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「本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む」を読んだら浄化されすぎてしまいました。

みくのしんさんのあまりの邪気のなさ、エアドッグの空気清浄機くらい魂の浄化作用がありすぎて……。
わたしから毒素を取ったらほとんど何も残らないのに、ああ…………。
きれいなものを見て、心なしか視力も良くなった気がします。
(眼鏡を外す)
なにも見えない……気のせいでした。
冗談はさておき。

ウェブ記事になった当時も、「走れメロス」に感動するみくのしんさんに感動して、わたしも思わず涙しました。
で、今回書籍化し、「これすごいバズっていたなあ」とそんなに遠くない過去を懐かしみながら読みましたが、やっぱり、泣いちゃいました。
今回は特に「杜子春」の「お母さん…!!」のところ、号泣。
どなたさまもここはティッシュかハンカチをご用意した方が良いかと思います。
これ、ひとりで読んでいたら絶対泣けないんですよ。
「ふーん、こういう訓話的な話なんだ~」で終わりです。
みくのしんさんの熱量、その純粋な感情の発露、その場にいるかまどさんどころか読者も巻き込みがち。みくのしんトルネード。
臨場感がすごいです。
登場人物や情景を描く一文一文に感情を大きく動かしながら、一生懸命に、全身全霊で楽しみながら読むひと、いるんだ。
あんまりピュアなので、途中から保護したくなってしまいました。

彼を見ていると、いくら本の読み方は自由と言ったって、わたしはなんていやな読み方をしていたのだろうと思ってしまいます。
さらーっとうわべの文字だけさらって読んだ気になっていたに過ぎないのかも……。
読んだ冊数だけを数えて、読んだ気になっていたに過ぎないのかも……。
わたしは、作中の綺麗だな美しいなあという言葉には目を留めますが、こんなに一文一文を丁寧に、情景を思い描き、登場人物に寄り添って読んだことなんてありません。
あとがきのかまどさんの言うことに頷きすぎて首もげるかと思いました。
なんて感受性が豊かなんだろう、みくのしんさん。

この本、全編に渡り遺憾なく彼の純粋さが発揮されているのですが、わたしが特に驚いたのはこちら。
有島武郎「一房の葡萄」の章での一幕。

み「『その人のことを想えば、ちょっとだけ頑張れる』って存在は本当にありがたいからさ」
か「そんな存在って、大人になったら周りにいないもんな」
み「俺はいるけどね。かまどとか
か「それを言われて、俺はどんな顔をすればいいんだ」

わたしもどんな顔をしたらいいですか???
ちょっとあまりに眩しすぎます。朝日みたいな真っ白な光。
あるいは、冬の低い太陽に輝く未到の雪原の綺麗さ。
頑是ないこどもがそのまま大きくなったみたいです。
いや、こどもですら少し照れるはず。
こんなこと照れずに言える人いるんだ?32歳にもなって??
みくのしんさん、そのうち世界とか救いそう。
事実、さらっと雨穴さんのことも救っているし、それに自覚的でないのも圧倒的光属性。
清らかすぎる。あまりに清廉な輝き。
一家に一みくのしんほしい。
あの誰も傷つけない語彙力で、褒められたり励まされたりしたいです。
たまに「それは良くないよ!」って叱ってほしい。
みくのしんさんの言葉、こどもみたいな無邪気さがありながら、思慮深さもあり、彼の発する言葉って温かくて優しい。
もう……どうやったらこんな子に育つの……とその優しさ眩しさに、薄汚れたおとなのわたしが干からびそうになっていたら、

「こんなところまで読んでくれてるの!?すご!本読むの上手っ!」

奥付でも褒めてくれてもうだめです……。
今の日本に、こんなに褒めてくれるのはもうコウペンちゃんかみくのしんさんしかいないのかも。
読むデトックス。
わたしには清い光すぎました……ありがと……(さらさらと砂になる無害)

無害

追記
思わず通販でみくのしんさんのエッセイ(?)を買ってしまいました。
彼の感性が気になってしまって、つい……。

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