心からの「嫌です」

 夫が逮捕されたのが先週の土曜日。今日は日曜なので、もう一週間以上になる。

 早ければ2日で釈放と言われていたので、いつ連絡が来るかと待ちわびていた。

 本当なら最寄りの警察署の留置場に入るはずだった。ところが体調の都合で、電車か高速道路を使う距離のところに行ってしまった。

 なので差し入れもできなかったのだけど、秋晴れが気持ちいい休日の昨日、仕方ない、行ってやるかとその警察署に連絡をした。

 すると、面会は平日のみで予約制だという。

 あれ、最寄りのところだとそんな風に言ってなかったんだけど……署によって違うのかな。

 とにかくほっとした。一週間以上経って着替えも持って行かないんじゃ、ちょっと悪い気がする。でも平日にわざわざ仕事を休んでまで行ってやる必要はないよね。

 それよりそろそろ釈放ではないのか……と思っていたところ、今日の夕方、やっと連絡が来た。

 てっきり警察署から来るとばかり思っていたら、弁護士さんからだった。

 身元引受人になってくれますか、という。

 なるほど、身元引受人がいれば釈放の日時が決まるということか?

「嫌です!」

 思わず口調が強くなってしまった。その弁護士さんに当たったってしょうがないのに。

 言ってから、ああこれが本心なのか……と思った。とっさに出るのはもう、情じゃなく怒りだね。

 先週の土曜日にはまだ、多少の情があった。別れを考えると、多少の悲しみが涌いた。

 もうないです。

 書類上の手続きをさっさと済ませたい気持ちでいっぱいです。

 すんなり片づきますように。

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