5つの奇跡を引き寄せた子猫ミラクル
みなさんは家や道で動物を保護したことありますか？私は幼少期に庭に迷い込んだガリガリ猫にご飯をあげ、そのまま家に迎え入れた経験があります。家族みんなで保護した迷い猫（と推測）です。迷子だと思っていたので貼り紙してお家探しましたが、見つかりませんでした。
それ以外の保護経験はありません。心持ちとしては「見つけたらいつでも迎える！」という思いはあるのに、実際に遭遇していません。そんな私が保護猫活動を始め、初めて猫を保護しました。こちらのnoteでも里親募集中と紹介した子猫ミラクルです。
今回はミラクルという名前の由来になった５つの奇跡について紹介したいと思います。
忘れもしない今年6月23日、出張で行っていた新大阪駅ですべては起きました。その時の様子は、SOSで保護に来てくださったカリスマ猫ボラの十三さくらねこの会のnoteや猫ボラ先輩のインスタで紹介されているので、そちらのリンクを貼り付けます。
救出においてミラクルが引き寄せた５つの奇跡はこちらになります。
▪️奇跡その①大きな鳴き声
ミラクルはとにかく大きな声で鳴く子です。今でもそれはそれは大きな声で鳴きます。新大阪駅で見つけた時も大きな声で鳴いていました。そのおかげでたくさんの方に存在に気がついてもらえました。私もそのひとりです。
6月23日、お世話になった方と夕飯を食べて上機嫌で新大阪駅に帰ってきた私を迎えたのは大きな声で鳴く猫。しかも声の感じが子猫っぽい。ほぼ徹夜の出張だったので早くホテルで休むことが楽しみでした。しかし、私も保護猫活動を始めた端くれです。猫の鳴き声を聞いて放っておけなくなりました。
猫の鳴き声は、レンタサイクルの駐輪場の中から聞こえてきました。携帯電話を手にキョロキョロしながら心配そうにしている女性に「猫ですかね？」と話しかけると、「あの配管の中に猫が閉じ込められているのではないかと警察を呼びました」と。それから間もなくして警察がきて、レスキューがきました。
（レスキューはその後すぐ帰ってしまいました。近くに寄っていたところ、猫が逃げていったことので配管にいないことが確認できたためです。配管にいなければ人間に害はないのでレスキューは稼働できないそうです）
▪️奇跡その②電話がつながったカリスマ猫ボラさん
ミラクルの救出劇に欠かせないのがお二人のベテランボラさんです。お二人の内おひとりが東京でお世話になっている大先輩ボラさん。もうひと方が、大先輩ボラさんに紹介いただいた、十三ねこの会の「捕獲失敗しない」カリスマ猫ボラさんです。
何が奇跡ってカリスマ猫ボラさんは普段すぐにメッセージに気がつかないそうです。それなのに、この日はたまたま大先輩ボラさんのメッセージに気がつき、電話で話すことができました。そして電話しながら着替え、すぐに駆けつけてくださいました。ご自身でも奇跡だとおっしゃっていました（笑）（LIＮEは数千件未読のままだそうです）
警察も私も猫の捕獲は未経験。ましてや、私は出張中で土地勘もなければ、捕獲機ないし、相談できる猫ボラさんも知りませんでした。藁をもすがる気持ちで東京でいつもお世話になっている大先輩ボラさんに連絡し、百戦錬磨の強力な助っ人が現れ、どれだけ心強かったか！ 😭
新大阪駅は交通量の多い大通りに囲まれています。この方がいなかったら交通事故という可能性もあったかもしれません。本当に感謝しかありません。
▪️奇跡その③猫の神様？地域猫
そして、ミラクルの保護に欠かせない存在が地域猫です。さくら耳カットされた白と黒の大きめな猫で、この子のおかげで籠城していた車の中からミラクルは出てきました。
あれ？なぜ車？レンタサイクルの駐輪場にいたんでは？と疑問に思われるかもしれません。実は、レンタサイクルの駐輪場でミラクルを見つけて5時間経っても何も進展しませんでした。それもそのはず。実はどこかのタイミングでミラクルは駐輪場から脱出していました。てっきり駐輪場に閉じ込められているのかと思っていましたが、小さい体でどこからかすり抜けたようです。
そんなことを知らない私たちは夜中2時過ぎになっても駐輪場の周りをウロウロし、ミラクルの姿を探していました。周辺に捕獲器を置き、ちゅーるやウェットフードなどを置き餌し、様子見していましたが反応なし。そこで、カリスマ猫ボラさんがもっと捕獲器を持ってくるので一旦帰ろうと発案。ずっと付き添ってくださっていた警察の方ともお別れし、4時に戻ってくる予定を立てました。
