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仕事が出来ない部下はいない

中間管理職として身を置いていると、マネジメントについての記事を見たりポストを見る機会が増えました。そこで次のようなフレーズを目にすることがあります。

「部下が仕事ができなくてストレスやばい。特に〇〇が~」

ネガティブな捉え方であり、何より管理職のストレス要因になっています。愚痴を吐くということはかなり消耗していると考えてよいでしょう。そこで、捉え方を変えることで管理職のストレスを軽減できないか考えてみます。

※管理職が「どうにかしようと試みたが、どうにもならなかった」の次のアクションとして書いています。そうしないと管理側にとって都合の良い記事になるので。メンバーが努力している状態なら、解決策を一緒に考えましょう。やる気のある人間は貴重ですから

「仕事ができない」って何?

単純にノルマが未達成なのかもしれませんし、何かしらで本人の反感を買ったのかもしれませんが、なんにせよ不明瞭で要領を得ません。そこでもう少し解像度を上げてみると…

レスポンスが悪い、仕事の質に問題がある、反省できない、話を聞かない、仕事が遅い、性格に難がある、ルールが守れないetc.…。

原因は一つではなく様々で複雑に絡み合うものです。しかし、だからといって「仕事が出来ない」で括って終わりでは勿体ない気がします。その人材をしっかり捉えきれていない可能性があるからです。

捉えるって何?

意識の高い話ではなく、特に管理側にもメンバーにも何も強いることはありません。「指導によって他人を変える」のは今のご時世、難易度が高いです。知識がない人が無理やり指導するとパワハラにもなり得ます。今回紹介する手法は、ありていに言えば、「難しく考えずメンバーのありのままを評価しては?」という話です。

例えば、レスポンスが遅くミスを反省しないメンバーがいます。そして管理側はその事柄について何度も注意したり話し合うものの、全く意味を為していない状況とします。

その場合、今の仕事内容が合ってない可能性を考えます。対話の結果、その仮説通りであれば、急ぎの対応が発生しない&既に答えがあるリスクの少ない仕事をそのメンバーに任せてみましょう。

別例で、嘘つきで手を抜きがちなメンバーがいるとします。その人には嘘をつかれてもよく、手を抜かれてもよい仕事を任せるようにします。勿論、手を抜かれているので周囲のフォローが必要になります。

別例で、仕事が完了していないにも関わらず定時帰りするメンバーがいるとします。対話して、何に重きを置いているのか聞いてみます。定時帰りに重きを置いているなら、定時で終わる仕事量に調整しましょう。

メンバーの特徴に合わせて出来る限り適切な仕事を割り振るイメージです。管理側はその仕事に沿った評価に改めます。お互いにいがみ合う必要はありません。ただし、管理側の裁量でどうにもできない場合は対応不要です。ここまでが第一ステップです。

第二ステップは、関係者がそのメンバーを許容できるか否かです。上記対応を行った場合、他のメンバーや管理側の負担が増加する可能性があり、該当メンバーの仕事量の減少もあり得るため、仕事の割り振りが歪な形になってしまいます。ここが重要なポイントです。何故なら「仕事が出来るかどうかの最低ラインは関係者が許容できるか否か」で決まるからです。

仕事が出来ても性格的に問題があり周囲との問題を起こしがちなら仕事が出来ている状態とは言い難く、周りと上手く関係性を築けても結果が出せないなら仕事が出来ている状態とは言い難いです。逆に少し問題があっても突出した成果が出せるなら許容範囲と判断する組織もあると思いますし、個を重視する組織なのか協調性を重視する組織なのかによっても変わります。

これが評価制度や勤務形態の変更、話し合いによって解決できるならOKです。多様性をどこまで許容できるかは現場次第なので。許容できない場合、そのメンバーは現状のプロジェクトに合っていない人材として再解釈する必要があります。

そのメンバーが悪いのではなく「所属するプロジェクト/チームとの相性が絶望的に悪い」という捉え方です。「仕事が合わない」の他「仕事量が合わない」など何かしらで決定的に相性が悪い。仕事量が少なくても正確性が高いなら、それが許容/評価されるプロジェクト/チームに転属するのが望ましいです。合わない場所で働くほど不幸なことはありません。努力しても評価されないためです。

合わない人材なので、仕事が出来ないのは至極当然です。それでいて、管理側だけではどうすることもできません。他部署の協力/異動/転職によって解決する他ないのでその様に動く必要があります。これが第三ステップです。

第三ステップが上手くいかない場合は諦めてください。ネガティブな結果ではなく、組織が「そのメンバーがプロジェクトに合わないことを把握した上で動かない。良い感じにしといて」と判断した証拠です。

つまり組織の誰もが解決できない問題ですから管理側が消耗する必要は全く無く、いくら悩んだところで何も事態は好転しないことが少なくとも分かりました。管理側はそれを踏まえて開き直るぐらいが丁度よいでしょう。

言いたいことは

「どうにもできない問題に対して正直に向き合い過ぎて、ストレスを貯めてしまってるのでは?」

という話でした。

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