【私の働き方実験】【Lenovo指定企画】スマートグラスで「働く」のウェルビーイングは高まるのか?#4 #最終報告
過去分
【私の働き方実験】【Lenovo指定企画】スマートグラスで「働く」のウェルビーイングは高まるのか?#1
【私の働き方実験】【Lenovo指定企画】スマートグラスで「働く」のウェルビーイングは高まるのか?#2
【私の働き方実験】【Lenovo指定企画】スマートグラスで「働く」のウェルビーイングは高まるのか?#3 #中間報告
これは2023年6月から始まったランサーズの「新しい働き方LAB」の研究員制度「私の働き方実験 第三期研究員」の研究員の指定企画「スマートグラスで「働く」のウェルビーイングは高まるのか?」(Lenovo - スマートグラス)の計画書です。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。https://hosting.lancers.jp/lp/lab_researcher/
本研究の背景と目的
スマートグラスに未来感を感じてずっとあこがれていました。
10年前の2013年にGoogleのAR型スマートグラス「Google Glass」が発表されてからずっと使ってみたかったし、その後EpsonのMOVERIOも買おうと思ったことがあったけれど、当時発売していたものは解像度がHDしかなく、付属のAndroid端末との接続も必須で、あまり使えないと思って断念していました。
2022年にLenovoが満を持して発表したLenovo Glass T1はよい意味でただのディスプレイなので様々な機器と接続ができ、スマホと接続して自分の自宅のデスクトップPCにリモート接続すればPCでできることはほとんど何でもできるはず。
昔からの今の働き方・暮らし方の中でこれをどう使えばこれまでできなかったことが実現できるかを考えて色々な実験をし、より便利な/楽しい世の中にできればうれしいと思ってこの研究に申し込みました。
検証したいこと
まず、スマホや、ノートPC、デスクトップPC+モニターを使うシーンのうち、ディスプレイをスマートグラスに置き換えるまたは拡張することでどんな変化が生まれるかをアイデアレベルで検討します。
活動の概要および進め方
8月のアイデアソン+チーム分けを経てだいすけさんチーム(仮)で一緒にやることになりました。
活動のポイントは「スマートグラスを通して自分の姿を外から見る」ことで、だいすけさんは「無形文化財」に応用して効果を検証することです。そこからさらに対象を拡大していっています。だいすけさんの最終報告はこちら。
「文化財のDX化」に挑戦したらいろんな人が巻き込まれて新たなビジネスが始まりそうになった話#私の働き方実験#最終報告書|Daisuke_san_sg (note.com)
この実験では、第2回の報告で記載した、無線化キットが活躍しています。
その後、私はだいすけさんに技術協力しつつ、独自の路線で実験を継続しました。なかなか対面で会うこともできず、チームと言いつつ、ほとんどソロ活動でした。
研究結果
スマートグラスの特徴と優位性まとめ
スマートグラスLenovo T1の特徴と、外部ディスプレイ等、スマホ、VRヘッドセット、ARヘッドセットとの優位性比較してまとめてみました。
スマートグラスの用途まとめ(優位性のある順)
スマートグラスの用途について、上記の優位性と掛け合わせて、ほかのデバイスよりも優位な点を多く持つ用途を考えてみたところ下記の順に優位性を持つと期待できました。
自分の正面以外からの姿をリアルタイムで見る
着ぐるみで使う
グラスを通して見える風景をなぞって絵にする
出張用モニタ(サーバーの外部モニタとしての利用など)
屋外での趣味をやりながら仕事する
棒の先につけたスマホの映像を見ながら撮影
運動しながら仕事する
料理。料理動画を見ながら作る
暗いところで仕事
姿勢がよくなる使い方
秘匿性の高い情報を公共の場で閲覧する
マッサージチェアで仕事する
読書
最終報告では、1、6、7、11、12についてデバイスを駆使して実験した結果を報告します。なお、3は試そうとしましたが、グラスに映る画面の焦点距離が2m程度であり、風景をなぞることができませんでした。