しかし、ここで事が進展します。車に乗り込もうと駐輪場を離れると、カリスマ猫ボラさんの姿が見当たりません。周辺を歩いて探すと、駅に面した大通りに隣接した茂みの周りを歩いていました。手には携帯。猫の鳴き声を鳴らしています。到着してからずっと猫の鳴き声を流していました。猫の鳴き声が鳴き声を誘発するそうです。そして事情を聞いてみると、子猫の気配がするとのこと。しかし、そこは人間が入り込めるスペースがありません。仕方なく、捕獲器を2台設置し、一旦解散することにしました。
そして、集合時間の4時。カリスマ猫ボラさんがホテルに迎えにきてくださいました。まだ薄暗いですが、そろそろ夜が明けそうな気配がします。駅の駐車場に車を止め、捕獲器を設置した場所に戻りました。携帯から猫の鳴き声を流しますが、何も反応はありません。2人でバラバラに歩き回りますが、気配がしません。なんとなく気になって、駐車場の中を猫の鳴き声を流しながら歩いていると、停まっているアルファードの中から聞き覚えのある鳴き声が聞こえてきました。すぐにカリスマ猫ボラさんを呼び、車の中から聞こえる鳴き声を一緒に聞いてもらいました。いたーーーー！と2人で確信。喜びも束の間です。さあ、どうやって車から出そうか、頭を抱えました。
餌でつろうと車の下にご飯をばら撒く作戦やJAFに電話して救出依頼をお願いしましたが、どれもうまくいきません。JAFには車の所有者からの依頼ではないと車をどうこうすることはできないと言われました。そこで警察の方に、所有者を調べてほしいと電話。警察の方には、たとえ所有者が分かったとしても、この時間に新大阪駅に停めているということは遠出している可能性が高く、すぐ車に戻ってこられるとは限らないと指摘されました。おっしゃる通り。。その間にも、時間は刻々と過ぎ、どんどん空は明るくなります。駐車場に入ってくる車も増えていきます。「このままでは車に轢かれてしまう」。2人で睡魔に襲われながら、気持ちは焦るばかり。
そんな中、現れたのが一匹の地域猫です。車の下に撒き散らしたちゅーるなどの香りを嗅ぎつけたのか、いきなり登場しました。焦燥感いっぱいの私たちに対し、ど〜んと動じない感じの地域猫さん。ゆったりちゅーるを食べています。もしかして？と思い、カリスマ猫ボラさんに地域猫の存在がミラクルを車から出す可能性あるのか聞いてみたら、「その可能性あり」との回答。一筋の希望が見えてきます。
そしてどれくらい経ったでしょうか。疲れきって駐車場に座り込む私たちにはもうほとんど会話もありません。そんなとき、地域猫が突然走り出します。駐車場の端にある芝生にそびえる大きな石の上に座っています。何か観察しているような座り方です。もしや！と思って、胸が踊る思いでそろりそろり近づき、芝生の茂みを覗いてみました。しかし何も見えません。諦めず、携帯から猫の鳴き声を鳴らしながら、近くを歩き回りましたが、やっぱり何も聞こえません。とぼとぼアルファードの方に戻ってみましたが、地域猫は微動だにしません。どうしても気になり、カリスマ猫ボラさんに地域猫が突然走り出したので、もしかして子猫はあっちの芝生の方にいるのでは？と話しました。すぐに芝生の方に向かってくださいました。そして、静かに小走りで戻ってきます！近づくと「いた！捕獲器！」と捕獲器を車から出し、すぐ設置。
その時私はというと、邪魔にならないように離れた場所で祈りながら見守っていました。というのも慣れない私が下手に音を出して逃げてもいけないので、この日はカリスマ猫ボラさんのアドバイスの下、捕獲器を設置するときは少し離れたところから見守るようにしていました。
祈りながら、地域猫を探すと、ミラクルのいる芝生のところではなく、その隣の芝生に移動しています。その様子を見ていたら、私たちにミラクルの居場所を伝えるために大きな石の上に座っていたのだと感じました。もしや猫の神様？ともの思いにふけていたら、ガシャーン！という音があたりに鳴り響きました。
捕獲器が扉が閉まる音です。その音を聞き、カリスマ猫ボラさんの顔を見た瞬間、ウサイン・ボルトのごとく全速力で走り出しました。あんなに本気で走ったのは何年振りかわからないくらい本気の本気です。「捕獲した？」「捕獲した」と手を取り合って2人で大喜びします。あまりの興奮と感動で、走って始めてからカリスマ猫ボラさんの手を取るまではまるでスローモーションでした。側から見たら、私たちの飛び跳ねて喜んでいる様子は、サッカーワールドカップの決勝戦で決定打を決めたチームのようでした。多分。なんせ私がミラクルを見つけてから10時間近く経っていました。徹夜で精神的にも身体的にも疲れのピーク。保護できた時には2人とも発狂乱でした。
