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拝啓15の私へ

なんか周りと違うかもって今までの自惚れから覚めてきた頃合だと思いますが、いかがお過ごしですか。私は22歳、大学院生になりました。まだ学芸大に行きたいとだけ思っていると思いますが、あれだけ教員になりたいと思った私も教員には絶対にならないと決めて生きています。でもまだそれに気づかなくていいので、なんか違うを大事に抱えて、思うがままに生きていってください。

そろそろ仮入部のバレー部がしんどくて胃薬が手放せなくなる頃でしょうか。中3後半のぬくぬくしたメンバーに加えて高1から何人か新しく部活に入ってきますね。今のあなたの性格とは真逆の、所謂陽キャと呼ばれるような子たちがたくさんですね。自分だけが出来ない空間が、ミスした時の周りの目が、同期の優しさが苦しい瞬間が、数少ない成功を喜びを全部潰しているでしょうね。帰り道に言われた「中学の頃の私の方が苦しかったのに苦しくてもここまでやってきたのにお前が逃げるのは意味がわからない、逃げるなよ」と言われて泣きながら帰る日も、そろそろくると思います。冬に退部するまでの数ヶ月ずっと苦しいと思うけど、バレー部に誘ってくれた友達とたくさん話して、泣いて、結局逃げてしまった自分に苦しくなると思うけど、そのままで大丈夫です。強いて言うならそんなに思い詰めなくていいよってだけです。お前の苦しさ、あの先輩は気付いてくれてるよ。その優しさに素直に向き合ったら、もしかしたら部活を続ける選択肢もこれから出てくるのかも。頑固で天邪鬼な私だったから気付いてくれたと気づいた時に逃げてしまったけど、1回くらい先輩に全部言ってみなね。冬に逃げることを未だに肯定できずにいるけど、そのままの環境に身を置ける自信もなかったから、別に逃げてもいいよ。逃げてもそのあとサッカー部のみんなが優しく受け入れてくれるし、何より今まで生きてるし、そこにいなくても大事な人は絶対に現れてくるよ。大丈夫だよ。

クソ真面目だった15のあなたはピアスなんて開けるもんじゃないしスカート絶対に折らないしブレザーだって全部ボタンを閉めて着ていると思うけど、今となってはピアスをたくさん開けて、煙草も吸って、スカートだって今だったら巻きたいと思ってしまっています。真面目なあなたを裏切ってごめんね。不真面目に、でも変なところだけ真面目に生きてしまっています。多分、あなたの真面目さが生きる上で自分の首を絞めていること、まだ気付いてないと思います。真面目でなければならない、多分本格的に姉が嫌いになり始める時期だと思うから尚更、絶対にあいつみたいになりたくないと、と親に心配かけないぞと全身ガチガチに力が入っていると思います。抱きしめてあげたいよ。そんなに力入れなくてもいいよ、姉のことなんて7年後も嫌いなんだからもう諦めてもいいよ、大丈夫大丈夫大丈夫、よく頑張ってるね。異性に対する接し方も、かなり真面目です。でもそれはずっと貫いて自分のこと守ってね。知ることはいずれ時がくれば大切な相手が教えてくれるはずなんだから、嫌だと思ったらちゃんと拒否して、その真面目さだけは死守してください。お願いします。意味がわからなくてもいいから、いつかわかる日が来るから、絶対にそのままでいて下さい。

あなたの今の時点で言えるのはこれくらいです。16のあなたに、17のあなたに、18のあなたに言いたいことはまだまだ尽きないけど、15のあなたは苦しい人生に足を踏み入れてるけど、そのままでいいよ。いつか絶対にその苦しさを優しく抱きしめられるようになるから、どうかその苦しさをずっと覚えていてください。守ってあげられなくてごめんね。ずっと心の中に蹲るあなたを抱き締められなくてごめんね。

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