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シュールな短編小説

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ファンタジー、そして時にはシュールな短編集。
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2020年8月の記事一覧

ネコとプランクトン

 川べりで三毛ネコがしゃがみ込んでいた。  不思議に思って、土手を降りそっと近づいてみる…

むぅにぃ
4年前
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秘密結社のアジトへ侵入する

 まさか新宿駅の地下街に、秘密の入り口があるとは思わなかった。  西口の高速バスターミナ…

むぅにぃ
4年前
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スーパーバイザーに会いに行く

 友人の桑田孝夫と互いを心理分析してみよう、ということになった。 「その前に、スーパーバ…

むぅにぃ
4年前

大きな大きな絵本

 ピンポーンとチャイムが鳴った。 「こんにちはーっ、毎度お馴染みの宅配便ですよーっ」  え…

むぅにぃ
4年前
3

サンシャイン60の増設を悲願する男

 サンシャイン・シティの屋外ガーデンで日向ぼっこをしていると、恰幅のいい初老の男に声をか…

むぅにぃ
4年前
4

自衛隊がふらっと寄る

 庭でブーンと唸るような音がする。何事かと外に出てみれば、頭上から釜飯弁当そっくりな物体…

むぅにぃ
4年前
1

湖畔で実況をする

 マイクを手に森の中をさまよっている。 「この道で本当に合ってるんですかぁ?」背後でカメラマンが心配そうな声を漏らした。 「さあ……」とわたし。そもそも、なぜこんな所を歩いているのかもわかっていない。 「そんな、無責任な。ディレクターから何も聞かなかったんですか。メモを預かってるとかは?」 「何も聞いてないよう。そっちこそ、打ち合わせとかなかったの?」 「ぼくはただ、『撮ってこい』と言われたから付いてきてるだけで、ほかは何も知らされてませんからね」  どうやらわたしは、実況

電卓の謎機能

 友人の桑田孝夫に電話をかけようと、さっきから奮闘している。番号は合っているはずなのにつ…

むぅにぃ
4年前
1

ウレタンのピラミッド

 道端にピラミッドが捨てられていた。胸くらいの高さはある。 「通り道にこんなもの捨てるな…

むぅにぃ
4年前
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うまいと評判のチャーハンを食べに

 友人の桑田孝夫が言う。 「なあ、これからチャーハン食いに行かねえ?」  唐突だったので、…

むぅにぃ
4年前
2

雲間を走る月

 まるで野原のような広い部屋のど真ん中に1組だけ布団を敷いて、わたしは仰向けに寝そべって…

むぅにぃ
4年前
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もやし少年のさま変わり

 中学時代の同級生とばったり会う。卒業式以来だ。  とはいえ、初めは誰だかわからなかった…

むぅにぃ
4年前
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スクラップ置き場の釣り堀

 町に1つだけある釣り堀へ出かけてみた。スクラップ置き場にわずかばかり空いたスペースだ。…

むぅにぃ
4年前
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