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【第4回】ハンドパンの周波数特性を見よう!

久々にこのシリーズ
このシリーズはオタク向けです。

今回は…ステンレスと窒化を比べてみよう!です。

先日MeridianのステンレスOxalistaを購入しました。
窒化のMeridian D Celticと似た音が多いのでどんなもんか見てみましょう!

今回は高音編です。

低音編は次回にします。


はじめに…

ステンレスと窒化鉄の話はもう色々なところで議論されているので、今更解説はしない予定です。

詳細はこちら!

これをさらにかみ砕いたのがREOさんのYouTube

◆窒化の特徴

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◆ステンレスの特徴

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なるほどなるほど…分かりやすい。

今回はこの特性が見れればOKですね。


聞き比べてみてください

んで、とりあえず軽ーく音を撮ってみたのはこちら

どうでしょうか?みなさんはどっちが好きですか?

どちらもよさはありますよね。

この動画ではC5とD5を聞き比べてもらいましたが、計測ではC5のみを比較します。

理由として…

窒化Celticの方はDの音がDing含め3つ
ステンレスOxalistaはDが2つ

音数が異なるためCelticの方がステンレスと比べD音が共鳴しやすいのではないかと思いD5を比べるのはやめました。

そのため今回比較のスコープはC5のみに絞ります。


計測してみた

ここでは二人の周波数特性を調べます。

ブログやYouTube通りの理論値だと、窒化の方が高音が出る…はず!

さあFFTして波形を見ていこう!

◆窒化C5

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図1:窒化のC5の音

注目してほしいのはC5の三個右側のピーク

以前のブログでも紹介しましたが、私のMeridianはC5を叩くとC7の音まででます。

ハンドパンはオクターブ上とオクターブ+五度が出ますが、さらに上のオクターブまで出ています。

これはYishamaのブログ・REOさんYouTubeにあるように窒化は

高音特性に優れている

といえますね。

◆ステンレスC5

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図2:ステンレスのC5の音

見て頂ければ分かるように同じC5の音でも倍音の出方がかなり異なりますね。

比較するならG6(オクターブ+五度)の音がステンレスはあまり出ていないのが見て取れますね。

ステンレスの高音が丸く落ち着いて聞こえるのこのためですかね。


計測してみた②

ここではサスティーン(持続時間)について計測しました。

理論的にはステンレスの方が余韻が長い…はず!

さぁ見ていきましょう。

見ていくスコープはアタック音から40[dB]を下回るまでの時間を調べます。

何故40[dB]か…?

なんとなくです

40[dB]は人間の「ささやき声」くらいと同じと言われております。
そのため、音が出てからささやくような音までなら「音が伸びてる」と言えるっしょ!と思ったからです。

前置きはその辺にして…

◆窒化のサスティーン

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図3:窒化のアタック時

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図4:窒化の40dB下回った時

持続時間は

3.1 - 0.7 = 2.4[s]ですね。

特筆すべきは図4について。

基音のC5が40[dB]下回ってもオクターブ上のC6がまだ40[dB]以上音が出ていますね。

やはり窒化は高音が素晴らしく伸びるものですね。すごいすごい

さてさて一方…


◆ステンレスのサスティーン

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図5:ステンレスのアタック時

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図6:ステンレスの40dB下回った時

持続時間

3.9 - 1.0 = 2.9[s]

お~やはりステンレスの方がサスティーンが長いことが分かりましたね。

やはり聞いてる側でも「ステンレスの方が長く伸びるな~」ってすぐわかるしこれは簡単に結果がでましたね。


おわりに

今回は窒化とステンレスのC5の音を比較しました。

その結果窒化の方が高音特性はよく、ステンレスの方がサスティーンが長いことが分かりました。

ここで一つ…

数値として「どっちがいい」「どっちが悪い?」と分かりましたが、
大事なのは

どっちの音が好きか

です。

こんなこと言うと測定の元も子もないけど、琴線に触れるか触れないかは理論でなく心で決めましょう。(かっこいいこと言った!)


以上ありがとうございました。
次回はステンレスと窒化の低音について比較します!




オタクの余談

ここから先はオタクがぐちぐち語る余談です。

たぶんこうかな~って妄想で語ってるだけです。


材の違いで音質に差が出る所以はヤング率が関係してるのではないかなぁ~って思ってます。

ヤング率って…?
ヤング率は縦弾性係数(たてだんすうけいすう)ともいい、剛性を見る為のパラメータで、数字が大きいほど変形のしにくい材料ということになります。変形がしにくいとは、例えば、薄い板を曲げる力を加えた時、その板の「たわみ」の大きさが小さいというということと同じ意味です。つまり、ヤング率の大きい材料というのは、剛性が高い材料(変形しにくい、変形量が小さい)ということになります。
by https://www.toishi.info/metal/young_list.html

また、金属を叩いた時に金属中を伝わる速度はヤング率に依存します。(式難しいため省略します。)

そのため振動数もヤング率が大きくなるほど多くなる相関性があります。

また振動数が高い = 高音がでる。
※高音の方が低音に比べて周波数が高いためです

ここで二つのヤング率を見てみましょう。

鉄のヤング率は205[GPa]ステンレスは197[GPa]
ヤング率:鉄>ステンレス

です。

このため、鉄の方がステンレスより高音特性が優れているのかなぁ…

って思ってます。


仮定だけどね!

詳しい人いたら教えてください!


以上!

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