「死ぬ準備」⑥
銃火器中心の古典的戦争は終わり
この世は法で廻っている。法は、法の執行者によって執行される。誰も逆らえない。権力も金もある。女の方が残忍である。残忍さは化粧で隠しているから実行命令書には可愛げな印が踊っているだろう。
分からんなあ。何のハナシだ。お前わかる?
わかる訳ないだろ。そんなに暇じゃない。
いえるなあ。
基本的にそんな、物知り訳知りがいけない。そう教えてやったのにアイツ分かってない。そんな鈍感さでよく新興宗教の教祖が務まるよ。宗教界でも無意味な競争や僥倖を求める傾向がある。さもしい競争心を煽る。宗教戦争もなくならない。大きくなってる。
戦争は媚薬だよ。何故か同種で殺しあう。高揚する。パンパン、プシュ。グラマンが撃つ20ミリ機関砲なら人間は肉片だ。それ以上なら粉になるだろう。みたら体が震えるよ。恐怖からじゃない。復讐心が芽生える。
厄介である。競争も成長の媚薬なのだ。今の若者は知らないからゼロ戦を褒めるけど後期のグラマンは馬力が違う。上昇能力も機関砲弾の速度も違う。だから格闘になったら勝てない。そんな姿を俺は見上げてきた。
人間は相変わらず競争をやめない。競争は戦争の促進剤である。やがて世界戦争に発展する。そしてなんもかも綺麗さっぱりなくなる。
燃料は欲望である。欲望という名の燃料を吹かして回転力を得る。他人より大きくなりたい。より多くのものが欲しい。爆音が快適なのだ。ガキじゃあるまいし。アメリカを中心とした金融資本主義は間もなく破綻する。
何もかもが一気に終わる。
とくにこの二百年は狂ったように走ってきた。間もなくクラッシュするだろう。なぜか人間はキチガイじみた高回転音を好む。その為に諍いも絶えない。紛争は絶えない。世界中のどこかでいつも戦争している。世界貿易センターへの突撃はアフガニスタンが原因という。犯人を追って、殺して、それでも足りないから、長い間あの砂漠で索敵してきた。砂漠だから原爆落としても意味がないし。シコシコと旧式の小銃乱射で過ごしてきた。
お互い無意味な戦いだった。今度はアメリカが自発的に撤退する。なんのために戦ったのか。これまでの戦闘は何だったのか。もっと大きな地域間・国家間紛争に繋がらせるために。或は宗教戦争に発展させる為の、ショウウインドウ戦争だった、のか。
そろそろ疲れてきた。おまけにその非効率さにウンザリだ。弾薬を補てんして打ち合う古典的な戦争は終わりにしたい。あんなものは、もう玩具の戦争だ
いまじゃ若く優秀なIT戦争技術者の時代だ。高学歴の美人中尉殿が、乳呑児をベッドに寝かせてパソコン画面上の敵と向き合う。ヒロシマ型の数千倍の原爆ミサイルを5000キロ先の相手国の主要都市に打ち込むのだ。
戦争は一瞬で終わる。何万キロ先の何百万もの女子供が一瞬で消える。勝負も一瞬。血を見ることも硝煙の臭いを嗅ぐこともない。戦死者が出ないから野戦病院も火葬場も要らない。
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満85歳。台湾生まれ台湾育ち。さいごの軍国少年世代。戦後引き揚げの日本国籍者です。耐え難きを耐え、忍び難きを忍び頑張った。その日本も世界の底辺になりつつある。まだ墜ちるだろう。再再興のヒントは?老人の知恵と警告と提言を・・・どぞ。