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授業「科学技術と事業創造」のメンバーが約150名の前でビジネスプランを発表!

武蔵野EMCには、アントレプレナーシップマインドを醸成するために役立つ様々なカリキュラムが準備されています。

EMCのカリキュラムの3つの柱「マインド・スキル・実践」

今回は、そんなカリキュラムの中からスキル系の科目群のひとつである「科学技術と事業創造」についてお届けします。

■科学技術と事業創造とは?

『科学技術と事業創造』では、最先端の科学技術やテクノロジーベンチャーの技術について学びながら、自身の興味と組み合わせ課題解決に向けた事業の提案を行うことを目的としています。授業を通じて、学生は創造的な発想や問題解決能力を養いながら、科学技術をより身近に自分事として捉え、自身の考えるビジネスとの融合に向け実践的なスキルを身につけていきます。
(武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授 / 株式会社リバネス 代表取締役社長CKO・井上 浄

第1回目の授業では複数のスタートアップ経営者をお招きし、彼らのテクノロジーと想いをインプットした後、学生が主体的に彼らとの新たな取り組みを考え提案するといった取り組みを行いました。

そして5月27日(土)、授業を代表して3名の学生が、「Musashino Valley」にてスタートアップへの提案内容を発表しました!

学生たちのピッチを楽しみに待つ井上 浄さんと、伊藤 羊一さん

「Musashino Valley」とは、6月1日から三鷹にオープンしたスタートアップスタジオで、代表はEMCと同じく伊藤羊一さんです。

この日、「Musashino Valley」ではオープニング記念イベントが開催されており、会場にいる聴衆はなんと約150名! 学生たちはどんな発表をしたのでしょうか?

■サンゴの北限を北上させて町おこし!? 佐藤菜緒子さんの発表

数字だけが並んだスライドから始まったEMC3年生  佐藤菜緒子さんの発表。実はこの数字、限界集落の数なのだそうです(2015年時点)。たった5年間で、174集落が消滅しているのだそうです。佐藤さんは、この限界集落の課題を解決しなければならないと、以前から考えていました。そんな中でも佐藤さんが注目しているのが、新潟県の沖合にある島、粟島浦村です。

人口約300人、超高齢化社会で、若者の流出が続くこの島に、なんとか新たな価値を生み出して、人が賑わう島にできないかと考えた佐藤さんは、「科学技術と事業創造」の中でサンゴの育成に取り組むスタートアップ・イノカに存在を知り、ひらめきます。「サンゴの北限を粟島まで北上させられたら、観光客の増加、雇用の創出、経済の活性化に繋がって、島が限界集落の危機から脱するきっかけになるのではないか?」と。さらに、新潟県は地震が多く、津波の心配もあります。そのため、自然の防波堤となってくれるサンゴを移植していきたいと考えたそうです。

更に粟島では「しおかぜ留学」といって、粟島浦小中学校に入学・転校を希望する児童・生徒を受け入れる制度があります。
サンゴの北限計画としおかぜ留学を組み合わせた「限界に挑戦!!粟島サンゴ北限計画」で粟島浦村を元気にするというのが、佐藤さんのアイディアです。

さらに、佐藤さんは、プレゼンの時点ですでに漁協組合や観光協会の方とのアポイントを取り付けていて、近日粟島浦村を訪問するとのこと。聴衆は拍手喝采!

佐藤菜緒子さんの発表

■伝統工芸を守るために材木業界を変えたい! 荒井 健さんの発表

伝統工芸が大好きなEMC2年生の荒井 健さん。そんな荒井さんは、好きな作家さんや材木屋さんが「木材が高く、伝統工芸品が一般生活者にとって手の出ないものになってしまっている」と嘆くのを聞いたそうです。
新型コロナウイルス感染症や戦争などがきっかけとなり、世界規模のウッドショックも発生する中、荒井さんは木工芸のサプライチェーンや、材木業界そのものを変えたい! と考えるようになりました。

日本は国土の2/3が山林で、資源は豊富にあります。一方で林業従事者が足りません。しかも、クローズドな市場なため、「言い値」で取引がされてしまう場合もあるとのこと。

そこで、荒井さんは需要と供給がマッチして、流通に無駄もない最適化された生産管理をすることで、この課題を解決できないかと考えました。

そんな荒井さんが「科学技術と事業創造」で出会ったのが、教育用のシミュレーションゲームを開発しているスタートアップのScienceGroove
この会社と一緒に、生物学に基づいた数理プログラムを用いた森林のシミュレーションを作って、生産管理ができないかという提案を発表しました!

荒井さんの発表

■微生物で赤ちゃんの免疫力を高める!? 新津 顕人さんの発表

幼少期にフィリピンの大自然の中で育ったという新津さんは、健康そのもの! これは、自然の中で暮らすうちに様々な微生物に触れ、免疫を備え付けていったからではないかといいます。実際に「都会に比べて田舎に住んでいる人の方が免疫力が高い」というコロラド大学の調査データもあるそうです。
そんな新津さんは、生活空間の「微生物多様性」を高めることで、健康で持続性のある暮らしの実現を目指すスタートアップ・BIOTAと出会います。

BIOTAの事業を知って、都会に住む赤ちゃんでも免疫力を付けることができる安心・安全な微生物入の離乳食を開発できないかと思った新津さん。

他にも、逆転の発想で、微生物付きのウェットティッシュを検討しました。除菌シートで一切合切を除菌するのではなく、必要な微生物が付着したウエットティッシュで、菌の均衡を保つという試みです。
今後、BIOTAさんから微生物についてもっと教えてもらい、子どもの健康にまつわるビジネスを作りたいと意気込みます。

新津さんの発表

こうして、発表を終えた「科学技術と事業創造」の3名。聴衆からは、「魅力的な発表内容だった!」「プレゼンがうまい!」「知り合いの会社も紹介したい!」などの声が上がりました。

想いやプランは、自分の胸や頭の中だけで秘めていても伝わりません。たくさん伝えて、知ってもらい、共感してもらい、繋がり合って、どんどん形になっていくものです。

3名に限らず、これからもEMC生たちはたくさんのピッチに挑んでいくでしょう。そんなEMC生をもし見かけたら、ぜひ温かい拍手で迎えてください!


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