ミラクルを無事に保護できたのは、本当にカリスマ猫ボラさんのおかげです。足を向けて寝れないくらい、感謝しても感謝しきれません。本当にありがとうございました。そして地域猫さん、ありがとう。あなたはミラクルの命の恩人です。そして、猫の神様なんだよね。
朝6時半過ぎ。長い長い夜が幕を閉じ、そして長い長い1日の幕開けです。
▪️奇跡その④警察の方のご協力
ミラクルは警察の方の協力なくては保護できませんでした。
私がミラクルを見つけてすぐに現場に来られた警察の方。そこから保護した時間も交代せず、ずっと勤務されていました。大変なお仕事だなと改めて感じました。毎日安心に暮らせるのは警察の皆さんが守ってくださっているからですね。感謝です。
それに、動物に対してなかなか柔軟には対応できない立場にもかかわらず、命を優先してくださり、ありがとうございます。
お世話になった警察のみなさま、ミラクルはおかげさまで風邪ひとつひかず元気にすくすく大きくなっています！本当にお世話になりました！！
▪️奇跡その⑤保護猫活動を始めたタイミング
小さい頃から犬・猫が好きで、外で困っている子たちがいたら絶対助けようと心に誓っていました。しかし、そんな機会には遭遇せず、○十年。それなのに、保護猫活動を始めて数年経ってまさかの子猫レスキュー。そんな狙ったようなタイミングあります？！😆
捕獲経験はありませんでしたが、助けなくてはいけない命が目の前にあったら覚悟決めますよね。東京の大先輩ボラさんと電話で話しながら、子猫が保護できたら東京に連れて帰ることを決心しました。カリスマ猫ボラさんが到着する前のことです。その頃すでに我が家には預かり猫3頭（内、人馴れ前2頭＋アレルギー流血猫1頭）＋うちの猫たち6頭いましたが。今振り返ると、この頃のわたしは元気でした笑笑
という5つの奇跡です。いかがでしたでしょうか。簡潔にまとめようと思いましたが、無理でした(￣∇￣)
実はミラクルを保護してからも大変でした。
保護してから警察での手続きは長く、待ちぼうけの私の脚は棒。なんせほとんど一晩中立ちっぱでしたから。手続きはカリスマ猫ボラさんが全て対応。ありがたい。それからキャリーを買うため、カリスマ猫ボラさんに車でホームセンターに連れて行ってもらったのに開店前。開店するまでコンビニ前で腹ごしらえ。キャリーとついでに子猫用のミルクやフードを買ってから、ノミダニと駆虫＆水分と食事の補給のため動物病院に預かっていただきます。体重550g、およそ生後5週間、猫エイズ・白血病陰性。
ミラクルが病院でケアしてもらっている間、カリスマ猫ボラさんにホテルまで送ってもらいチェックアウト。約束していた友人とランチ。ランチ後、友人に付き合ってもらい動物病院にミラクルをお迎えに行き、そのままタクシーで新大阪駅へ。友人にキャリーを持ってもらい、駅でお土産買って、新幹線に乗り込みました。動物と一緒に新幹線に乗ったことないので戸惑いましたが、とにかく寝られる喜びで満ち溢れていました。しかし、落ち着いて座席に座れたのは束の間。ミラクルが大きな鳴き声で鳴く鳴く。ちーん、寝れない。
結局、新幹線はほぼ通路で立つ羽目に。15分くらいしか仮眠とっていなかったのでしんどかった。疲れ果てました。新幹線の駅まで車で迎えに来てもらえたのは本当に助かった。父ありがとう。帰ってから泥のように眠り、翌日うちで友人招いてランチ。出張帰りで片付いていない。起きてヘロヘロになりながら家を片付けましたが、気心知れてる友人たちなので妥協。uberでお気に入りランチをオーダーし、もちろん話題はミラクルと私の武勇伝で大盛りあがりでした。
コロナ以来の久々大阪。ゆっくり美味しいものを食べるのを楽しみにしていましたが、全く予想もしていないハプニングで大阪出張は幕を閉じました。しかし、カリスマ猫ボラさんとヘロヘロのボロボロになって過ごしたあの濃密な夜のことは一生忘れられない経験となりました。
ミラクルの救出にはたくさんの方が関わっています。それだけにミラクルには幸せになってもらいたいです。うちで仲良しになった松戸で保護されたペアと一緒に幸せになりますように。
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