ひるね。
昼寝は昔から苦手だ。
18で家を出て、一人暮らしをしたとき。
休みの日にうつらうつらと昼寝をしたら、
実家のリビングで家族がいる中で寝ている
錯覚になった。近くには愛犬もいた。
違和感を感じながらも幸せな気持ちになった。
ふと目覚めると、日が傾いた1Rのアパートに
ひとりでいる現実を思い出した。
寂しくてひとりでひっそり涙を流した。
そんな事が社会人になっても続いた。
昼寝をすると訪れる、あの物悲しい気持ち。
あれから数年。
今は実家脇の家に住んでいる。
夫もいて、家族も近くにいて寂しくない。
今日、久しぶりに昼寝をした。
そしたら実家を離れて過ごした日々が
夢に出てきた。
友達や先輩と飲み歩いたこと。
幕張のイオンに行ったこと。
ららぽーとにふらりと遊びに行ったこと。
京成線にのって東京で遊んだこと。
休みの度に、仙台市内で買い物をしたこと。
杜の都を散歩したこと。
営業先で夜ひとりで美味しいものを食べたこと。
孤独と感じたあの瞬間には
こんなにも尊い思い出があったのか。
戻りたくても戻れないあの日々は
今となっては愛しい日々だった。
昼寝をすると、結局胸が締め付けられる。
だから私は昼寝が嫌いだ。
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