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この時代にあえてアルバム単位で音楽を聴く」第5回 Simon & Garfunkel「Parsley, Sage, Rosemary and Thyme」

今回はサイモン&ガーファンクルの3rdアルバム「Parsley, Sage, Rosemary and Thyme」です。一気に時代遡り1966年の作品です

1 Scarborough Fair/Canticle (スカボロー・フェア/詠唱 )
色々なところで使われているため誰もが一度は聴いた事があるサイモン&ガーファンクルの代表作の一つです。もはや美しい。ただただ美しい 

2Patterns
詩は閉塞感あるのにアレンジがポップな不思議な味わいの曲。ポールサイモンのアレンジの無国籍さはこんな初期からあったんですね。ギターソロが美しい。

3Cloudy
サイモン&ガーファンクルの詩って問いのまま宙吊りにされるのが印象的です
この詩の終わり方もとても印象に残ります

4 Homeward Bound(早く家へ帰りたい)
前情報なしでまず聴いてこのメロディラインと声で「郷愁」のイメージが頭に浮かぶサイモン&ガーファンクル凄い(まあシンプルな英語だからなんとなく何歌ってるかわかったのはありますが笑)

5 The Big Bright Green Pleasure Machin  こういう風刺や皮肉な感じはイギリスぽいなと思いきやイギリス時代に書かれたそうです
作られた場所の空気は曲に影響与えるんですね

6 The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy) (59番街橋の歌 )
サイモン&ガーファンクルの中では凄く明るい陽性の詩とメロディ
音楽ってこんなシンプルで完璧なんだなってサイモン&ガーファンクル聴くと思います

7The Dangling Conversation (夢の中の世界)まるで6曲目と対になったようなグルーミーな詩とメロディ
でもシンプルで美しいのは共通してます

8Flowers Never Bend with the Rainfall (雨に負けぬ花 )
そして時々とても前向きな詩、ストレートなフォークを思い出したように書くポールサイモン。

9A Simple Desultory Philippic (Or How I Was Robert McNamara'd into Submission)(簡単で散漫な演説 )
突然のロック。そしてすっごくディラン

10For Emily, Whenever I May Find Her (エミリー・エミリー)
素晴らしく美しい小曲
個人的な感想ではサイモン&ガーファンクルはシンプルなアレンジ、音像ほど映えるように感じます

11A Poem on the Underground Wall(地下鉄の壁の詩)
奇妙な曲。サイモン&ガーファンクルってこういう奇妙な味の短編みたいなストーリー時々書きますよね

12 7 O'Clock News/Silent Night (7時のニュース/きよしこの夜 )
凄い発想。現実と理想の対比をこんな風に表現するなんて
ほんと「発想こそアート」なんだと思い知らされます。

なにより印象に残ったのはその潔いくらいの短さでした。12曲30分弱!でもその短さゆえ中弛みや飽きる事なく最後までずっと至福の時間。ずっと美しい
しかしこれだけの名曲集でももし仮にこの2倍の収録時間ならここまで完璧なフォルムになっただろうか?とふと思いました
レコードからCDになった事で収録時間が倍になりましたがそれ故に「ここまで長くなければ名盤だったのに」というアルバムもある気がします
ストーンズの90年代以降のアルバムは曲が半分なら全部名盤では?とすら思います
そう考えるとアルバムは名曲集でも目一杯詰め込むのがいいわけでなく「アルバム」という一つの作品の形なんだな、とつくづく思うのです

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