2021.11 良かった新譜

8枚、A→Z順、日付はリリース日です!

200 Stab Wounds - Slave to the Scalpel
(Album, 2021.11.12)

オハイオ州出身デスメタル。ハードコアのシーンで高く評価されているバンドだそうだが、聴けば納得で、楽曲展開はひたすらモッシャブル&ダンサブル。OSDM的なリフはいなたさを放ちながらもどれもキャッチーでフックがあり、27分という尺も込みでダレることなくかなりタイトに締まったアルバムです。自分OSDM全然わからなかったんですけどこれ経由したことで良さわかって、昨年話題だったNecrotもなるほど!!!!となったので、ハードコアリスナーのデスメタル入門にも最適かもしれません。


Age Factory - Pure Blue
(Album, 2021.11.24)

"バンドであることの意味を見つめ直した"という本作は、JUBEEをゲストに迎えニューメタルもといミクスチャーロックに踏み込んだ「AXL」こそあれど、ほとんどの曲で削ぎ落とされたバンドサウンドを軸に、良質なメロディーを聴かせるまさにPure Blueというタイトルに相応しい内容。ジャンル横断的なイベント開催やコレクティブ的な動きをしながら、サウンドはバンドであることにこだわる...新しいバンドのあり方を示しながらも、ロックバンドってカッコいい!ってことをピュアに証明し続けていて、本当に光そのもののような存在ですね。


The Horrors - Against The Blade
(EP, 2021.11.05)

昨年までの作品とは一線を画す、攻撃的なインダストリアル。初期にもヘヴィな楽曲はあったようだが、これは明らかにノスタルジックな原点回帰とは違うでしょう(にしては目が血走りすぎてるよ)。"カマしてやろう"という意思がありありと感じられて良い。アートワーク・MVの不気味な感じも◎。ゴス・インダストリアルなフルアルバム早く聴きたいね。


Portrayal of Guilt - CHRISTFUCKER
(Album, 2021.11.05)

今年2枚目(多作!)となるフルアルバム。タイトルからして邪悪だが、内容の陰鬱さはそれ以上にすごい。ブラッケンド・エモバイオレンスにスラッジのエッセンスを加えたサウンドはかなり重苦しく、ボーカルの悲痛な絶叫も相まって異様なまでの絶望感を醸し出し、そしてその不穏・不安は一切解決することなく終わってしまう。一向にカタルシスを迎えない不気味さ。でもそれこそがリアルなのかもしれない。現実の苦しみは必ずしもその先にある解放のために存在しているわけではない...。


SeeYouSpaceCowboy... - The Romance of Affliction
(Album, 2021.11.05)

みなさんがこういうサウンドのバンドを形容するときに使う「あの頃」というフレーズって、具体的にどの辺りを指しているんでしょうか?(Myspaceをギリギリリアルタイムに通れず育ってしまったので勉強したく...)
個人的には瞬間的にAlesanaを彷彿とさせる場面があってそこに反応したけど、恐らく2000年前後から現在に至るまでのどの時代の「スクリーモ」にも重なる部分があって、それがリスナーによって異なるツボを刺激することが、SYSCの支持に繋がってるんだと思います。誰もがこぞって「あの頃」と言いたがるけど、実は人によって対象が異なるのかもっていう。あと、これだけ振り切ってリバイバルをやりながら、プロダクションはしっかり質の高いものになっているのもポイントですよね。やりたいことに忠実に、でもわざとらしいことはしない。何度も言いますがやはり、2021年は「開き直り」の1年ですね。


Sega Bodega - Romeo
(Album, 2021.11.12)

冷たいけど暖かい、現実離れしてるけど生々しい、無感情だけど優しい、みたいな歪つな美しさが通奏低音のように付き纏い続ける(≒守護天使の存在?)。Charlotte GainsbourgとArcaというコラボレーション相手のセレクトは、そんなアルバム全体の空気感を象徴していると言えるかも。最近気に入ってかなり繰り返し聴いています!


Silk Sonic - An Evening With Silk Sonic
(Album, 2021.11.12)

実は今年は70年代〜80年代のファンク・ソウルにハマってた時期があり(Tower Of Power、 Graham Central Station、Ohio Players、Slaveなど)、新譜でこういうアルバムが聴けて嬉しかったです。ゴージャスでギラつきながらも9曲31分でグズグズせずスパッと終わるのカッコいい。


Trade Wind - The Day We Got What We Deserved
(Album, 2021.05.21)

Stick To Your Guns、Stray From The Path、StructuresやENDのメンバーによるバンド。ただ、音楽性はそれぞれのバンドとはかなりかけ離れている。ハードコア〜メタルコアのミュージシャンのサイドプロジェクトでここまでやれるんだ !と感動するレベルの良質で静謐なアートロック。音像はアブストラクトなんだけどメロディーはかなり立っていてキャッチーで、サウンドは違えどRadioheadのKID Aを彷彿とさせるような美しいアルバムです。




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