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銀色の少女

小学生の頃に見た夢。

三年生くらいだったと思う。
クラスに転校生がやってきた。
引き戸を開けて現れた少女を見てクラスメイトはざわめいた。

彼女は全身が銀色に輝いていた。
髪や目鼻はなく、つるんとした剝き卵のような肌が景色を反射している。

彼女は丁寧な言葉づかいで自己紹介をして自分の席に着いた。

彼女は成績優秀で、姿勢も正しく所作が美しかった。
表情が分からないこともあり、クラスメイト達は怖がって話しかけないようにしていた。

彼女は銀のすべすべした後頭部に大きなピンクのリボンをつけ、パフスリーブの白いワンピースを着ていた。
私は彼女の上品な印象が大好きだったが、嫉妬するような少女の集団が彼女に水をかけた。
彼女は立ち尽くしていた。
私は何か言葉をかけようと近づいたところ、彼女が何かを言っている声が聞こえた。

「あの人の顔が崩れていく。」


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