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褥瘡予防は何時間おきに体位変換するのがいい?
今日の自己学習は褥瘡予防についてです。
先日、施設の看護師さんから「最近のエアマットレスなら体位変換は4時間おきでもいいんだよ」と。私自身いつ得た知識かわかりませんが、褥瘡予防は「1〜2時間お気に体位変換をする」という固定概念がありそれについて疑問に思わず実践していました。その辺りのガイドラインを今日は確認しました。
参考文献は2015年10月に日本褥瘡学会から発行された「褥瘡予防・管理ガイドライン(第4版)」です。
URL
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/prevention-and-management-of-pressure-ulcers-4thEd/prevention-and-management-of-pressure-ulcers-4thEd.pdf#view=FitV
ガイドラインCQ9
体位変換・ポジショニングより抜粋
CQ9.1
ベッド上では何時間ごとの体位変換が褥瘡予防に有効か
推奨文
基本的に2時間以内の間隔で体位変換を行うよう勧められる。(推奨度B)
解説を要約すると
・病院の標準的なマットレス上では2時間ごとでも3時間ごとでも有意な差はない。
・NPUAP/EPUAPガイドライン、WOCNのガイドラインいずれも患者の状態をアセスメントした上で体位変換を実施することが推奨されている。
・本ガイドラインの対象は在宅、病院、施設と多岐に渡ることから2時間以内を推奨する形となった
以上のことから通常病院や施設で使用されている標準的なマットレスであれば2時間以内に体位変換をすることが勧められているようです。
ここで標準マットレスではない場合はどうなるのでしょうか?
CQ9.2
体圧分散マットレスを使用する場合、何時間ごとの体位変換が褥瘡予防に有効か
推奨文
①粘弾性フォームマットレスを使用する場合には、体位変換間隔は4時間以内の間隔で行うよう勧められる(推奨度B)
②上敷二層式エアマットレスを使用する場合には、体位変換間隔は4時間以内の間隔で行っても良い(推奨度C1)
解説を要約すると
・厚さ15cmの粘弾性フォームマットレスを使用し4時間と6時間間隔を比較した際、褥瘡発生に有意な差はなかった。
・RCTではナーシングホーム高齢者942名を対象とし、高密度フォームマットレス上で2時間、3時間、4時間ごとで比較したところ褥瘡発生率に有意な差はなかった。
・国内の研究では上敷二層式エアマットレスを使用し2時間、4時間、5時間後の発赤の有無を観察。4時間以内は発赤例はなく、5時間後は50%の対象者に発赤を認めた。
上記の表記のように高性能な体圧分散マットレスは4時間間隔での体位変換でも褥瘡予防できるとの結果が得られている。
しかし体圧分散マットレスにはいくつも製品があり、その効果を十分検討してから体位変換時間を検討する必要があるとガイドラインでは結論づけられています。
まとめ
ガイドライン上では標準マットレスの場合は基本的に2時間間隔、体圧分散マットレスの場合はスペックを検討の上4時間間隔で体位変換を行っても良いと記載されていました。
対象者によって骨突出の程度や栄養状態など褥瘡リスクに差があるため、一概に決めずにリスクに応じて体位変換の時間を検討するのが良さそうですね。
本日はここまで、ありがとうございました。
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