実験は基本的にモバイル利用を前提にして、下記のようなバッテリー+Anycast+HDMI→USB-C+Lenovo T1 の構成で行いました。
ここにiPhoneのミラーリングやPCのミラキャストをつないで画面を映すのが基本で、他のパターンとしてはモバイルバッテリーで動くミニPCに直接繋いで見る方法があります。
実験1:自分の正面以外からの姿をリアルタイムで見る
だいすけさんの報告にもあるように、スマホの画面ミラーリングで、自分の姿を映して背後やサイド、上からの姿を見てみることが出来ます。もちろん正面からも見えるので大きい鏡のないところでも正面からの姿をリアルタイムで見ることが出来ます。体感のタイムラグは0.05秒くらいありそう。
私はこれを使って筋トレしました。
懸垂の時に痛めている左肩を庇って、正しく背筋がつかえていないことが一目瞭然でした。
スマホのミラーリングは受信機(Anycast)の性能不足のためか無線のためか、タイムラグが少し気になるレベルなので、ミニPCから直接USB-C接続し、WiFiカメラの映像を見るようにすると、タイムラグはかなり改善しました。
実験2:棒の先につけたスマホの映像を見ながら撮影
iPhone画面転送のリモートセットで撮影。自撮り棒で撮る以上の価値を目指すとなかなか難しい。
自撮り棒なら優れているのは、下から見えない角度で画面を見ながら撮れる点。iPhoneの接写はドローンでも近寄れない距離から撮れるので、例えば雨樋の中のゴミ詰まりのチェックに使えそう。
実験3:運動しながら仕事する
PCの画面転送+Bluetoothのイヤホンスピーカーで、セミナー参加中に腕立て伏せや腹筋などの運動をやってみました。カメラオフの会議なら普通につかえます。マウス操作もしたいので、エレコムの指にはめて使うマウスがあればかなり良さそう。腹筋のように、視線が移動する運動でも画面が見られるのはスマートグラスの良いところです。
実験4:秘匿性の高い情報を公共の場で閲覧する
本実験では完全モバイルを達成するため、小型バッテリーでも動く、RaspberryPi Zero 2Wと軽量Bluetoothキーボードを使いました。全部で450g。この組み合わせでは、Anycastは不要です。
RaspberryPi Zero2Wに接続し、リモートデスクトップ接続で自宅のデスクトップPCに接続して使いました。
外で使っても他の人から映像が見えないので、スタバで資料作成なども安心してできます。
私は電車や公園で使いました。
電車の中でも使えるのはいいですが、Twitterくらいしかできませんでしたね。
キーボードを小型にすると、文字入力の作業性は落ちますがそれ以外ならまあまあ使える気がします。
バッテリーは5000mAhで、4-5時間くらい持ちそう。RaspberryPiZERO2WをAnycastに変えるとiPhoneの画面を投影できますので、iPhoneからリモートデスクトップ接続したものを映すこともできます。その場合画質が落ちるようです。
実験5:マッサージチェアで仕事する
憧れですね。マッサージチェアで首が動いても画面が見えるので割と使えます。ブラインドタッチが慣れませんが慣れればそれなりに使えそうです。
実験3の筋トレと同じで、見るだけの研修等なら余裕でできます。
まとめ
「働く」のウェルビーイングは高まるのか?というテーマですが、できる限り健康で充実することで「働く」のウェルビーイングも高まると思います。
今回の実験結果のとおり、仕事に欠かせないPCをリモート接続したスマートグラスと組み合わせることで、デスクワークになりがちなPC作業中に筋トレしたり、筋トレの姿勢を修正しては、マッサージしたり、気分転換して外で作業したりできることが検証できました。
この用途がしっかりとウェルビーイングにつながるかどうかは更なる実験が必要ですが、健康用途に展開してしっかりウェルビーイングを高めたいと考えています。
今後は、アクティブな健康づくりに生かすため、来年1月にスポーツジムやパーソナルトレーナーの方に用途展開の相談に行き、健康業界にスマートグラスによる改革を巻き起こせればなと考えています。
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