作業ログのススメ
はじめに
ゲーム開発で主にプランナーの仕事をしています。
30年くらいフリーランスで仕事をしています。
仕事の仕方というか進め方もかなりこなれてきました。
自分の仕事の仕方が誰かの役に立てばと思い、公開する事にしました。
今回は、「作業ログ」についてです。
なんだソレ?という方、いやコレ、地味ですがかなり役に立つツールなんです。
何の役に立つの?
色々あるのですが、ざっと羅列しますと。
・定型化されていない作業を定型化するのに役立つ
一度、行った作業の作業手順の記録が残りますから、似たような作業をする時、とても参考になります。すると、車輪の再発明をだいぶ防ぐ事ができます。
・ミスをした時、その原因を特定しやすい
作業手順の記録を見て、どこでミスが発生したか、何が原因なのか、など調べやすくなります。
・作業を定型化しやすくなるので、効率がアップ
行う作業を定型化、つまり、決まった手順、ルールで行うようになり、それを最適化しやすくなります。その結果、作業効率がアップします。
その他いろいろありますが、それは後ほど。
作業ログってどんなの?
これは、現在作っているゲームの作業ログの実例です。
作っているのは2Dのドット絵のパズルゲームです。
モーションと書いていますが、要はアニメーションの事です。
■■【2021/03/19】■■
■作業
◇モーション作成
・plant_disappearの作成。
plant_disappear_LD
plant_disappear_LD2
plant_disappear_LU
plant_disappear_LU2
plant_disappear_RD
plant_disappear_RD2
plant_disappear_RU
plant_disappear_RU2
・block_brokenMud.aseprite サイズの幅を22から20に修正。
・block_brokenMudDisappear.aseprite
■■【2021/03/20】■■
■作業
◇モーション作成
block_brokenMudDisappear.aseprite
・火のブロックの消滅エフェクト
block_fireDisappear.aseprite
・水のブロックの消滅エフェクト
block_waterDisappear.aseprite
その日、どんな事をしたかなどを書いています。
作業ログの記載方法
・テキストエディタで書いています。
Wordでも構いません。(Wordの場合は項目の機能を使うと良いと思います)
ただ、作業中、常時起動しておくので、なるべく軽くてメモリを食わないものを使いたいので、テキストエディタを使っています。(miエディタを使っています)
・日付
日付を■■【2021/03/19】■■というような形式で書いてます。
日付を入れるのは、いつの記載かをはっきりさせるためです。
形式は見やすければお好きなものを。
・大項目
■の後に、大項目を書きます。
上の例では、「作業」ですが「会議」とか、色々入ります。
・中項目
◇の後に、中項目を書きます。
上の例では、「モーション作成」となっています。
・小項目
・の後に、小項目を書きます。ここが実際の記録内容ですね。
複数行になる事もあります。
項目は、大中小の3種類です。
今まで使ってきましたが、3種類あれば事足りています。
日報と違うの?
日報は他の人に見せるためのものですが、この作業ログは、自分で見返すためのものです。
受注した仕事で、そういうものを求められる場合もありますので、作業ログを要約して日報や週報を作った事もあります。
作業ログのファイル
作業ログのファイルはテキストファイルで、原則はプロジェクト毎に分けています。プロジェクト名.txt という形式です。
ただ、まだプロジェクト化してないような場合、ideaLog.txtみたいなファイルで書くこともあります。
テキストファイルにしている理由ですが、開けるアプリが多数ある事、多分このファイル形式は無くならない、というのが理由です。以前作業ログでは無いですが、Treeという便利なアプリを使っていたのですが、更新されなくなり、macから消えてしまいました。独自ファイルだったので、書いた内容を別のアプリで使える形式に変更するのに手間取りました。そんな訳で、ファイル形式が将来も保証されるのは、とても大切な事だと思います。
作業ログに書く、その日の作業以外の事1 大事なメモ
実は作業ログには、他に書いておくと有効な事があります。
その一つは、作業を行う時に守らなければならないルールです。
メールやチャットで、作業のルールが五月雨的に来る事って良くあります。
初めはメールやチャットの内容を読み返していれば良いのですが、だんだん埋もれて行ったり、相当スクロールさせないと出て来なくなったりします。
そうすると、「あれってどうするでしたっけ?」と聞いたり、ルールを忘れてミスをしたりしがちになります。
これは結構カッコ悪いです。
そうならないように、そういうルールが出てきたら、作業ログの一番下に、コピペしたり、要約を書いたりしてまとめておきます。
もちろん、何のルールか、というのを大項目に書きます。
こうすれば、メールの中からルールを探したり、チャットのログを見返したりする時間的なロスを避ける事ができます。
ログファイルに書いているのは、情報を集約したいからですが、ルールがかなり多いようでしたら、ルールだけ別ファイルに分けるの手ですね。
作業ログに書く、その日の作業以外の事2 作業の予定
作業を始める前に、作業ログにその作業に関連した一連の作業を箇条書きで書き出します。
するとそれは、超短期的な作業予定になります。
やることが事前にリスト化されているので、何をやるのかが可視化されます。
行った作業は、日付の後に移動させます。これが今日の作業済みのリストになります。
残り作業とやった事が見えますから、これだけやった、これだけ残ってる、という事が意識されやすくなります。
人は結構やった事を忘れます。でもやらなくてはならない事は意識に残っています。だから、うまく進まない時、徒労感に苛まれます。
そんな時、やった事のリストを見ると、これだけやった、という事が意識に上り、徒労感を脇にどける助けになります。
少し話が脇にそれました。
さて、作業のリストがその日に全部終わらなかったとしましょう。
あるいは、作業のリストを見たら、どう見ても数日かかると予想できたとしましょう。
そうしたら、その作業のリストの途中に作業を行う日付を入れて行きます。
そうすると、それは作業の予定になります。
この日はこれくらい終わらせられるかな?
この作業は翌日にずらした方が良いかな?
など、検討しながら、日付を入れて、作業を上にやったり、下にやったりして調整します。
こうして出来上がったものは、作業の予定、超短期的な作業スケジュールになります。
やる事がいつやるかが決まると、それまではその事は考えなくて良いので、精神的な負担が減ります。
もし、翌日の分まで進められたら、その日は相当良い気分です。
もし、予定まで進まなかったら、その原因を考えます。計画に無理があったのか、何か手順に無駄がなかったか、などです。それを見返す時、作業ログが役に立ちます。
おわりに
今回は作業ログについて書きました。
作業ログのノウハウも、まだ色々あります。
こんな感じで私のお仕事の進め方のノウハウを書いていこうと思っています。
不定期シリーズです。
作業に詰まったり、気が向いたら書き進めますので、のんびりお付き合い頂ければ幸いです。
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