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LOSTAGEへ敬愛を込めて【前編】

遠くに住む、LOSTAGEの一ファンである私の約10年分の記憶を綴る。あくまでも私から観た景色なので齟齬があるかもしれない。
noteをはじめたからには、LOSTAGEのことを書きたかった。

私はメンバーの方々とは面識も何もなく、なんなら緊張して未だにお話もできていない。

①LOSTAGEが好きだ


LOSTAGE(ロストエイジ)とは、奈良県を拠点とするロックバンドである。
私は数あるロックバンドの中で、LOSTAGEが世界でいちばん好きだ。

まずファンがブチ上がっているライブ盤の公式トレーラーを聴いていただいて、それからお話をしたい。
どなたかに届いたらとにかくうれしい。


彼らの音色を言葉で言い表せない。どんなに言葉を尽くしても自分を納得させられない。
ダイナミックでパワフルな土台でありながら全身が吹っ飛びそうな強さを持ち、とんでもない存在感のあるドラム。豊かで幅のある「なんでリッケンバッカーでその音が出せるんだ」としか言いようのない音で曲を色付けるギター。そしてギターと共にメロディアスになっていったハイとローがよく乗るドンシャリ気味のベースに感情を隠すことなく乗せるハイトーンなボーカルが鳴るスリーピース。

まるで違っているとは言えないけど…としばらく悩んだが、本当にこれでいいのか?
説明なんて無粋である。聴けばわかるから。

これから、lostageがLOSTAGEと表記を変え、4人体制から3人体制になった後の彼らを追ってきた、札幌に住む私から観た彼らの話をする(今後、ロストエイジというカタカナ表記はlostageおよびLOSTAGEどちらをも指す)。

ロストエイジ側から観た記録や記憶は石井恵理子さんが著した「僕等はまだ美しい夢を見てる」にて詳細が語られているため、あくまで一ファンである私個人の目線で記す。


②はじめてのライブ

初めてライブを観たのはいつだったか、2011年発売の3枚目のミニアルバム『CONTEXT』発売前だったから10年は前だろう。
当時の私はようやく大学生になっていて、なんとかライブハウスにアクセスできるようになった。
LOSTAGEを観るために足を運んだのは札幌にあるハードコアの聖地、カウンターアクション。
最前列で観た。
彼らはずっと肩を組んで合唱するような、拳を突き上げて歓声を上げるような、そういう形のバンドではなかった。ずっと何かに怒っているように見えた。
曲間に言う「ありがとう」ですらピリついた声色に聞こえた。

カウンターアクションは天井が低く、キャパ150人くらいのライブハウスなので、中音も外音もかなり音が回る。とにかく音が良かった。
そしてその音がダイレクトに刺さる。
LOSTAGEはドラムの音がでかい。
バンドはドラムの音に合わせて他の楽器の音も合わせるものだと、いつだか教えられた。なのでギターもベースも音が大きかったような気がする。

初ライブの感想は、ただ圧倒されたほかなかった。
ライブハウスなので自分以外の人間もたくさんいるのに、個人として在る自分とLOSTAGEしかいないようだった。ビリビリした。吐き捨てられないような感情が立ち込めていた。
とても声なんて出せなかった。
演奏を終え、言葉少なに戻っていった彼ら3人の姿を見送り、目の前に落ちているベースのピックを拾って、財布の中に大事にしまった。


③彼らを知ったきっかけ


彼らを知ったきっかけは2009年発売のフルアルバム3枚目『GO』の収録曲である「SURRENDER」だった。
良い曲だと思った。トイズファクトリーから出ているバンドらしい。ポップながらメロウで、ブレイクの美しい曲だった。
当時はまだlostageという存在を知っている程度だった。
その後、lostageはLOSTAGEと表記を変えていた。そして新生LOSTAGEのアルバムが評判になっていたため、手に取り、衝撃を受けた。
なんだこの、殺気立った音は。
(こちらについては中編にて後述する)

すぐに過去のアルバムを買って聴いた。
1枚目のフルアルバム『PLAY WITH ASOLATION』の1曲目「Television City」のベースから始まるイントロに雷が落ちたようだった。
こんな音は知らない。でもこれだ。このバンドを好きだ、と確信した。
私の引き出しの中にまだlostageはいなかった。

ハイが効いた硬いベースとボーカル。ツインギターとドラムのアンサンブルに飲まれた。
これで私の脳内はほぼ塗り潰された。ずっとこの曲が頭にあった。

UKプロジェクトからリリースされたこのフルアルバムで私のlostageが始まっていく。
1枚目のミニアルバム『P. S. I miss you』を買い、当時かつ今でもアンセムとして継がれる「手紙」を聴いたときには、放心してコーヒー牛乳1リットルをカーペットに溢した。

フロントマンの五味岳久さん(以下、五味兄)がベースボーカルを務めているlostage。
すぐ、五味兄はベースヒーローになった。

書き連ねたらキリがないが、自主制作盤を購入するにあたり、五味兄と直接メールのやりとりをすることがある。
ご返信が来たことに身体がぶわっと浮き上がったような気がして、駅のホームから落ちそうになったくらい、憧憬を抱くくらいには憧れていた。今でも。

私は未だに物販に立つ五味兄ご本人とお話できたことすらない。
目が泳ぎ、緊張する。私のヒーローだから。


中編に続く。

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