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不登校 〜6年①  穏やかな日々〜

息子が小学5年生から学校へ行くのを嫌がるようになった。

行けない日もあったが何とか行かせようとしていた5年生が終わり6年生になった

担任の先生は変わったが1クラスしかない学年なのでクラス替えはない。3年生からずっと同じメンバー。それも息子にとっては苦痛だったのかもしれない。

なかなか学校へ行けないので「学校行くよ!」と強く言うと

「学校が嫌な気持ちわかるでしょ?」

「わかんないよ。何がそんなに嫌なの?」

「分かんないよ。何が分からないかもわかんない」

「でも、行かなきゃダメだよ」

「ママがそう言うこと言うともっと辛くなる」

と静かに泣いてしまった。これ以上何も言えなくなった。こんなにハッキリと自分の意思を言ったのは初めてだったかもしれない。そして静かに泣いたのも・・・

(今までは、行きたいけど行けない。そんな感じだったのに、この頃からは行きたくない、と言う気持ちが強くなったのかもしれない)

この話を担任と特別支援学級の先生に伝えると2人とも黙ってしまった。

担任の先生は、過去に不登校の生徒を受け持ったことがあるようで「学校へ登校させる」ことを求めなかった。

※※※

2016年に教育機会確保法というものができていて、「小学校は義務教育だから絶対行かないと駄目だよね」みたいな論調も結構ありましたが、国としては少しスタンスが変わってきています。
不登校児には無理に通学させないで休養させてね、という方向になってきています。

どちらかというと徐々にではありますが「学校外の学びも認められていくべきだよね」って感じに変化しつつあります。

最近知ったのだが、周りが変わり始めている時期だったようだ。

※※※

その代わり、先生が家に来てくれた。学校の話をするのではなく、「まずはお互いを知ろう!」と好きなものの話をしたり、興味のあることを聞いたり・・先生とおしゃべり、なんて息子はなかなかできないがサッカーが好きだとわかると、「外で一緒にサッカーをやろう!」と息子と外に行ってしまうこともあった。(こんな先生でとてもありがたかった)

支援学級の先生も週1で家に来てくれた。そして、息子と会話をしながらどんな特徴があって何で学校に行けないのか観察して私に伝えてくれた。

自分では分かっていないけれど、嫌だなーと思っているだけで体はガチガチになっていたりする。無意識のうちに肩に力が入って体に不調を訴える子もいる。無理に学校へ行っていたら体がおかしくなるかもしれない問題。息子はそれを自分で回避したのかもしれない。(無理に行かせるってやっぱり良くないのだなーと改めて感じた)

先生と向かい合って座って話すことがなかなかできない。動き回ってばかりいる息子。それは緊張をほぐしているのかもしれない。授業でも、聞いているだけなら平気だけど、発表となるとかなり疲れるのかもしれない、と。

まず、自分自身で言葉に出して考えることで一体何が苦手なのか、と頭で理解する。それをどううまく避けていくか、どううまくやり過ごすかを考えれるようになると良い。と言われる。

***

この頃は周りからのプレッシャーがなくなり「学校へ行かせなければ」という思いもなくなっていたので私自身がかなり楽になっていた。それが息子に通じていたのかギャーギャー言うこともなくなり充実した日を送っていたと思う。

習い事のサッカーに行き、近くに住む従兄弟に定期的に来てもらい、勉強を教えてもらったりしていた。

カウンセラーから『適応指導教室』という存在を教えてもらう。学校以外の場所に行けるなら行った方が良いのか?という思いで息子に聞いてみると「見学に行く」という。

この生活にも飽きてきたから「行く」と言い出したのかと思っていたが『心が満たされてきて他のことをしてみたいと思ってきたのだと思います。だからと言って、学校に向けるのは難しいと思うなら、別の場所でもいいんです』とカウンセラーに言われた。

この頃友達と外で偶然会い、学校の子がこない公園で時々遊ぶようになっていた。

確かに満たされてる感じはあった。

***

不登校理解講座」という講座を聞きに行った

・家にこもらない
・やりたいことがあればやらせる
・行動することによって人とつながっていく
・学校にこだわらない
・学校とは常に連絡を取っておく

今の息子を見たらとてもいい状態にいる感じがした。


担任と話しをした「今の状態はすごく良いと思うんです。だからそれを無理に学校のほうに向かわせたくないのです。」「確かに良い方向に来ていると周りは期待して、それ以上を求めてしまうことありますね。お母さんの言うように、あったかい目で見守ってもらえたら〇〇くんも心が穏やかになるでしょうね」と言ってもらえて私自身も認めてもらえたようで嬉しくなった。認めてもらうってやっぱり嬉しいことなんだな。と感じた。



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