見出し画像

オーストラリアは暮らしやすいのかどうか

まずは日本はどうなのかという話から

 どの国にも一長一短な部分がある。当たり前すぎて書くまでもない。日本はよく「犯罪が少ない」「清潔」「親切」と言われるが、実際は泣き寝入りが多かったり、清潔でない場所もあるし、親切ではない人もいる。

 自分がよく赴く場所が言語交換会の場だからかもしれないが、日本人です〜と言うと基本的に好意的な反応が返ってくる。東京に行こうと思ってるよ、大阪に行ったことあるよ、アニメめっちゃ好きだよ。マジでありがとう。自分は韓国とオーストラリア以外行ったことないよ。

 しかし「将来的に日本に住みたいんだ」と言う人は見たことがない。まず労働環境の悪さが大きいそうで、過労死という言葉が英単語になっている辺りからしてそこはお察しの通りですとしか言えない。旅行先に選ばれる場所は都会なので「人が多すぎる」という意見もあった。昨日一緒に飲んだオーストラリア人は「メルボルンに行っただけで目眩するから東京に行ったら死ぬと思う」と言っていた。ちなみにメルボルンはそこまで人混みが凄まじい訳ではないので、本当なら東京には行かない方がいいかもしれない。

 次に賃金の低さだ。そこは頼むから最低賃金が日本円で2300円くらいのオーストラリアと比べないでやってくれと思わないでもない。とはいえ実際に、自分の地元はいまだに800円台だ。なんだ898円って。900円がそんなに大台なのか。何がお前をそうさせるんだ。余談だが、最低賃金がエリアごとに違うのは相当珍しいそうだ。

 上がり続ける物価と下がり続けている(らしい)賃金。誰がそんな国に積極的に住みたいだろうか。自分がオーストラリアに来たのは去年の7月なのだが、帰国したらじゃがりこが98円で買えないとか信じたくなさすぎて恐ろしい。スギ薬局で78円の日だってあったじゃないかと涙ながらに買い物かごに入れることになるのだろう。

じゃあオーストラリアに永住したいのかい

 そうでもない。

 最大の理由である「英語が分からないから」というのは自分の実力不足なので置いておくとしても、外食が何を食べても表参道のオシャレランチより高いのは頂けない。気軽にマックにも行けない。最近日本のマックも高くなったと聞いているが、オーストラリアのマックは2.5~3倍くらいする。こちらのスクショをご覧ください。

ざっくり$1(ASD)=100円

 ビッグマックセットが脅威の1500円である。いくら最低賃金が2300円くらいだとしてもやりすぎだ。「おっマックがあるな、軽く食べて行こうかな」のノリでは入れない。「よし…今日は思い切って…ハンバーガーにしちゃおう」くらいの気概が要る。自分が週2くらいでしかバイトに入れてもらえていないせいもあるだろうが、だとしても外食が高すぎるので、自炊が辛いな…という日が多い人にはあまり優しくない環境だ。

 治安はそこまで悪くはない。シティの治安は夜の上野と同じくらいだ。現金くださいと話しかけてくる人は多いものの、無視するか「現金持ってないんで」とスルーするだけでいい。路上や公共交通機関で怒鳴っている人も、東京と同じ程度の割合だ。一度だけバイト先の人にとんでもなく軽いノリで危ないお薬を勧められはしたが、「いや、自分はいらないっす」だけで引き下がってもらえた。

 日本の調味料は大半がアジアンスーパーで売られているし、そこまで日本食が恋しくなる環境でもなく、フィギュアやカードの店もアデレードのCBD内だけで3、4軒はある。今すぐ日本に帰りたい…となるのは好きなアーティストのライブやイベントがある時くらいだ。

 それでもオーストラリアに永住したくはないなと思うのは何故なのか。せっかくnoteに書いてるんだからとかっこいい理由を考えてみたりもしたが、結局のところ自分は陰キャのオタクなので、家に篭ってアニメ見ながら煎餅食ってる方が幸せだなと感じてしまうからかもしれない。

「住める国を増やす」という選択肢がかなりアリ

 自分のハウスメイトは日本人で、オーストラリアの永住権を持っている。めちゃくちゃ頑張ったと聞いているので本当に立派なことだ。自分は永住するつもりが全くなかったので、永住権を取るには永住権を持っている人とパートナーになってパートナービザを申請するか、特定の職種の勉強をめちゃくちゃ頑張るか、の選択肢があることしか知らない。

 しかしハウスメイトが言うことには、「日本にこれ以上住んでられんと思ったらオーストラリアに住みに来れるように取っといてもいいのではないか」とのことだった。日本の現状を考えても、確かに仰る通りですなと思わず無い髭をさするなどした。

 永住権を取れる職種は主に看護師や社会福祉士など、はっきり言えば「キツいのでなり手が少ないもの」である。その上IELTSのスコアも必要になる。基本的に7.0より上のスコアが求められる。めっちゃキツい。TOEICですら頑張っても700点台で、早稲田とか外語大から来てる日本人に「え?ガチで?」と言われたレベルの英語力なので、逆によく生活できてるなと褒めてくれてもいい。

 他の国にワーホリに行くという選択肢もあるが、慣れない土地に行く→家を探す→職を探すという過程に疲れ切ってしまったので、もし永住権を取る気になったら学生ビザでオーストラリアに戻って来ることになるだろう。

 ひとまず、来月にワーホリを終えて帰国する予定なので、1日でも早く日本に帰りたいと思いながら毎日Youtubeを観て時間を浪費している。ワーホリに来たからと言ってキラキラしてなくていい。日本でキラキラしてなかったんだから別にオーストラリアでもキラキラする必要はない。こんな感じで生活してる自分でも、ワーホリに来る前と比べて格段に英語が理解できるようになった気がするので、自分のペースでエンジョイすればいい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?