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Circle社がUSDCを倣って新たなユーロペッグのステーブルコインを発行へ

この記事は2022年6月16日にBlockworksで掲載されたTiago Varzimの記事(https://bit.ly/3Om1K3P)の引用です。

Circle社がユーロコイン(EUROC)を6月末にローンチすると発表、ステーブルコイン市場で2番目に大きなシェアをもつ自社のUSDCを倣う

・米ドルペッグのUSDCが優勢な今日の暗号資産市場において、ユーロのステーブルコインが持つ価値は取るに足らない
・ユーロコインは主要な暗号資産カストディアンおよびDeFiプロトコルにサポートされることが予想される

欧州はマイナス金利に終止符を打ち、ユーロに裏付けられたステーブルコインがその最たる恩恵を受けようと競っている。

欧州における金融政策の進展がもたらすチャンスをつかむために、USDCの発行元である大手暗号資産企業のCircle社(本社:米国マサチューセッツ州ボストン)は2022年6月16日(木)にユーロペッグのステーブルコインである「ユーロコイン(EUROC)」を新しく発行すると発表した。ユーロコインは現時点で544億ドルの時価総額と市場第2位のシェアをもつ米ドルペッグのUSDCを手本にしている。

ユーロコインは、北米で認可された金融機関であるSilvergate Bankが保有するユーロ建ての準備金に完全に裏付けられる予定で、1対1でユーロへの交換が可能である。同銀行が保有する準備金は需要と供給に基づいて増加する。

「ユーロコインは、決済、オンチェーン(ブロックチェーン上に記録される取引)FX、トレードファイナンス、または商取引における暗号資産の利用機会を増やし、デジタル資産市場を介した取引は今までよりも広範囲に及ぶことになるでしょう。ユーロコインのローンチは、暗号資産市場が単なるブロックチェーンインフラに留まるのではなく、ますます大きな利用価値を有する市場へシフトしている現象の象徴だと考えられます」と、Circle社の共同創業者兼CEOのJeremy Allaire氏はツイートした

欧州連合(EU)加盟国19カ国が共有するユーロは米ドルに次いで2番目の規模をもつ通貨であるが、ステーブルコイン市場においては存在感を発揮することがないままである。2022年の現在までに、ユーロは対ドルで11%下落し、今年後半には両通貨の価値が同等になると予測するアナリストも中にはいる。

これまでにユーロペッグで発行されたステーブルコインはほんのわずかであり、Tether EURt(ドル建て最大銘柄であるUSDTの姉妹ステーブルコイン)やSTASIS EUROなどである。世界最大規模の独立型仮想通貨データアグリゲーターであるCoinGeckoによると、EURtの時価総額は約2億1610万ドル、EURSは約1億3000万ドルに留まっており、米ドルペッグのステーブルコインが持つスケールとはかけ離れている。

ユーロコインのローンチは、欧州中央銀行が今年の7月と9月にベンチマーク金利をマイナスから引き上げることを決定したことに関係しているのかとの質問に対し、Circle社の広報担当者は弊社(Blockworks)に対し、同社は「長期的な視点で経営戦略を構築しています」と回答した。

同広報担当者はさらに「ファイナンスの未来において、信頼性が高く、健全で、適切に規制されたユーロペッグのステーブルコインがその役割を果たすことが求められていることは明らかです」と続けた。

しかし、ユーロコインのホームページでは、Circle社がこのマイナス金利に関する課題を取り上げている。「ユーロ圏のマイナス金利は、ユーロコインにどのような影響を与えるのか」という問いに対し、「USDCにおける対応と同様に、Circle社はユーロコインの準備金にかかる金利リスクを想定している」とCircle社は述べている。

今年の6月30日から誰でもユーロコインを利用できるようになる。ユーロコインはERC-20(イーサリアムブロックチェーンのトークン規格)標準トークンとして同ブロックチェーン上でローンチする予定で、イーサリアム以外のブロックチェーンは今年後半に追加される予定だ。USDCもユーロコインと同様にイーサリアムから始まり、その後に8つの他ブロックチェーンへと拡大した

「Anchorage Digital、Binance.US、Bitstamp、Compound、Curve、CYBAVO、DFX、Fireblocks、FTX、Huobi Global、Ledger、MetaMask Institutional、Uniswap Protocolなど、多くのエコシステムリーダーがローンチ時にユーロコインのサポート(上場・対応など)をしてくれます」と前述の広報担当者は述べている。

ユーロコインの準備金は、米国の監査などのサービスを手掛ける大手会計事務所のGrant Thorntonによって今年の7月から毎月監査・証明される予定だ。

MiCA(EUの仮想通貨規制法案(Market in Crypto Assets))の枠組みが欧州議会で承認された後、ユーロコインは欧州において今後制定される可能性がある規制を遵守できるのかという質問に対し、Circle社の広報担当者は「ユーロコインは当初は“米国が規制する金融機関が保有するユーロ建ての準備金を裏付けにして、米国の規制範囲内で”発行されます」と回答した。

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※この文章は下記からの引用です。
Circle’s New Euro-backed Stablecoin Mimics USDC
Tiago Varzim (Blockworks)
https://bit.ly/3Om1K3P

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