ノーマル
冬がいよいよ本格的になりそうだな
と感じる20時。
町のイオンタウン。
四日間くらいの食材を入れたエコバッグ。
重くて運べないからカートで移動。
ああ100均も行こうかなと考えている時、
声をかけられた。
懐かしい顔、懐かしい声、懐かしい手、
懐かしい瞳、懐かしいタバコの銘柄。
「らしくないね。
つまらない女になっちゃったね。」
その言葉を残し消えていった。
彼のつまらないは多分、普通であると言うこと。
普通、普通じゃないって自分以外の人々が
勝手に判断し決めつけるもの。
普通になることは簡単そうで、
実は一番難しいのではと思う。
ああそうか。
私はやっと普通になれたのか。
私はずっと昔から
普通になりたかったのかもしれない。
言葉を聞いた後、
じわじわと体の力が抜けていった。
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