後の人生で思い出すことが一度でもあるのかな。
たぶんないなあ。
コロナだったけれど、マスクをする夏にも慣れてしまって。
ただの夏ですらなかったような気がします。
でも普通に最悪かと聞かれると、そうでもない。
どこかの誰かに飛行機落ちろと思われているのかもしれない。
秋こそは劇的ではなくても、あとで思い返すような思い出が一つ二つ出来たらいいなあ。
今回読書が楽しかったので、読書の秋にするのもありかなと思い始めています。積読も何冊かある。
・・・なぜすぐ読まないのに買ってしまうのでしょうか。不思議。
それでは、また。
お読みいただき、ありがとうございました!