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郵便局

夕方、荷物を出しに郵便局に行った。少し混んでいたので受付番号を発券し、ソファに腰をかけた。
すぐ後に若い男性ふたりが入ってきてなにかガヤガヤ言いながら隣のソファに腰をかけた。

「あいつら遅ない?はよしろや」

今来たところなのにどうやら待つことが嫌みたいだ。

わたしは隣のソファで早く呼ばれないかと存在を消して待った。

ピチピチのスウェットに蛍光のスニーカーを履いて、キャップ帽を被りふたりとも似たような格好をしていた。

主に早く呼ばれたい方の男性が言った。
「ここってポストないん?」

郵便局だからあるだろう、入口にあったじゃないかと心の中でツッコミを入れてしまった。
ポスト投函で送れる荷物なら今すぐポストに投函してくれ。

もうひとりの男性が言った。
「郵便局やからないんちゃう?」

どうゆう意味だよ…。

「なんでなん?普通郵便局やったらあるやろ!」

「郵便局やからこそないんじゃない?」

本当にどうゆう意味だよ…。

郵便局にポストがないと言い張る男性の言い分は、
「人と人とのやり取りで送るから郵便局なんじゃない?」

え、ちょっと本当によく分からないんだけど。
あなたロマンチストなの?なんだかとっても意味が深い話になってきたのでものすごく興味が湧いた。
人と人とのやり取り。対面と言う言葉がでてこなかったのだろうか。

「あぁ、そうゆうことか、なるほどね。」

え、納得しちゃっていいの?納得できちゃうの?
入り口にポストありますよと言いたい。郵便局にはポストありますよと言いたい。とても言いたいけれど機嫌の悪い人に話しかけるのは昔から苦手なので何も言わずに番号を呼ばれるのを待った。

「でもさ、別に郵便局にポストぐらい置けばよくない?」

「それは思う。時間の無駄やんな。」

わたしはそこで番号を呼ばれた。もう少し郵便局にポストがない話の続きを聞きたかった。

彼らは今日、出口でポストを見つけることはできたのだろうか。

数分だったけれど退屈な待ち時間を楽しませてくれてありがとうございました。








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