Life is too Good
''Life is too good'', 友達がステータスメッセージに使っていて非常にいい言葉だなと思った。たしかに、彼の生き方は非常にいい。生き方がいいとはどうも茫洋としているが、私も殊更そうでありたいと思っているのでこの言葉に強く共感する。
私はいつかの校長が集会で言っていた「人生はだいたい+と-が釣り合うようにできている」という言葉が時折、しかし片時も忘れることなく胸に引っかかっていた。悪いことが続いていてもそのあとに必ずいいことがあるから諦めないようにという前向きな文脈だったが、もしも今が+なら後から特大のツケが回ってくるんじゃないかという危惧を持っていた。
一抹の不安、つまりこれから半年が人生全体において負の期間になりかねない懸念をどこか拭い切れないままワルシャワへ渡り、滞在日程の過半が過ぎた。結論、今の生活はというとこんな楽しくていいのかというくらい、毎日楽しい。その事由の詳細は後述するが、いい人生を過ごせているなと思う。
自分でコントロールできる範疇の内外はあるにせよ、大変なこと、不自由な事も多々ある。だが日本に帰りたいと思ったことは今のところ一度もない。
例えば、プライバシー0になる二人部屋での寮生活をあれほど忌避していたのが嘘のように今では寮でよかったと心から思っている。同居人とも何度か衝突したが、今は非常にいい関係を築けている。他の友達とも、毎晩のように一緒に飯を作っておしゃべりしている。一人の時間が大切だと半ば自分に言い聞かせるようにしていたが、それよりも人と関わる方が楽しいんだ、そしてそれを面倒くさがってはいけないんだということに気づけただけで万両の価値がある。元々シャイだったわけでもないが、かなり外向的な人間になった。
言語に関しても、友達ができ、この人ともっと話したい、この人に自分を知ってもらいたいという根源的な欲求に駆られることで圧倒的に上達することに気がついた。オリエン週で隣に座ったものの、何を言っているか6割方しか分からなかった人と再び会ったら、9割くらい分かるようになっていて3ヶ月というのは偉大な時間だと実感できた。渡航前の面倒事全てがこの瞬間に報われた気がした。
今はポーランド語と韓国語も齧っている。来年、ここでできた韓国人の友達と韓国で飲む約束をしたので、その折には自分で居酒屋の注文をできるくらいまでにはなってみたい。
昨春、与那国島の民宿で髭をたくわえた老人から別れ際言われた「少年、楽しいのが一番だよ」という言葉の意味が漸く分かってきた気がする。
自分の生活を楽しくすることに全力投球したい。そのための努力を努力と感じない人になれれば ''Life will be too good'' なんだと、自分なりに人生の方針が見えた。
最後にこの前映画で知ったお気に入り台詞を記して、帰国を控えた2ヶ月後の自分に期待する。
The wrong train takes you to the right station.
2023/12/26
雨のクリスマスを過ぎたワルシャワにて
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