SIerの元エンジニア営業マンが転職ドラフトを使って転職成功した話
1. はじめに
本記事はSIerの営業マンからWebエンジニアに転職するまでの筆者の体験記です。今回は一番メインに利用した転職エージェントである転職ドラフトについて、自分がどのように利用したかを述べていきます。
※こちらの記事は転職ドラフト体験談投稿キャンペーンに参加しています。
2. 転職ドラフトってなに?
ITエンジニア専用の転職マッチングサービス。自分のスキルをアピールするシートを書いて載せておくと、企業から入札がかかって面接へと進んでいきます。(詳しくは公式サイトの説明をどうぞ。)
3. 筆者のスペック
・20代男性
・文系大学院卒。学生時代プログラミング経験無し。
・新卒でSIer入社。満三年間勤務。
・最初の2年開発。最後の1年は営業職を担当。
そして、五ヶ月ほど前に転職ドラフト経由でWeb系会社に転職することができました。
4. 転職ドラフトに登録したきっかけ
エンジニアとしての転職を相談した社外の先輩エンジニアの一人が、転職ドラフトを運営しているリブセンスさんの中の人でした。
5. 転職ドラフトの良いところ
○ガンガン書ける どんどんアピール
転職ドラフトに参加するためには、自分のスキルをアピールするためのシートを記入します。この書く項目がとても多い!担当工程やプロジェクトカテゴリといった選択式で選ぶ部分も多いのですが、各参加企業が一番見ていると思われるのはメインとなる「年収評価シート」です。このシート項目は今まで自分が取り組んできたプロジェクトを何個でも、何字でも書けるコーナー。800文字以上くらいは書くといいと言われているらしいですが、筆者は1プロジェクトあたり1500字~3000字を4本書きました。
このご時世あまたの転職エージェントがしのぎを削っておりますが、これらサービスの違いは、企業と転職希望者がお互いどのようにプレゼンテーションするのか、そのアピールをお互いはどう受け取るのか、という方法の違いに宿っていると筆者は感じています。転職ドラフトの肝はまさしくこのシートにあります。長文になるほど、その人の好み、魅せ方、判断などが色濃くでる。こうしたオーソドックスだけど本格的なプレゼンテーション方法は「なにかをやりたい」「自分のやってきたことを具体的に伝えたい」と考えるエンジニアにはとても有利に働いてくれると感じています。
個人的には「エンジニアとして影響を受けた本を教えてください」というコーナーがあったのがとても良かったですね。技術書を書いている人がほとんどでしたが、組織論や経営の本などいろいろな種類の本を理由つきで書いている方もいらっしゃいました。その人はどのような人なのか、読んだ本から感じ取れること(あるいはアピールできること)はとても多いものです。
○レジュメを熟読してくれる
他の転職エージェントも使っていたときは、そもそも全部で300文字程度しかアピールポイントを書けないものばかり……。各企業やメンター候補から大量のメッセージが毎日届きますが、このような薄い情報でのマッチングサジェスチョンだとどのメッセージもどんぐりの背比べに見えてきてしまいました……。
転職ドラフトで入札がかかると、指名した企業は指名理由をメッセージに乗せて送ってくれます。そのほとんどの企業がとても詳しく指名理由を記述してくれていたのが印象的でした。事業の内容、自社の現在状況、課題の説明に加えて、指名した人のどのようなスキルに注目し、それが自社の課題とどうマッチしていくのかということを詳しく説明してくれます。
面談に進んでからも、こちらの手の内をよく知っている上で話が進むので、最初から突っ込んだ会話ができます。
企業によっては(筆者の場合はまれに)指名理由を三行程度でしか表現していただけない企業もありましたが、ほとんどは詳しく説明してくれました。
○フェアマーケットバリューがわかる
自分の市場価値がどれくらいあるのかが、一目瞭然になります。筆者は新卒で入った会社で開発をやっていたらある日突然「営業マンになれ」と言われて異動しました。そのときは「自分のITスキルはよっぽど無いのか、それとも才能がないと会社に判断されたのか・・・」と(けっこう)落ち込みました。しかし会社を一つしかしらない筆者は、実際自分のスキルがどれくらいのものなのか客観的な値打ちが判断できませんでした。
