![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141347779/rectangle_large_type_2_9a72a95e6bd1ebf2b22f6984edf9dd61.jpeg?width=1200)
奄美と島尾敏雄
日本で詩を書いていた大学ノート30冊をロンドンに送ってもらった。その中から100篇ほど、ロンドンで買ったノートに書き写した。その後、英語の詩を書いている友人もできて、英語の詩をタイプライターで打ち始めた。
100篇ほど打ったところで、どうしても訳してみたいと思っていた、島尾敏雄の『死の棘』を訳してタイプライターを打ち始めた。その頃、英語に訳されてなかった。今はどうだろう?
二十歳の頃、名瀬市の図書館長をなさっていたので、司書を通してアポイントをとって1時間ほどお会いすることができた。その時、40歳ほど年下のわたしに「あなたにとって大切なものは何ですか?」と真面目な顔で尋ねた。その図書館長室からは官舎である建物が見え、庭でミホさんが洗濯ものを干していた。その奥さんを見る視線から、この人にとってはあの人が最も大切なんだとはっきり分かった。
本では読んでいたが、その人と人とは思えない結びつきを感じた。
ロンドンを離れる時、タイプライターもその原稿もどうしたか記憶がない。ロンドンで買ったノート、日本では手に入らないだろうと思った英語版の小説や評論をーーI.B.SingerやJ.Bergerとかーー何冊か、そしてLPは思いので10枚だけ選んで持ち帰った。
あのタイプライターと原稿はどうしたのか、全く思い出せない。
![](https://assets.st-note.com/img/1716272857502-5lvb61NnTM.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716272883153-l5jQWY3z56.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716272983725-5m8JvWUBVn.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716272918290-ypTJ3pTaQO.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1716272961038-hBMfctnHnh.png)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?