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単語帳を文豪の作品で埋めて100枚。

「文豪とアルケミスト」を始めてから1年経った時に、「せっかくだから文アル読書メモをつけよう」と思い立ち、印象に残った文章や言葉を100枚つづりの単語帳に書き留めてました。
100タイトル達成したので記念に載せてみます。
※作者ごとにまとまっていたりまとまっていなかったりします。
※散らかりそうだったので作者名は割愛。

1.「ただ、一さいは過ぎて行きます」人間失格
2.「さらば、読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬」津軽
3.「私は、王子さまのいないシンデレラ姫」女生徒
4.「ご無事で。もし、これが永遠の別れなら、永遠に、ご無事で」斜陽
5.「ああ、僕を忘れないで呉れ!」ダス・ゲマイネ
6.「織田くんを殺したのは、お前じゃないか」織田君の死
7.「一人よりも夫婦の方が良えいうことでっしゃろ」夫婦善哉 
8.「嫉妬も恨みも忘れてしがみついていた」競馬
9.「作家の中には無垢の子供と悪魔だけが棲んでおればいい」文学的饒舌
10.「嘘つきでない小説家なんて、私にとっては凡そ意味がない」可能性の文学

11.「私の放浪は生まれた途端にもう始まっていました……」アド・バルーン
12.「私は煙草を吸った」中毒
13.「金木犀の一枝を生けて置いた」秋の暈
14.「私の髪も長かったが、高等学校生活も長かったわけである」髪
15.「という夢みたいなとりとめのない物語を作ってみたのである」電報
16.「それは彼の戯作者根性ということだ」大阪の反逆
17.「生きる時間を、生きぬくよ」不良少年とキリスト
18.「美は、特に美を意識して成された所からは生まれてこない」日本文化私観
19.「人間は生き、人間は堕ちる」堕落論
20.「先ず地獄の門をくぐって、天国へよじ登らねばならない」続堕落論

21.「ただ、生きているだけだ。それだけのことだ」戯作者文学論
22.「孤独は、人のふるさとだ。恋愛は、人生の花であります」恋愛論
23.「へえ、そうかい。俺はお前だけ特別叱るかい」風と光と二十の私と
24.「然り、風となったのである」風博士
25.「死ぬ時はこうして、二人一緒だよ」白痴
26.「戦争なんて、オモチャじゃないか、と考えた」戦争と一人の女
27.「彼自らが孤独自体でありました」桜の森の満開の下
28.「サヨナラの挨拶をして、それから殺して下さるものよ」夜長姫と耳男
29.「汝、賞讃あるべし」不連続殺人事件
30.「犯人を捉えようではありませんか」明治開化安吾捕物帖

31.「私たちは、いま、天国に遊んでいます」アンゴウ
32.「親切にしてやつたのに裏切られたからもう親切はやらぬといふ。そんな親切は始めからやらぬことだ」エゴイズム小論
33.「やいヘゲモニー」酒のあとさき
34.「天才ですよ。たくさん書いて欲しいな」小説太宰治
35.「永久に見失ったわけである」太宰と安吾
36.「おなつかしきあなた様とももうお別れとなりました」花筐
37.「あんな眼の色ってないだろう」ペンギン記
38.「抱きとってみるというよりは殺したい……」光る道
39.「この地上で、私は買い出しほど好きな仕事はない」檀流クッキング
40.「私の青春はもはや堅い血管となり、その中を曼殊沙華と夕陽とがゆきすぎる」盲目の秋(山羊の歌より)

41.「春が来たつて何になろ あの子が返つて来るぢやない」また来ん春……(在りし日の歌より)
42.「疲れてゐるのに眠られぬ」三等車の中(スケッチ)
43.「地には七本血のやうに、血のやうに ちやうど、あの児の年の数」曼殊沙華(思ひ出より)
44.「色赤きびいどろを、匂鋭きあんじやべいいる」邪宗門
45.「都会の夜にねむれるものは ただ一疋の青い猫のかげだ」青猫(青猫)
46.「おわあ、こんばんは」猫(月に吠える)
47.「猫、猫、猫、猫、猫、猫、猫」猫町
48.「一体わたしは、わたしは、――」藪の中
49.「お父様! いんへるのへ参りましょう」おぎん
50.「口の中からは、一本の白い百合が、不思議にも水々しく咲き出ていた」じゅりあの・吉助