転職ドラフトに参加して、実際に入札がかかり、自分のスキルや業績のうち具体的にどこを求められているのかといったことが指名理由からわかったので、自分の経た経験や培ったスキルは無駄ではないことがよくわかりました。
なお、入札価格が妥当かどうかは難しい判断ですが、転職ドラフトには「90%ルール」(企業側は実際の給与支払いに際して提示年収の90%を切ってはならない)があるので、極端に高い価格を入札されることはないと思われます。
6. 転職ドラフトの「人を選ぶ」ところ
「悪いところ」というわけではありませんが、ユーザーによっては相性が合わない場合がありそうな特色を感じたので書いておきます。
◆プル型の就活になる
転職ドラフトでは入札が入らなければ基本的には次のアクションへは行けません。したがってここは運次第です。もし自分から仕掛けていく能動的な就活をしたいなら別のエージェントを使ったほうがいいでしょう。
ただし、シートを詳しく書けばニッチがマッチする可能性は高いですし、転職ドラフトには「自己推薦」なるアクションも用意されているみたいですので、チェックしてみるといいかもしれません。
◆シートの書き方は自由度Max
章立て、魅せ方、レイアウト。シートの書き方は全てを自分で決める必要があります。文章を書くのが苦手な人はきついかも。記述より対面の方が自分の能力をアピールしやすい人は最初から面接をするようなエージェントを選んだほうがいいかもしれません。
7. レジュメ(年収評価シート)を書く時に意識したこと
まず意識したのは、構成をしっかり編集することです。筆者は4本のレジュメに大体共通の構成を適用していました。以下の四章立てです。
1. 取り組み概要
3~5行くらいで、その取り組みの内容=Whatを要約します。書き出しになるのですが、要約というくらいなので実は書くべき内容は最後に決まります。なのですぐ書ける場合は仮留めのつもりで走り書きし、あまり書けなかったら放置して残りを書いてから戻ってきます。なお、業務でやった内容はもちろん、業務外でも仲間を集めて何かシステムを作った経験などを書くのもオッケーだそうです。
2. 取り組みの背景
ここでは取り組みのWhyにつながるような状況説明をします。見落とされがちな内容ですが、結構重要な要素です。取り組み=リプレース作業だったとしたら、旧システムがどんな故障や問題を抱えていて、その問題は事業にどう影響していたのか(処理速度が年々遅くなっていて、顧客納品までのスケジュールはタイトになる一方でお叱りの声も増えてきたなど)。つまり、この取り組みが最終的にどのような事業目的やビジネスへつながっているのかをしっかり書き手はわかっているよ、というのを示すためのセクションです。
3. 具体的取り組み
レジュメの本体とも言える部分です。Howを具体的に書いていくのですが、ここは取り組み内容によって書くべき構成がかなり変化します。開発業務と運用業務で小見出しを分けて書いたり、この「具体的取り組み」の章の中でも、問題=>採用した解消方法=>結果みたいな流れを作って書いたりしました。
4. 取り組み結果
実際に取り組んでみてのまとめです。ここまで主題の提示(=What)、課題のありか(=Why)、そこに対する対処(=How)まで書けているはずなので、「実際に予想した結果が得られたかどうか」、得られなかった場合は「何が目測と異なったのか」、そして「予想外の発見や学びはあったのか」を書いていきます。取り組みのスコープ外として置いといたけど、関連していた未解決事項などがあったら、ちょっとここに添えたりもしました。ちなみに、大体一本のレジュメの六割を、「3.具体的取り組み」か「4.取り組み結果」のどちらかの章が占めるように筆者は書きました。
最初1が書けない人は、2、3、4を書いて、それぞれを一行まとめして1に書くとスムーズにできるでしょう。
8. まとめ
結果的に筆者は転職ドラフトを使用して、無事転職先を見つけることができました。転職ドラフトの用意したプレゼンテーション方法が自分にマッチしていたのが理由であったと今では振り返っています。
上記の「良いところ」に共感した方は、ドラフトに参加されるときっといいご縁に巡り合えるのではないでしょうか。