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4月は孤独だったのかもしれない。

本を読まないということは、そのひとが孤独でないという証拠である
太宰治 如是我聞

だ、そうです。

それでいくと、4月のわたしは3月より孤独だったのかもしれないです。
わたしは読書が好きですが、まあ遅読です。
読みたい気持ちはあるんです本当なんです。
ものにも寄りますけど、本の中に書かれている文章や台詞から、己の中の似通った経験や考えなんかが呼び起こされてしまい、それについてうだうだ脳内で考え出すからです。
あの時言いたかったことや、今言いたいことが脳内で大風呂敷広げちゃって、そっちに集中しちゃう……という感覚がひとさまに通じるのかわかりませんけれども、そういう呪いにかかってます。
あと、シンプルに集中力がない。
だから1ヶ月に1冊とか、1冊も読まない時もあるし、読んでも2冊。
そんなわたしが今月6冊。
孤独だったのかな??
珍しいので、読んだものを挙げてみます。
そういう記録回。
なんかシュミ合うかも!な方がいたら少し嬉しい。

紅雀/吉屋信子
河出文庫の吉屋信子3ヶ月連続リリースの時に買いました。表紙は「百貨店ワルツ」「マガジンロンド」などでお馴染みマツオヒロミさんです!
収集癖の一環で買ったのでずっと積読に。
え、映像化しな…!?早く…!!
連載当時リアルタイムでこれ読んでたらたまらなかったろうな…つ、続きは!?って毎回なっていたと思う。
わたしはまゆみと珠彦の壊れた時計のシーンにときめきました。
あの雰囲気、たまらなくないですか。
朝ドラがあるなら夜ドラがあってもいいじゃない。
平日23時から毎日やってほしいです。
描写が綺麗で好きです、吉屋信子……。
宝石みたい。言葉が。

返らぬ日/吉屋信子
「紅雀」と同じ理由で買いました。
エス、じゃない。本当に百合がそこにありました。ガッツリ百合。
今よりも同性愛に偏見とか軽蔑がありそうな時代に、よく出せたな…?と思いました。
しかも、女の人が書いたものが。
表題作、彌生さんの選択に、うっかりバカデカ声でツッコミをいれてしまうなど品のないことをしてしまいました。
紅雀もなのですが、時代が100年以上も違うのに、こんなにするする読めるのはすごいことよなあと思います。
言葉とか、言い回しとかを越えた乙女(年齢性別問わず)的な人間には通じるものがあるのかも。

可能性の怪物/河端ジュン一
文豪とアルケミストノベライズ!
表題作を羽田空港で初めて読んだ時の衝撃たるや。
本という媒体を活かしまくった表題作。
体感としてはリアル脱出ゲームとかに近いです。
よくそんなことやろうと思ったなあ……と感心しました。あの、本当に目が合います、織田と。
この方、そのお話の主人公の文豪の文体を真似ることが出来る、というほぼ特殊能力持ちです。何を言っているかわからないと思いますが、そうなんですよ。
頭から読むもよし、気になる話から読むもよし、同じ人が書いたと思えない文体の違いを楽しめます。
文豪を憑依させる男、河端ジュン一。
中原中也さんが好きなので、「おやすみ、カムパネルラ」で宮沢賢治強火やっている中也さんが見られて大変よかった。好き……♡

かわいいピンクの竜になる/川野芽生
ン……!?
たぶん、半分も理解できてない。
自分の容姿が優れていることを自覚していることと、その容姿を褒められても嬉しくないし、興味がないという気持ちが両立する、というの本当にわからない。
美女(美少女)の気持ちは、わたしのような凡人にはわからないということか。
声も魅力的らしいですし、さらに賢い(東大卒)と来たもんだ。
さ、最強……?
賢い人の考えることってほんとうに難しい。
頭の良い人による頭の良い人向けの本だったかな………おのれの頭の悪さ再確認しました。
頭が良いというか感覚が違いすぎるのかも?
生きててすみませんでした……。
勝手に敗北しました。
こういう孤高の存在にしぬほど憧れると同時に、しぬほどいけ好かないな……という嫌悪の気持ちもあるという情緒ぐちゃぐちゃ読後感。
これはわたしの自信のなさから来ている特殊な感想と思うので、ちゃんと読める人は読めるのだと思います。
エルフのオタクやっているところ以外にマジでわたしと同じ「人類」と思える部分がほぼない。
けれどもまあ、竜なら、何考えているのかわからなくても仕方がありませんからね……。
表紙がはちゃめちゃ可愛いです。

異邦人/カミュ
エッ……??????
なに……??????
む、むずかしいかも……。
なんにもわかんないすぎて…だから「異邦人」なのかな?とおもいました。
わたしにはまだ早かったかも…生きている間になにかを読み取れるとは思えない。
わたし、人間始まってまだ7年目くらいなので……。理解が……????
人って、「イケナイ太陽〜♪(ナ〜ナ〜ナ〜ナナナ〜ナナ〜♪)」とか「夏の太陽が〜〜させたことだよ〜〜!!!!」とか「太陽」のせいにしがちなの何故なのかしら。
月のせいにしている作品あんま知らんかも。
………エッ。これってまともな人はどういう感想抱くの?少なくともこんなアホなことは思わないはず。
「だれもきみのほんとをしらないし/ほんとのわたしをだれもしらないわ」(星野源•The Shower)
「我という 人の心はただひとり われより外に知る人はなし」(谷崎潤一郎)
が頭をよぎってはいきました。
人ってわたしたちのこと、都合の良いように解釈しますよね。
ただ、これを喫茶店で読んでて、「ミルクコーヒー」のくだりで、奇跡的なタイミングでミルクコーヒー運ばれてきたのはすごい偶然。
「私はミルク•コーヒーが大好きだから」


新樹の言葉/太宰治
「かわいいピンクの竜になる」、「異邦人」とわたしには難しかった2冊を経てからの太宰治。
圧倒的安心感。
ありがとうございます。
この世に太宰治があってよかった。
散々おのれの理解力の低さをお出ししてきた手前、弁解だけさせていただきたいのですが、別に太宰さんの作品がわたしでもわかるとか思ってはいないです……弱い優しさに安心してるだけっていうか。
少しひんやりした、優しい大きな手で、皮膚の薄いところをそっと撫でられるような心地よさがあり、好きです。
ひとりじゃないよ、というより、君もひとりなんだねって寄り添われているよう。
理解できるとかできないとかの次元でないところで、なにかほっとしてしまうんです。
太宰治ってすごい。ありがとう。生きてたら一緒に心中してたと思います。その時はよろしく。
「東京は、いいわね」、「僕には、花一輪をさえ、ほどよく愛することができません」など、いつかどこかで聞いたことのある台詞を見かけることが出来ました。

そういえば、あんなに楽しみにしていた、嶽本野ばらちゃん様「ロリータ•ファッション」も予約までして購入したんですよ。
読むぞ!と意気込んでいたのに……装丁が可愛すぎてまだフィルム開けられてなくて……ブログ見て「凝った装丁なんだ、素敵〜♡」なんて思っていましたけど、実際見たら本当に凝っていて、とても可愛くってェ…!!
開けられない……!!くぅ…ッ!!
保存用にもう一冊買うしかないか!?と葛藤しています。

積読まだまだあります。
今月も読めたらいいな……。

無害

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