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神事「田植祭」の話から見る、神の多重構造・スピリチュアル

少し前に伏見稲荷や、その他の神社で行われる「田植祭」のお話をしました。


ここから「神は山から降りてくる」という話に結び付くのですが、山を他の伝承や、昔話から見ると「妖怪」や「鬼」の住む場所「異界」とされる事が多い場所でもあります。


この日本中に流布され、残された伝承や昔話は所謂(いわゆる)「語り」です。語りは、簡単に言えば「嘘」と言う意味です。


山に住む「神(もしくは、そう比定された人達)」を、人間の敵、 人間とわかり合えないモノ→だから退治してしまう


そんな図式が作られました。


この図式を作ったのは、やっぱり大和朝廷です。


では、なぜ退治をするのか?


鉄が代表するような資源の略奪です。


でも、略奪だと記す歴史書に自分達が「悪人」と書くことになりますから「何もしていない鬼が悪さをするから人側の正義の味方である朝廷が鬼を退治する」

侵略戦争を後年「退治」と語った。それが真実です。


山ではないけれど、鬼ヶ島で有名な香川県にある女木島(めぎじま)も、製鉄(武具、農具など作る)の際に使われる水銀が取れる水銀鉱床(当時は日本で一番との話もあります)があり、そこを治めていた国を鬼の住む島「鬼ヶ島」というワードに変えただけです。


桃太郎伝説と絡めて考えれば百済系渡来人の王「温羅(うら)」の支配地域だったのかなと思います。


この「温羅」は、鬼として有名ですが善政を敷く王として元から居住していた先住民の人達には慕われていたようですし、本人が殺された後も渡来人、先住民併せて長い間、頑強に抵抗した話も有名です。


だからこそ殊更(ことさら)、桃太郎の鬼退治という英雄譚を作り上げ強く流布したから、今も日本で一番有名な「桃太郎」の昔話として残る事になったというわけです。


話を「山から降りてくる神」にもどして、これらを分解して神の存在を山の下にいる人間から見ると


大元にあった自然崇拝からの「山」→→→


山に住む「製鉄民族」。製鉄によってもたらされる利便性を含む恵みは当時の環境を考えれば、そのまま命を長らえてくれる神となり→→→


その神(製鉄民族)が信仰する持ち込まれた「渡来系の神」を同じく信仰するのも道理です→→→


時代が下ると神に比定(同じモノの意味)された山に住む「製鉄民族と、持ち込まれた渡来系の神」が同じモノ(同じ神)(同体)として扱われます→→→


さらに大元の自然信仰の対象であった山も「同じ神」として扱われます→→→


そして、時代時代の中央政権によって、これらとは全く「関係のない神」を置いたりする場合もあります。霊的なエネルギー的には分霊しているから居るのですが、何もなかった場所に新たに置くのではなく元々の神がいる場所に、わざわざ置くのでこの場合は存在感が凄く弱い。


これは「どこの」と言うのではなく、例ですが(伏見稲荷は、もっとややこしい)。


山から降りてくる神をまつる神社一つを取ってみても「山」「製鉄民族」「渡来系の神」「製鉄民族+渡来系の神」「関係のない神」となります。


この多重構造が、日本の神をわかり辛くしています。


この場合、現代のきちんと全ての神にアクセスできる霊能者が神と関わる場合。


表層から「関係のない神」→「製鉄民族+渡来系の神」→「山」です。


一つにしかアクセスできない霊能者の場合は、基本的に「関係のない神」か「製鉄民族+渡来系の神」です。

この時、「製鉄民族+渡来系の神」にアクセスする場合は歴史の知識あるなしで意識する神が違うので「関係のない神」が見えていないから「製鉄民族+渡来系の神」だけにしかアクセスできないという事になります。

誤解をしないでほしいのは、一つの神にしかアクセスできなくても間違った事や嘘を言っているというわけではないのです。


「製鉄民族+渡来系の神」は、同じモノとして扱われているので例えば「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」ならば、すでに一つのモノです。

これは神と人間は元来、同じモノなので「その山に生きた全ての製鉄民族」が「素戔嗚尊」として現れる事に矛盾はなく、それは間違いなく素戔嗚尊です。

わかりやすく言えば「素戔嗚尊として機能します(同じ意識を持つという事)」。


ちなみに「製鉄民族」と「渡来系」を分けているのは、「製鉄民族」は、一番最初は別だったでしょうが渡来系民族と先住民が子をなしたりで一つの豪族や、集団となっている場合が多いので、それを「製鉄民族」と分けています。


一般の人は、どの神にアクセスしているかによって結構その神社の印象が大きく変わる場合があります。

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