暗い話

自分には特別なスキルが無い。
特別容姿に恵まれていたり、頭が良かったりすることも、ない。
この世界の大半の人はそうだろう。そんなことは分かっている。

自分の好きなことが分からない、やりたいこともない。
確かなことは、現状に満足していないということだけ。
家に帰っても憂鬱な気分が続いていて、満足していないどころかむしろ辛い。

毎日仕事に行っては、少しずつ心をころして帰ってくる。
帰宅した後は食事の準備や後片付けに追われ、自由な時間を十分に取ることもできないまま、あっという間に寝る時間になってしまう。

寝ると、明日になる。

明日になると、また仕事に行かないといけない。

だから、寝るのが嫌になる。

でも寝ないと仕事中に我慢できない程の眠気に襲われるので、仕方なく寝る。

仕事に行っても、これでもかと痛めつけられた心を更に追い込むだけなのに。

自分がこんなにも嫌だと感じた仕事は今までに1つとしてない。
今まで接客や事務、飲食店勤務、プログラミングなど色んな仕事をやってきた。もちろんどの仕事にも大変なことや辛いことはあった。恐らくどの仕事でも一度は泣いたことがあるだろう。

でも、やりがいを感じる瞬間は全ての仕事にあった。
楽しいと感じる瞬間も、あった。

今の仕事では、一度もそういった感情を抱いたことが無い。

心の中には「自分の長所が活かせる仕事に就いて、毎日楽しく暮らしたい」という気持ちだけはある。
そういった「こうありたい」という理想だけがどんどん膨らんでいっているのに、一方の現実はというと、どんどんかけ離れていく。
「こうありたい」という理想が実現できないのであれば、今この瞬間に何の意味があるのだろうとすら考えてしまう。

どんどん悪い方向に考えてしまう自分を引き留めるもう1人の自分。
そんな存在が、いるといえばいる。

「考えすぎだ」
「最後にはなるようになる、今までだってそうだったじゃないか」
「やるだけやってみよう」

そう言っている。

しぼみきった風船のように小さく薄くなってしまった希望を思い切って捨てることもできず、こことは違う場所を求めてずっとさまよっている。

でも、自分の行きたい場所が分からないのに、どこへ向かえばいいのか。
ずっと同じ場所をぐるぐる回り続けている、そんな気持ち。

そのうち目が回って、バタンと倒れる。
立ち上がって辺りを見渡しても、何かが変わっているはずもない。

一人で勝手にぐるぐる回って、勝手に倒れて、
一体自分は何をしているのだろうか・・・。

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