51.「何と云ふ惨たらしい景色でございましたらう」地獄変
52.「八月のおわり、私は美しいものを見た」満願
53.「富士には、月見草がよく似合う」富嶽八景
54.「私の手で殺してあげる。他人の手で殺させたくはない」駈込み訴え
55.「生きて行く為に、書いたのだ」東京八景
56.「死にたければいつでも死ねるからね。では、ためしにやって見給え」侏儒の言葉
57.「あの人は私のもの、私だけのものだ」天衣無縫
58.「どうにか、なる」葉
59.「私の横顔は、きっときらきら美しく見えるだろう」思い出
60.「おめえ、なにしに生きでるば」魚服記

61.「見せものは私たちなのだ」猿ヶ島
62.「ここを過ぎて悲しみの市」道化の華
63.「遠いところにいる誰かひとりがきっと知って居ります」猿面冠者
64.「私たちは芸術家だ。王侯といえども恐れない」ロマネスク
65.「どうせ男はこういうものだ」陰火
66.「ただ、生きて在れ!」めくら草紙
67.「抱きしめる その瞬間にいつも思ふ あの泥沼の底の白骨」猟奇歌
68.「そんなにもあなたはレモンを待つてゐた」智恵子抄
69.「卓子ごと二階の窓から往来へおっぽりだした」ヒウザン会とパンの会
70.「驢馬は驢馬の足を曳きずって、驢馬の鳴き声を鳴くより外はない」砕けた瓦

71.「切られる花を 病人見てゐる」尾崎放哉選句集
72.「こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂しとげて死なむと思ふ」一握の砂
73.「顔ほど正直な看板はない」顔
74.「人間よ、もう止せ、こんな事は」ぼろぼろな駝鳥
75.「芸術に於ける永遠とは感覚であって、時間ではない」永遠の感覚
76.「今夜、此れから何処へ行かう」珈琲店より
77.「会ひにゆくと、喜んでくれる」交友録より
78.「つまらぬ泣き虫野郎であった」井伏鱒二は悪人なるの説
79.「いやですよ。紫陽花などは」あじさい
80.「これが即ち文化の余裕といふものであり、」喫茶店にて

81.「中原君は僕のことを淫酒家と言つてるが、この言はむしろ中原君自身の方に適合する」中原中也君の印象
82.「私はもう歌なぞ歌わない」詩人は辛い
83.「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」桜の樹の下には
84.「啼きながら私は飛んでゐた。飛びながら私は啼いてゐた」鴉(測量船より)
85.「極楽ももう午に近くなったのでございましょう」蜘蛛の糸
86.「私は、きっと思い出します」葉桜と魔笛
87.「東京は、いいわね」火の鳥
88.「お前さんは真先に私の肥料になったんだねえ」刺青
89.「幻の国に住む、夢の中の女だと思って居てください」秘密
90.「どうしてあの時彼女の足下に跪いてしまわなかったか」痴人の愛

91.「どうぞ私を恋ひしい故郷へ帰して下さい」人魚の嘆き
92.「私は此のくらい明るい美しい人間の死体を見た事がありませんでした」金色の死
93.「神か悪魔の美しさだ」小僧の夢
94.「今度はお前が燭台の代りにおなり」少年
95.「刺す。そうも思った」川端康成へ
96.「鏡花と私が鍋を囲むと、私が皆喰べてしまい、鏡花は喰べる暇がない」文壇昔ばなし
97.「永いあいだ、いろいろと身近く親切にして下さいました。忘れません」雨の玉川心中

番外
98.「オレの女房だといえば生きて行けるよ」クラクラ日記
99.「どんな絶望の淵からでも、物語は逆転する」可能性の怪物
100.「この世は地獄よりも地獄的だ。だが、地獄でしか聞こえない文章がある」顔のない天才

わたしは本という媒体が好きですけれど、本当に読むのはへたくそなんです……時間もかかるし……でも楽しかった!
単語帳埋めるのに1年ちょっとかかりました。
やっぱり文豪と呼ばれた人たちのワードセンスって当たり前だけどわたしなんぞと比べ物にならなくて、洗練されていて、抜き出した部分をぱらぱら眺めているだけでも「いいものを少しずつ食べられるビュッフェ」みたいな気分になります。
たったひとくちだってキルフェボンのタルトは美味しいのと一緒。
キルフェボンを食べたことに変わりはないので……。
本読むの苦手だけど、読みたい気持ちはあるひとのきっかけにでもなれば嬉しいな。

無害

ここに挙げたタイトル、大体は青空文庫さんで読むことができます。

割愛した作者名一覧、置いておきます。


とっても嬉しい!コーヒー飲ませていただきます☕