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パパ、ってあだ名みたいなもんでさ。


また、月9『海のはじまり』に救われた気がした。
今日も作中の台詞をタイトルとして拝借して書き留める。



第8話は夏と実父の再会がメイン。

2人の掛け合いは見るに堪えなかった…

まさに毒親って感じだけど、片隅にしっかり愛情も残っているのが苦しい。
実際、夏は実父と再会した際に初めて自分の悲しみを露にした。「俺だって悲しい」って。



本音を打ち明けられる関係性というと、弥生さんと津野くんもそう。

津野くんが弥生さんに
「生きづらそうですねぇ」
って半笑いになってたけど、本当にそう。

みーんな生きづらそう。

夏くんも海ちゃんも弥生さんも、(大和も)。
みんなしっかり周りの空気を読んで、自分の気持ちを押し込めて、気を使うのが得意。

だから本音が言えなくてゆっくりゆっくり傾いていってしまうのだと思う。



特に海ちゃん。
海ちゃんはみんなの太陽的な存在に受け取られがちだけど、一番心配になる。

たった7歳なのに母を亡くして急に父親が現れて、おばあちゃんもおじいちゃんも大好きだけど夏くんも大好き。

母の同僚の津野くんは、夏くんと険悪ムード。

そして夏くんの彼女、弥生さん。
もし夏くんと弥生さん別れたら、海ちゃん一生自分のこと責めちゃうよ?

こんなに多くの支えがあるのに、その分色んな人達の関係性を考えて、丁寧に丁寧に選択していかないといけない。

私が海ちゃんだったら相当生きづらく育ってしまう……。




そこで海ちゃんを支えているのが、実は大和なんだと思う。

夏と夏の実父との掛け合いを怖がる海ちゃんに、

「『パパ』ってあだ名みたいなもんでさ。みんな違う人なんだよ。」

と大和が言った。


大和……(脚本、生方美久さん)ありがとう😭😭



親子なんて、あだ名みたいな後付けで、本当は脆くて儚いものなのだ。

もちろん、そんなあだ名をシンボルに絆を深める親子もいる。

でも、辛いならいつでも取り外せるあだ名だと思えると気が楽かもしれない。


ネットでは「弥生ちゃん擁護派」が過激化しプチ炎上?して制作チームに火花が飛んでいるようだけど、これはまさにチームの思惑通りだと思う。


(とてつもなく良い意味で)たかが月9ドラマでここまで視聴者一人一人が本気で考えて論争が勃発するなんて。


全員がキレイに納得するシンデレラストーリーではなく、登場人物全員に色んな戸惑いを含ませて「誰もがそれぞれの立場で共感し、考えさせるきっかけを与える」のが生方作品の優しさである。


この作品に出会えたことに感謝。

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